唐鎌大輔(みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト)

慶大経卒。JETRO、日本経済研究センター、欧州委員会などを経て現職。著書に『欧州リス…

唐鎌大輔(みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト)

慶大経卒。JETRO、日本経済研究センター、欧州委員会などを経て現職。著書に『欧州リスク: 日本化・円化・日銀化』、『ECB 欧州中央銀行: 組織、戦略から銀行監督まで』、『「強い円」はどこへ行ったのか』。所属学会:日本EU学会。※コメントは個人的見解であり所属組織とは無関係です

メンバーシップに加入する

為替市場を中心とした経済・金融分析を提供します。私が書籍を筆頭に様々なメディア(雑誌、テレビ、youtubeなど)で発信している殆どの主張はメンバーシップ記事で理解できるようにするつもりです。「サクッと簡単解説」のようなコンテンツを卒業された方(されたい方)や、それらと並行してより深く学びたい方にとって十分満足のできる内容を提供できればと思っています。 収益目的ではありませんので、プランは「分析記事、月5本で500円」の1本だけです(他コラムや剽窃防止等の観点から止む無く有料化することにしております。詳しくはnoteの公開記事をご覧ください)。筆者の記事は分量もありますので5本でも読みごたえは感じて頂けると思います。もちろん、筆者を知らないという方も多くいらっしゃると思いますから、初月は無料にいたします。 普段はプロを相手にお仕事をさせて頂く機会が殆どですが、国策として「資産運用立国」が謳われる中、自分の知見を何らかの形で還元できるのであれば嬉しいという思いもあります。読者の方々からのフィードバックなども参考にしながら、一緒に勉強させて頂ければと思います。

  • スタンダードプラン

    ¥500 / 月
    初月無料

マガジン

  • 日経COMEMO

    • 13,112本

    日経COMEMOは、様々な分野から厳選した新しい時代のリーダーたちが、社会に思うこと、専門領域の知見などを投稿するサービスです。 【noteで投稿されている方へ】 #COMEMOがついた投稿を日々COMEMOスタッフが巡回し、COMEMOマガジンや日経電子版でご紹介させていただきます。「書けば、つながる」をスローガンに、より多くのビジネスパーソンが発信し、つながり、ビジネスシーンを活性化する世界を創っていきたいと思います。 https://bit.ly/2EbuxaF

最近の記事

円安抑止の処方箋~対内直接投資~

23年末の対内直接投資残高も順調 目下、円安抑止策を問われることが増えています。この点に関しては過去のnoteで沢山議論しておりますが、選択肢は実のところ、それほど多くありません。しかし、その中でも長期的且つ国の形を変え得る一手として対内直接投資の促進はやはり外せません。過去にも議論させて頂いているところですが、より戦略的に議論を深めてみたいと思います。 岸田政権は対内直接投資残高の目標として「2030年までに100兆円」を掲げています。これは昨年6月の「骨太の方針」に明記

    • 現状維持と「基調的なインフレ率」

      現状維持の理由 激しい円安の基点として4月26日の日銀会合の現状維持、とりわけ植田総裁による会見を指摘する声は多いようです。今回も目先のお話かつ短い分量ですので皆さまが読めるようにしておきます: 多くは批判的な論調ですが、やや一方的な雰囲気にも感じます。下記noteでも議論したように、そもそも中銀として投機の通貨売りに対抗しても恐らくロクな結末は待っていません。それは歴史が証明するところでしょう: https://comemo.nikkei.com/n/na2746e1c

      • 為替との戦いを避けた日銀

        「為替市場には付き合わない」は基本 既報の通り、日銀は26日の金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決めました。事前に注目された国債購入規模の減額に関しても決定も無く、声明文も非常にシンプルな元来の姿に戻りました。円安対策としての金融引き締めを期待した為替市場では円売りが加速し、158円台で越週しています: 今次円安局面に入った2年前から筆者は「投機的な円売りによって円安対策としての引き締めが催促される」というのが最悪の状況だと常々警戒してきました。これは例えば以下のno

        • トランプ氏と為替の考え方~前回教訓を踏まえ~

          ドル/円相場は遂に155円を突破し、156円到達を窺う地合いにあります。直接的な原因があったわけではありませんが、日銀会合前ということを踏まえると利上げを催促するような投機的な円売りという可能性もあります。昨年8月のnoteで心配した通りの展開になっているように感じます: なお、止まらない円安相場に関し、約34年ぶりとなっている円の対ドル相場を取り上げたトランプ氏がSNS上に「アメリカにとって大惨事(a total disaster)」と投稿したことが大きく報じられています

        マガジン

        • 日経COMEMO
          13,112本

        メンバーシップ

        • デジタル赤字の王者はアイルランド

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • 円は世界で人気?

