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【結婚相談所】恋愛コンサルタントのマッチング戦略

漠然と「結婚へ向けてサポートしてくれる」というイメージを持っているものの、具体的にどんなディレクションをしてもらえるのか、外からはなかなか分からない結婚相談所。

そこで今回は、恋愛コンサルティング業務をはじめ、婚活パーティーの企画・運営など婚活サービスを幅広く提供している結婚相談所「しあわせ恋結び」を運営する、代表カウンセラーの浜田幸生さんにお話をうかがいました。

結婚相談所「しあわせ恋結び」
代表カウンセラー 浜田幸生氏

入会したお客さんが、まず始めにやることはなんでしょう?

最初はお相手候補に見てもらうためのプロフィール文の作成です。会員様が作る自己PRと、我々から見たその方の特徴という2つを同時に作成していきます。出来上がってサイトに掲載されたら婚活のスタートで、どんなお相手を希望しているかを次にヒアリングしていきます。

恋愛における優先順位や、お相手に求める条件。可愛い人や若い人が良いのか、収入、家の近さとか、求める条件は人それぞれ。お話をしながら、その人が大切にする価値観を確認させてもらって、どういった方と出会えると幸せになれそうか、というのを一緒に考えていきます。

しっかり共通認識ができたら、実際にお相手候補を探していきます。その方法もケースバイケースです。一緒にPCを見ながら「この方がいいんじゃない」って紹介することもありますし、ご自身で選んでもらうこともあります。ウチからの推薦もある。

結婚相談所では「数打てば当たる」戦法は難しいんです。というのも、1か月でお見合いを申し込める最大人数が決まっていて、ウチの場合だと10~20人くらい。申し込んで先方からOKが出れば、次のステップに進めるという仕組みになっています。

このお申込みの人数枠ですが、全てを会員様にお任せしてしまうと、やっぱりみなさん、見た目が良くて年収が高い人にばかり申し込みがちです。

当然そういった方は競争率が高いので、マッチングの成功率が下がります。そうなるともったいない。別の方とデートできたかもしれない機会損失にもなります。

とはいえ我々が人数枠いっぱい選んでしまうと、それはそれで会員様も納得いかないですよね。なのでご自分で申し込む枠と、こちらから推薦させてもらう枠とを設けて進めていきませんか、という提案をしています。

厳密に基準は決まっていませんが、

① ご自身がアタックしてみたい方:30%
② 条件的にバランスが取れている方:50%
③ デート段階まで進める可能性が高そうな方:20%

くらいの割合になるように意識しています。

それも経験を積んでほしいからなんですね。お見合いを実際にやってみて「こういう風に喋ればうまくいくんだ」「こういうことだと厳しいのか」といったことを経験を通して知ってほしい。そのためにも、ある程度のマッチング率は担保したいです。

それは確かに大事ですね。

あとマッチングしないとシンプルに楽しくないと思うんです。そういった訳で、バランス良く申し込むことを会員様には推奨しています。

マッチングしたら、その次はどういったステップになりますか?

1回目のデート(お見合い)になります。

初回に関しては我々の方でセッティングします。希望する方には自由に決めてもらうこともできますが、基本的には我々でお膳立てをします。例えば、何日に〇〇ホテルのラウンジに〇時に集合してくださいねっていう感じですね。

いよいよデート感ありますね!同行はするんですか?

付き添いはありません。会員様が1人で行って、お話をしてきてもらう。終わった後で、感想やフィードバックをもらいます。

「良かった」ということであれば、お相手の所属する結婚相談所の担当者に「こちらの会員様はとても良かったと言っているので、ご縁があると嬉しいです。」といったコンタクトを取って、向こうの感触を待つ流れですね。

デートレッスンもしていると聞きましたが、それはどのタイミングで行うのですか?

