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ソード・ワールド2.5シナリオ「呪われた屍霊の迷宮」

はじめに


本記事は「ソードワールド2.5」を遊ぶためのシナリオです。
本記事は「グループSNE」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ソード・ワールド2.0/2.5』の二次創作です。(C)GroupSNE(C)KADOKAWA

今回はAIをあんまり使用していません。

凡例

太字:読み上げ文章(読み上げることが望ましい)

シナリオ傾向

本シナリオは、ダンジョンアタックシナリオである。
プレイ時間は3~4時間程度である。
少しギミックがあるが、基本的には罠を解き、戦闘をする簡単なシナリオになっている。GM初心者、PL初心者にオススメする。
また参加者は3~4人を想定している。

トレーラー


トレーラー

シナリオの概要

冒険者たちは、定期的な〈魔剣の迷宮〉の掃討依頼を受けることになった。
この迷宮は3年前、攻略されたものの〈魔剣〉を排除、回収することができておらず、魔物が出現するようになっている。その魔物の定期的な討伐が、今回のシナリオ目標だ。

シナリオの背景

3年前、神官戦士ガレフの率いるパーティでこの迷宮を踏破した。
この魔剣〈屍霊の操剣〉はリムーブ・カース、もしくはルーンフォークが所持することで回収される。しかし、パーティリーダーが神官戦士であったこのパーティは「所有したものをレブナントに変える魔剣」だとギルドに報告した。ギルドもその報告を信じ、消えない〈魔剣の迷宮〉として有効活用しようと、掃討依頼を出すようになった。
今回の冒険で、冒険者が剣を引き抜くとこの迷宮はなくなる。

レギュレーション

本シナリオを遊ぶためには、ルールブックⅠ、Ⅱ、Ⅲが必要です。
また本作は簡易戦闘を採用しています。

PCの作成レギュレーションは以下の通りです。

冒険者の平均Lv 5~6Lv
成長回数9
追加経験点:+13000(総16000)
所持金:14000G
所持名誉点:150
所持アビスシャード:3個
(アビスシャードは売却可能)

舞台
とりあえずハーヴェスにしているが、GMは舞台を変更しても良い。

1.導入

 PC達はハーヴェスの冒険者ギルド〈ドラゴンファイア〉に所属する冒険者である。今日も今日とて依頼を解決し、受付嬢ラキにその旨を報告している。そんな中、受付嬢がある提案をしてくる。
 「少し危険ですが〈魔剣の迷宮〉に挑戦してみませんか?」

 PC達はこの導入が始まる前に、既に依頼をこなしています。それはゴブリン退治かもしれませんし、下水道掃除かもしれません。PC達と相談して、どんな依頼をこなしていたか、GMは決定して下さい。

受付嬢ラキ(リカント/女/19歳)は明るく、気さくだけども真面目なキャラです。具体的なロールプレイは以下のようにすると良いでしょう。
「わわわ!!怪我してるじゃないですか、大変です!早く服を脱いでください」
「下水掃除、どうでしたか。…スライムが群れを作っていた? まぁ!!それは大変でしたね。お湯を用意しましょうか」
「もう!金輪際、喧嘩は無しです!!次にやったらギルドマスターにいいつけちゃいますからね!!」

雑談やロールプレイが済んだら、ラキが本格的な相談に入ります。
「皆さんの実力なら大丈夫だと見込んでの依頼です。実は〈ドラゴンファイア〉には踏破したけど消滅させていない〈魔剣の迷宮〉がいくつかあるんです。ただ、消滅させていない迷宮からは魔物が出現しますから、その討伐を冒険者さんにはお願いしているんです。」

依頼:「呪われた屍霊の迷宮」の魔物討伐
期間:今から1週間
報酬:1人当たり3000G

「この迷宮、魔剣を持ったものをレブナントにしてしまい、操るとても危険なものなんです。くれぐれも奥の魔剣には触れないで下さいね!!レブナントになったら蘇生も出来ませんから…………。」
「あと、皆さんお仕事で疲れてるでしょうから、今直ぐってわけじゃありません。だいたい1週間以内でしょうか。この迷宮は馬で2日ほどの位置にありますので、1日2日は休んで貰っても大丈夫です!!」