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • 直接投資を考える~円安の処方箋~

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • スローバリゼーション

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • デジタル赤字の王者はアイルランド

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • 円は世界で人気?

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • 直接投資を考える~円安の処方箋~

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • スローバリゼーション

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります

        メンバー特典記事

          円安抑止の処方箋~対内直接投資~

          「スタンダードプラン」に参加すると最後まで読めます

          23年末の対内直接投資残高も順調 目下、円安抑止策を問われることが増えています。この点に関しては過去のnoteで沢山議論しておりますが、選択肢は実のところ、それほど多くありません。しかし、その中でも長期的且つ国の形を変え得る一手として対内直接投資の促進はやはり外せません。過去にも議論させて頂いているところですが、より戦略的に議論を深めてみたいと思います。 岸田政権は対内直接投資残高の目標として「2030年までに100兆円」を掲げています。これは昨年6月の「骨太の方針」に明記

          グローバリゼーション vs. スローバリゼーション【日本への追い風】

          「スタンダードプラン」に参加すると最後まで読めます

          米国のおかげで「steady」な世界経済 4月16日、IMFから春季世界経済見通し(WEO)が公表されました: 世界経済の実質GDP成長率は今年1月の暫定改定値から+0.1%ポイント引き上げられ+3.2%とされています。筆者は毎回、WEOのサブタイトルを記録してその推移をエクセルで管理しています。 今回のサブタイトルは「Steady but Slow: Resilience amid Divergence(安定かつ緩慢、まちまちな様相の中、強靭性も)」となっており、インフ

          グローバリゼーション vs. スローバリゼーション【日本への追い風】

          デジタル貿易の王者アイルランド

          「スタンダードプラン」に参加すると最後まで読めます

          デジタル貿易界の王者アイルランド 今月最初のnoteでは立て続けにデジタル関連収支の国際比較について議論をさせていただきました。各所より非常に多くの反響を頂いております。 年初に日経新聞がデジタル小作人という絶妙なフレーズで取り上げて以降、デジタル赤字はかなり世に浸透してきたテーマになっていると感じます: 今回は一連のデジタル関連収支シリーズの〆として、(少なくとも統計上は)デジタル貿易界の王者とも言えるアイルランドについて取り上げます。これまでnoteではEUに関して、

          世界の金融当局は日本円を見直している?~外貨準備では円比率が上昇中~

          「スタンダードプラン」に参加すると最後まで読めます

          「ドル離れ」は明らか 2回連続デジタル赤字の話が続きましたので、今回は趣向を変えてみます(アイルランドの秘密については近日やります)。先週3 月 29 日には IMF から外貨準備の構成通貨データ(COFER)が公表されています。毎回話題になるわけではありませんが、為替市場を中長期的に展望するにあたって重要なデータであるため、筆者は定期的に観測しています。日本の外貨準備にまつわる報道は為替介入への期待感が交錯する中で頻繁に目にするようになっております: もちろん、日本のデー

          世界の金融当局は日本円を見直している?~外貨準備では円比率が上昇中~

          デジタル収支の国模様~米国はWindows、英国はプレミアリーグ、異次元のアイルランド~

          「スタンダードプラン」に参加すると最後まで読めます

          前回は世界のデジタル関連収支における日本の現在地を確認しました。多くの方に読んで頂き感謝です。これを機にメンバーシップに登録したというお声も沢山頂きました。この場を借りて御礼申し上げます: その際、予告的に「デジタル関連収支を通じて見る国模様」を取り扱うとしました。「次はいつごろになりますか?」というお問合せも頂戴しました。このテーマについてはメディアの取り扱いが増えていることもあって、非常に強い世間の関心を肌で感じます。今週、円安を解説する記事でもデジタル赤字というフレー

          デジタル収支の国模様~米国はWindows、英国はプレミアリーグ、異次元のアイルランド~

          デジタル赤字は日本だけの話なのか?