サービス体験という形で、入会する前の男性に提供しています。実は、デートのお相手役は私の妻です。最終的には採点結果も出します。

レッスンはデートの2週間ほど前のLINEから。お客さんと、相手役の妻と、私の3人のLINEグループを作って…

3人のLINEグループなんですね(笑)。

そうなんですよ(笑)。

私は見るだけなんですが、LINEメッセージのやり取りも採点しますし、今後に向けてアドバイスをするためにも、一緒にグループに入って内容をチェックしています。

採点は、デートの企画力や清潔感、メールなどの色んな要素ごとに200近いチェック項目を作っていて、最終的にそれらを全部足して採点結果と偏差値をグラフにして出していきます。

凄いですね…どの結婚相談所でも、こういうサポートをしてくれるんですか?

ここまで深くサポートできるのは「個人」でやっている弊社だからこそのサービスだと思います。洋服選びとかは、多くの結婚相談所でも一緒にやってくれますけど。

一方で、個人でやっているからこそ、割と夜遅くでも「どうしても今お話したいんです…」といった電話をいただくことがあります。

具体的にどういう相談がありましたか?

結婚相談所で出会った女性とお付き合いしている男性からで、話を聞くと、自分の中で「この人で良いのだろうか」というモヤモヤを募らせている状態でした。

客観的に見てもとても素敵な方だったので、私たちも「すごいい人と出会えたね」なんて言っていましたし、本人も頭ではそう思っているみたいだったんですが、どこかで「何か違うんじゃないか、この子で良いのか」って悩んでいたみたいですね。

面談は月に1回1時間あるんですけど、それ以外のタイミングでも相談したいって話があれば、なるべく承るようにしています。

お客さんにとっては、話を聞いてくれる人がいるだけでありがたいですね。

個人だからこそできるサービスですね。普通は、時間が終われば営業終了です。

別の結婚相談所を利用していた会員様から話を聞くと、アドバイザーさん1人で何十人ものお客さんを抱えていて、最後まで自分の名前を覚えてもらえなかったということがあるそうです。人数が増えてしまうと、どうしても個々人の状況を把握することは難しい。

男女で恋愛観もすごく違うと思うんですが、婚活サービスの提供にあたって何か気を付けていることはありますか?

男女でというよりも、結局その人自身の性格によるところが大きいので、男女でサービスを分けているかというと、あまり変わらないですね。

強いて言うなら先ほどのデートレッスンとか、非モテ男性向けのものは、自分自身が今まであまりモテた方ではなかったので、サポートが手厚いというのはあったりします。

チェック項目の「筋肉質な体を維持しているか」「ミステリアスな雰囲気を感じるか」など、この辺りは人の好みに寄りそうです。

項目は大きく清潔感、メール、会話、色気、人間性があって、自分の強みや弱みが分かるようしています。もちろんこの項目の全てがマストではなく、またレッスンの採点結果が高得点だから「モテるか」というと、そういう訳でもないんです。やっぱり人と人との相性なので。

ただ一般的に見て、だらしない服装や言葉遣いって、客観的に言わないと伝わりづらいことがあると思うんです。かつ本人を目の前にして、ああしろこうしろって直接伝えるのもイヤだと思うので、そこでこうしたアウトプットの形でお見せしています。

過去に自分自身が結婚相談所を利用した経験から、本人にもやっぱり気持ち良くいい方向に向かってほしい、そんな思いから取り組んでいます。

自分を客観視してくれるというのはありがたいですね。

項目はほかにも、LINEやデートがつまらない、私服、髪型、まゆげ・・・

すごく多い印象ですけど、会員さんに「気をつけるポイントこんなに沢山あるのか…」って思われませんか?

あんまりないですね。どちらかというと納得される方が多いです。

大切なのは、これは気持ちを折るためのものではなく、自分に自信を持てるよう、婚活を後押ししてあげるための評価ということです。良いところもフィードバックして、モチベーションに繋げてあげないと意味がありません。

「次は気を付けよう」「もっと頑張ろう」と、みなさん前向きに捉えてくださっているので、自分を見つめ直す良い機会を提供できているのではないかと思います。


(写真:平澤貴大)

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