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社員の国籍を 5つに分類してみた

2013年~2019年の 6年間、スイスで監査 (audit) の仕事をしていました。
当時の監査メンバーの国籍を数えてみたら、全部で 30 ありました。
もちろん国籍で人を語ることはできませんが、そこにはやはり傾向のようなものがあります。
 
30 の国籍について一つひとつ語るのは煩雑なので、5つにグルーピングしたうえで、各グループの特徴について語ることにします。
これは、私の経験のみに基づく所見なので、皆さんのイメージと合っているかどうかはわかりませんが。


グループ1: 西ヨーロッパ
(オランダ、UK、ドイツ、スイス、カナダ、南ア、US)

カナダ、南アフリカ、アメリカを “西ヨーロッパ” に分類したのは無理があるかもしれませんが、大まかな特徴としては同じグループだと考えています。
このグループの最大の特徴は、英語が上手なことです、というのは冗談として、物事を合理的に考えるところだと思います。
 
ロジック (と彼らが言うもの) を重視し、効率的でムダのない働き方を好む。また、公正・秩序・透明性を重んじ、不正や曖昧さを嫌う。時間やルールを守る。柔軟性は低い。
 
感情が安定しているので、面白味に欠けるかもしれませんが、ストレスを感じることなく付き合えます。
一方で、厳正さを求めすぎて非効率をもたらすことがままあり、自己矛盾や自縄自縛に陥るところがあります。
 
最後に重要な特徴として、権謀術数に長けていること。表向きは公正を訴えながら、裏でえげつなく暗躍するのが得意です。一種のダブルスタンダードと言っていいでしょう。 

グループ2: 南ヨーロッパ
(スペイン、ポルトガル、イタリア、ギリシャ、クロアチア)

西ヨーロッパと重なる部分もありますが、ヨーロッパ中北部との最大の違いは、野生っぽいところではないでしょうか。
まず外見的に、男性は髭を蓄えている人が多く、女性は髪を自然なスタイルにしている人が多い。
内面的には、おおらかで楽天的で陽気。
 
スーダンに出張したときのこと。週末やることがなく、酒も飲めず、みんな暗澹たる気持ちでいましたが、ルイスというスペイン人同僚はギターを持参していて、週末ずっとギターを弾きながら歌っていました。
無人島に一人で取り残されたとしたら、ヨーロッパの北の人は真っ先に死に、南の人は最後まで生き残る気がします。
 
そんな南欧人の仕事の特徴は、大ざっぱでアラが多い。しかし大事な部分は外していない。細かいことに気が回らないけど、本質を見抜くセンスがあるのだと思います。
策を弄したりはしません。
パワハラ上司がきたとき、イギリス人やオランダ人はあの手この手を使って上司を失脚させようと暗躍しましたが、イタリア人はスパッと会社を辞めました。縛られることを何よりも嫌う自由の精神と、どこででも生きていけるたくましさを感じたものです。

グループ3: 東欧
(露の国、ポーランド、宇の国、ルーマニア、ブルガリア、セルビア)

ある意味で、最も厄介なグループだと思います。
人と対立したときに、歩み寄ることがなく、敵意を露わにする人が多い。
上司には絶対服従、部下にはその逆。味方にはとことんフレンドリーだが、敵とはとことん対立する。
 
なので、彼らと付き合うには「私はあなたの味方ですよ」という姿勢を最初に示すことが肝要。部下としては強力。上司になったら辞めるのも一考。
好戦的だが、防衛本能も強い。権限や力のある者に擦り寄る。自分に危害を加えそうな者を早めにつぶす。得意技は密告。
 
とまあ、あまり好意的な所見が書けない東欧グループですが、対処の仕方さえ間違えなければ、それほど危険ではありません。西ヨーロッパグループの権謀術数に比べれば。
最後に、男性諸氏への忠告。とくに露の国の女性は、露骨にオンナの武器を使ってくる人が多いです。

グループ4: 中東・アフリカ
(イラン、トルコ、チュニジア、マラウイ、タンザニア)

中東とアフリカをひと括りにするのも強引に感じられるかもしれませんが、アラブ・ペルシア・トルコに代表されるイスラム圏の人々に共通する特徴があると思います。それは、感情の起伏が激しいところです。
 
基本的に、彼らはめちゃめちゃフレンドリーで、すぐに打ち解けられ、また友情に厚い人たちだと思います。
一方、キレると豹変する人も多い。
気が短いわけではありません。沸点はむしろ高いほうです。しかし、沸点を超えると人が変わったように怒る傾向が散見されます。
 
彼らはどういうときに怒るのか。それは人としての尊厳を傷つけられたときであり、彼らが尊厳をひどく傷つけられるのは、人から怒られたときです。とくに、友達だと信じていた人から怒られるのが最も傷つくようです。
わかりやすいですね。「怒る」と、「怒る」っていう。こだまでしょうか。
金子みすゞですか?
 
彼らと付き合う際の鉄則は、相手を絶対に怒らせないこと。
そのためには、まずあなたが彼らに対して怒らないことです。 

グループ5: アジア
(フィリピン、インドネシア、中国、韓国、インド)

このグループもひと括りにしにくいです。やはり南と北でだいぶ異なります。
細部を削ぎ落として最大公約数的に共通部分を抽出してみます。
アジア人の特徴としてまず、内向きな性向が挙げられると思います。
対人接触に臆病。感情をオモテに出さない。コミュニケーションに消極的。おとなしくて控え目で物静か。”よその人” と打ち解けるのに時間がかかる。
争いや対立を極力避けようとして、人と距離をとり、表情を隠し、言動を慎む。
日本人の特徴を挙げているように聞こえるかもしれませんが、他のアジア人も似たようなものだと思います。ヨーロッパや中東の人々と比べれば。
 
もうひとつの特徴は、論理や理性よりも情緒を重んじるところ。
頭で考えることより、心が感じたことに従う。行間や場の空気を読む。
言葉を聞かなくても相手の気持ちを察する。これもまた日本人だけでなく、アジア人に共通の特性です。
 
おそらくヨーロッパや中東から見れば、アジア人が最も扱いにくいグループでしょうね。あまりしゃべってくれないし、表情が読めないし、ロジックや教理などの共有できる土台がないわけですから。


さて、以上の 5グループに敢えて入れなかった国が 2つあります。
ひとつは日本(つまり私)ですが、もうひとつはフランスです。
なぜフランスを入れなかったか?
どのグループにも入らないからです。
 
私が仕事で関わったフランス人たちは、一人の例外もなく、”フランス人” としか言いようがないほど、ほかの国の人々とは異質なのです。
普通に考えれば、西欧グループと南欧グループの中間くらいに位置するはずですが、普通に考えても意味がないのがフランス人です。
なので、”フランス人” の特徴を説明することは私にはできません。
皆さんのご想像に委ねたいと思います。
 
本稿のまとめとして、5グループを 2軸のマトリクスにプロットします。
x軸は「論理的 ⇔ 情緒的」、y軸には「内向性 ⇔ 外向的」を選びました。

私個人の経験をもとにした所見ですので、かなーり偏っていると思います。
異論、疑問などコメントいただければ大歓迎です。

(追記)
いただいたコメントをヒントに、中南米と北欧を加えました。

監査の経験をもとに、不正 (fraud) のタイプ「小悪 ⇔ 巨悪」、手口・隠蔽の性格「大胆・杜撰 ⇔ 周到・巧妙」の 2軸で各グループをプロットしました。

バブルサイズは不正の発生率を表す

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