          「スタンダードプラン」に参加すると最後まで読めます

          デジタル赤字についてはこの1年で取りざたするメディアやアナリストが非常に急に増えました。問題提起した1人として、こうして世論が大きくなっていくことは嬉しく思います。しかし、その国際比較については統計上の扱いが非常に煩雑で厄介なこともあり、まだ進んでいないように思います。これから必ず注目される論点になるでしょう。今回はその点を深掘りしたいと思います。デジタル赤字の国際比較はまだ、殆どの識者が手を付けていない論点で、今後、取り上げられていくことになると思っています。 「新時代の

        記事

          ドル高は世界経済のテーマになるか?

          ドル円相場は遂に155円を突破しました。色々な思惑や議論が浮上しているようですが、通貨政策はあくまで政治マターだと思いますので筆者から何かか所感を述べることはいたしません ※今回は時間軸が短く、カレントなテーマでもありますので全文お読み頂けるようしてあります: 「技あり」の日米韓声明 ただ、先週は通貨政策という政治の世界において少し驚きを覚える動きがありました。それはワシントンで4月17日から始まったG20財務相・中央銀行総裁会議にあわせて開催された日米韓財務相会合です。同

          グローバリゼーション vs. スローバリゼーション【日本への追い風】

          米国のおかげで「steady」な世界経済 4月16日、IMFから春季世界経済見通し(WEO)が公表されました: 世界経済の実質GDP成長率は今年1月の暫定改定値から+0.1%ポイント引き上げられ+3.2%とされています。筆者は毎回、WEOのサブタイトルを記録してその推移をエクセルで管理しています。 今回のサブタイトルは「Steady but Slow: Resilience amid Divergence(安定かつ緩慢、まちまちな様相の中、強靭性も)」となっており、インフ

          グローバリゼーション vs. スローバリゼーション【日本への追い風】

          デジタル貿易の王者アイルランド

          デジタル貿易界の王者アイルランド 今月最初のnoteでは立て続けにデジタル関連収支の国際比較について議論をさせていただきました。各所より非常に多くの反響を頂いております。 年初に日経新聞がデジタル小作人という絶妙なフレーズで取り上げて以降、デジタル赤字はかなり世に浸透してきたテーマになっていると感じます: 今回は一連のデジタル関連収支シリーズの〆として、(少なくとも統計上は)デジタル貿易界の王者とも言えるアイルランドについて取り上げます。これまでnoteではEUに関して、

          「でこぼこ道」or「再燃の入口」~米インフレと円安のこれから~

          「でこぼこ道」or「再燃の入口」 4月10日米国時間のドル/円相場は遂に90年6月以来、34年ぶりとなる153円台まで上昇しました。米3月消費者物価指数(CPI)が2月の前年比+3.2%から同+3.5%へ予想以上に加速したことを受けた動きですが、こうしたインフレ率を一過性の振れと見なすかどうかが今後の争点になりましょう。なお、今回は時間軸の短いお話になるので誰でもお読み頂ける記事にしておきます: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN

          「でこぼこ道」or「再燃の入口」~米インフレと円安のこれから~

          世界の金融当局は日本円を見直している?~外貨準備では円比率が上昇中~

          「ドル離れ」は明らか 2回連続デジタル赤字の話が続きましたので、今回は趣向を変えてみます(アイルランドの秘密については近日やります)。先週3 月 29 日には IMF から外貨準備の構成通貨データ(COFER)が公表されています。毎回話題になるわけではありませんが、為替市場を中長期的に展望するにあたって重要なデータであるため、筆者は定期的に観測しています。日本の外貨準備にまつわる報道は為替介入への期待感が交錯する中で頻繁に目にするようになっております: もちろん、日本のデー

          世界の金融当局は日本円を見直している?~外貨準備では円比率が上昇中~

          デジタル収支の国模様~米国はWindows、英国はプレミアリーグ、異次元のアイルランド~

          前回は世界のデジタル関連収支における日本の現在地を確認しました。多くの方に読んで頂き感謝です。これを機にメンバーシップに登録したというお声も沢山頂きました。この場を借りて御礼申し上げます: その際、予告的に「デジタル関連収支を通じて見る国模様」を取り扱うとしました。「次はいつごろになりますか?」というお問合せも頂戴しました。このテーマについてはメディアの取り扱いが増えていることもあって、非常に強い世間の関心を肌で感じます。今週、円安を解説する記事でもデジタル赤字というフレー

          デジタル収支の国模様~米国はWindows、英国はプレミアリーグ、異次元のアイルランド~

          デジタル赤字は日本だけの話なのか?