以上のようなことを依頼してきます。
より詳細な情報を尋ねるなら、「資料室に過去の記録があります。そちらで探していただくことはできますが……」と言って、資料室の鍵を渡していきます。記録の場所をラキは知らないため、ここで情報を得るためには冒険者が探索判定をする必要があります。

  • 探索判定(13):過去に出現した魔物が解ります。過去に出現したのは、ゾンビ(Ⅰ、457頁)、ドライコープス(Ⅰ、458頁)、ファントム(Ⅰ、458頁)、スケルトンアーチャー(Ⅱ、409頁)です。

  • 以降、これらの魔物に魔物知識判定をする場合、+2のボーナスを得ます。

  • 探索判定(15):この「呪われた屍霊の迷宮」を踏破した冒険者パーティについて以下の記録が出てきます。

「ガンクランの記録」
パーティ名:ガンクラン
冒険者ランク:ブロードソード級
人数:5人(人間/神官戦士、タビット/魔法使い、ルーンフォーク/剣士、ドワーフ/アーチャー、人間/妖精術士)
報告:リーダー、ガレフの手により魔剣が抜かれた瞬間、彼はレブナントと化した。剣士、ペネロエはガレフから魔剣を引き剥がそうとしたが、つかんでも離れなかったと語っている。ガレスを何とか討伐。魔剣を置いたまま帰還
*最後の部屋の仕掛けは、どれも同じ機構だったことを報告します。

〈ギルドマスターからの回答〉:依頼お疲れさま。大変な目にあっただろう。この迷宮は放置することにした。調査員がレブナント化する危険性もあるためである。魔物が出現次第、掃討する依頼を出す。誰も魔剣を取らないこと

  • 文献判定(15):埋もれた調査報告書の山から、ギルド調査員リタの考察を発見することができます。

この前、定例報告で上がった「呪われた屍霊の迷宮」はとても危険。マスターは私達が危ないといって調査させないけど、こういう迷宮こと調査すべき。特に剣士が掴んで、押さえつけられたという話が気になる。レブナント1人を山賊で作り出し、埋めて封印出来ない?
レブナント化も気になる。何故?どうやって?呪い?
穢れが極度に高まることでレブナント化は起こる。じゃあ、ルーンフォークは?報告のリーダーを押さえつけた剣士もルーンフォーク。考慮に値する。
ギルドマスターに調査を上告(不採用とする。あまりに危険すぎる)

迷宮へ向かうのであれば「2.いざダンジョンへ」に進んで下さい。

2.いざダンジョンへ

「呪われた屍霊の迷宮」はハーヴェスから馬で2日ほどの距離にあります。
馬や野営道具は冒険者ギルドが貸し出してくれるでしょう。また食糧も供給されます。迷宮は山の斜面に生成されています。半ば崩れるようにして入口がぽっかり空いています。近づいていくなら、以下の描写をして下さい。

目的の迷宮に近づくにつれて、むわり、と死臭や泥の匂いがする。
がさりと草むらをかき分け、進んできたのはアンデットだった。
どうやら戦闘は避けられそうにない。

いわゆるチュートリアル戦闘です。PCの挙動を確認して下さい。

前線エリア
ゾンビ(Ⅰ、457頁)×PC人数

戦闘が終われば、迷宮に入れます。
①の地点からスタートさせて下さい。

呪われた屍霊の迷宮

①迷宮の入口
迷宮の中は真っ暗で、洞窟になっている。ところどころ、石造りの建築が見えるがそれも瓦礫と化してしまっている。そして迷宮の中から、ふわり、と紫に染まった空気が漂ってきた。まさしく「呪われた屍霊の迷宮」その名前に偽りはない。

遺跡内部は「呪気」が蔓延しています。探索判定など10分以上の時間がかかる判定をする度、PC達は最大HPを「-1」する効果を受けます。この効果はリムーブ・カース(13)で解除できます。

②墓場
迷宮の分かれ道を左に進むと大きな空間に出る。
そこは何やら人工物が密集していた。墓だ。
石棺、木棺が立ち並び、墓標が天を突く墓場に出た。
そして奥から気配がする。ぞろぞろとやってきたのはアンデットだ。