          デジタル赤字についてはこの1年で取りざたするメディアやアナリストが非常に急に増えました。問題提起した1人として、こうして世論が大きくなっていくことは嬉しく思います。しかし、その国際比較については統計上の扱いが非常に煩雑で厄介なこともあり、まだ進んでいないように思います。これから必ず注目される論点になるでしょう。今回はその点を深掘りしたいと思います。デジタル赤字の国際比較はまだ、殆どの識者が手を付けていない論点で、今後、取り上げられていくことになると思っています。 「新時代の

          「国際収支の未来」は「日本の未来」

          既に各社から報道が出ております通り、3月26日、財務省は神田財務官を主催とする国際収支分析を専門とする懇談会「国際収支から見た日本経済の課題と処方箋」を発足させました。今後複数回の会合を経て、具体的な提言が出されることになっています。若輩者ではありますが、私も委員として拝命頂きました。問い合わせも多いゆえ、簡単に紹介だけさせて頂きます。 会合の議論に関し、私が何かを申し上げることはできませんが、第1回会合のリードスピーカーにご指名頂きました。その際の資料は既に財務省HPで公

          今後の情報発信について

          メンバーシップ導入について いつも筆者のnoteをお読み頂きまして、大変有難うございます。今回は今後の情報発信の在り方についてのお知らせとなります。日経新聞さんとのお仕事を契機に始めたnoteでありますが、これまで500本以上の記事を配信させて頂き、気づけば1万2000人近くのフォロワーが付いて下さるようになりました。個人的に色々なDMを頂戴することも増えており、大変励みになっております。過去2年間の論考が奏功していることもあり「言う通りにして良かった」という声も多く頂きます

          円安は「優しさの代償」~マイナス金利解除を受けて~

          やはり「噂で売って、事実でも売り」だった 注目された日米金融政策決定会合を経て、ドル/円相場は年初来高値を更新、150円台で値固めする展開に入りました。 既報の通り、3月18~19日の日銀金融政策決定会合は①イールドカーブ・コントロール(YCC)の廃止、②無担保コールレートの誘導目標を▲0.1%から+0~0.1%程度へ引き上げ、③ETF・JREITの購入停止という引き締め方向の決定を下しました。日銀にとっては実に17年ぶりの利上げです: マイナス金利解除と共に注目されてい

          円安は「優しさの代償」~マイナス金利解除を受けて~

          円は「噂で売って、事実でも売り」なのか?

          「噂で売って、事実でも売り」 いよいよ本日、日銀金融政策決定会合を迎えます。筆者のnoteではあまり時間軸の短い議論は意図的に避けるようにしておりますが、今回は注目度に鑑み、簡単に一筆させて頂こうと思います。会合当日で恐れ入ります。 筆者は従前よりマイナス金利解除は「日銀発の円高材料出尽くし」という解釈が先行し、決定後は円安が加速するという「噂で買って、事実で売り(Buy the rumor, sell the fact)」の典型になるという考えを持っておりました。だが、周

          円は「噂で売って、事実でも売り」なのか?

          株高とインフレと中進国

          GDPの名実格差に正しい理解を 今月のnoteでは現在の日本経済はインフレ調整の過程に入っているのではないかという趣旨で議論しました。足許で調整色を強めている日経平均株価も昨年来では依然「高止まり」の印象が強く、これもやはり「インフレの賜物」なのだろうと思っています: 足許の動向はさておき、株高に関しては、それを喜ぶ議論の傍らで、実体経済の弱さを嘆く論調が多いのも事実です。これはそもそも日本の家計において株式の保有比率が低いという以前に、インフレになった分が十分、家計に分配