ここで魔物知識判定(12/15)ができます。
また、この段階であれば回れ右をして戦闘を後回しにできます。この魔物達はアダポシア(Ⅲ、376頁)です。PC人数+2体の群れになっています。墓場に侵入してきた冒険者に「安寧を脅かす敵」という印象を抱いています。
何もなければそのまま戦闘に突入して下さい。

前線エリア
アダポシア(Ⅲ、376頁)×(PC+2)体

戦闘に勝利、もしくは何らかの方法でアダポシアをこの迷宮から退場させた場合、探索判定が行えます。以下の成功値でアイテムが出てきます。

10 月光の魔符+1
12 穢れた頭蓋骨(300G/赤A)
15 腐肉(200G/赤B)×2d
18 妖精のランタン(10000G)

ただし、18のアイテムを入手すると、周りの墓からアンデット達が起き上がり、攻撃をしかけてきます。危険感値判定(16)もしくは回避判定(18)に失敗すると「2d+15」の物理ダメージを、アンデットの大群から受けます。

③通路
迷宮の分かれ道を右に進むと、細い通路に出る。
この大きさは少し冒険者を不安にさせる。そして通路の奥から何かがキラリと光った。

矢が飛んできます。
③に近づいたら問答無用で飛ばして下さい。危険感値判定(15)です。
矢には毒が塗られています。また、女神像の口から矢は放たれます。
パーティの先頭にいた人物が危険感知判定を行えます。
命中した対象は「2d+8」の物理ダメージを受けます。また生命抵抗(14)に失敗した場合、「2d+10」の毒属性魔法ダメージを与えます。

④宝物庫

キラキラと輝く金貨、ギラリと鋭い輝きを放つ武器、一目見ただけでもわかる珍しい道具。ここは宝物庫だ。だが、先駆者達はこの宝物を手にしなかったのだろうか?あるいは生成されたのか??

この部屋は宝物庫です。しかし、何かを手に取ると、天井が落ちてきます。
探索判定(10)に成功することで、松明や石が、財宝の中に埋もれておかれていることに気づきます。

吊り天井のダメージは「2d+200」物理ダメージです。
3つ以上の宝物を手に取ると天井は急速に墜ちてきます。
その際の危険感値判定(5)に失敗すれば、冒険者は死に瀕するでしょう。

この部屋の吊り天井は、部屋全体にある重さに比例して墜ちてくる魔法がかけれらています。このことは見識判定(18)に成功することで解ります。
また様々な試みや実験を通じてPC達が法則性を発見した場合でも、教えてしまって構いません。

荷物や石を置く代わりに、リストのアイテムを1つ得ることができます。
これは何度でも繰り返せます。ただし、これには10分の時間を使い、PCは呪気の影響を受けることになります。なお、PCがヒールウォーターなど、面白い手段を使って宝物を運び出す場合、GMは裁量でそれを許可できます。

  • 1000G分の金銀財宝

  • Aランクの任意の武器1つ(ただし、価格が3000を超えるものは入手できない)

  • 2000G以下の好きな冒険者道具

⑤壁画の間
迷宮の最深部、壁や天井、床に至るまで壁画で埋め尽くされた空間に出る。部屋の中心部には3つの碑文がある。それぞれ南、西、東を向いている。
碑文の前には器がある。これは何かの仕掛けだろうか。

中央、南の碑文にはこう書かれています「血を捧げよ」。
西の碑文にはこう書かれています「対価を捧げよ」
東の碑文にはこう書かれています「生を捧げよ」

これはそれぞれ、HP5点分のダメージを負い、器に血を注ぐことで仕掛けが発動することを意味してす。どの仕掛けでもその仕組みは変わりません。
このことは、冒険者ギルドの「ガンクランの記録」から導き出せる答えです。ノーヒントでそれにたどり着くことは難しいでしょう。

南の器に血を捧げると、⑥へ向かう壁が開きます。この先に進むとクライマックスです。血を捧げ、最後の試練に挑む覚悟を示す仕掛けです。

西の器に血を捧げると「魔力の泉」が、西の壁から湧き出します。
この泉の水を飲んだものは、MPが全回復します。
捧げた血を対価にMPが回復するという仕掛けです。

東の器に血を捧げると、アンデットが襲い掛かってきます。
碑文に偽りなく、生を求めて戦ってきます。
強制戦闘です。

前線エリア
フライングハンズ(Ⅲ、376頁)×2体

この魔物の戦利品判定を行う際、戦利品判定に+5のボーナスを得ることができます。

3.デュラハンとの戦闘

⑥試練の間
遺跡の最奥部、そこにはただ暗闇があった。
何も移さず、何も見えず、ただそこに横たわる暗黒。どこか懐かしさと恐怖を感じさせるそれから声が響き渡る。
〈汝の力、汝の資格、この屍剣にふさわしいか今ここに示せ!!〉
デュラハンが姿を現し、襲い掛かってきた!!戦闘開始だ。

クライマックス戦闘

前線エリア
デュラハン(Ⅰ、459頁)×1体
ファントム(Ⅰ、458頁)×(PC人数-2)体

*デュラハンは、各部位に2つの〈剣の欠片〉が入っています。
また人間並みの知能を持っているため、回避や防護点が異常に高いキャラクターには魔法を使います。
*ファントムは〈怨念の叫び〉を2ラウンドに1回使用します。それ以外はGMの裁量で動かして下さい。

戦闘に勝利すると、部屋の奥に魔剣が現れます。
〈よくぞ試練に打ち勝った…。我を手に取り、力を振るうが良い〉

なおルーンフォーク以外がこの剣を手に取ると即座にレブナント化します。

*補足
この魔剣はポンコツ長身お姉さんです。自分を握ったものがレブナント化しても〈何故じゃ…何故なのじゃ……〉と嘆き悲しみ、本心から絶望します。
しかし、3日もするとその事実を忘れるので、永遠に自分が原因でレブナントが生まれることに気づきません。これはこの魔剣を作った魔法使いの趣味によるもので、彼女に責任はありません。


魔剣のデータ
武器データ

エンディング

冒険者達が〈呪われた屍霊の迷宮〉を攻略し、無事に〈ドラゴンファイア〉に帰還すると受付嬢ラキは安堵しや表情で声を掛けてきます。
「おかえりなさいです!あの迷宮の掃討依頼は無事に済んだのですね!!
今すぐに報酬金を持ってきます。ちょっと待ってて下さい。」

通常の方法で迷宮を攻略、アンデットを討伐している場合、1人当たり3000Gの報酬金が渡されます。もし、〈屍霊の操剣〉を回収できている場合、驚いてギルドマスターを呼びに行きます。
ギルドは、危険な魔剣を無力化したことで追加報酬を払ってくれます。
この場合、1人当たり4000Gの報酬が渡されます。
適当なロールプレイをして、良い所で切ればセッション終了です。
お疲れさまでした。

リザルト

経験点:1000点+(魔物討伐Lv×10)+(ピンゾロ数×50)
報酬:3000G+戦利品分+ボーナス
名誉点:〈剣の欠片〉個×1d

あとがき

ここまで読んでいただきありがとうございます。DKPです。
このシナリオは2023/7/15開催「ハルーラガイドコンベンション」の裏で執筆しています(笑)。何故かというと、僕はスタッフで暇な時間が多いからですね~~~~。だいたい4時間ぐらいでこのシナリオは書き上げれました。

ちなみに「はるコン」のレポート記事はこちらです!!

さて、今回からAIにシナリオを任せるのを辞めました。
すると、するする自分らしいシナリオが出来上がりましたわよ。
前回、前々回の出来が良くなかったんですが、やっぱりAIにシナリオを考えさせるにはまだまだ技術が足りませんね。体感ですが、遊べるだけのシナリオ、になってしまいがちです。

ただ、今回のタイトルや魔剣の名前などはchatGPTに考えさせました。
そこら辺はとても楽ですね。
でも、僕もまだまだシナリオ作家としては現役だぞ!!
そんなところで、実験としてAIにシナリオを書かせるのは終了です。
今後は自分で、僕らしいシナリオ、を書いていこうかなぁと思います。

来月は8月20日に公開…できるかな?

夏コミに出るのでわからんです(笑)。
ちなみにブースは「C102土曜日 東V36b」です。よかったら来てね!

出所表示

 地図画像は「dungeon scroll」、トレーラーは「AI Picasso」で生成しました。

TRPG。中でも特に『捏造ミステリーTRPG赤と黒』が非常に好きです。