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良い「恋愛コンサルタント」の条件は”恋愛経験豊富”ではない?

結婚相談所とは?
Wikipediaにはこう書かれている。

結婚を希望する独身の男性・女性の会員に、結婚を前提とした出会いを提供し、出会いの際の日時調整から、お引合せ、交際から結婚に到るまでのフォローなども含めてサービスを提供する結婚情報サービスの業者、または公共サービスをさす。

Wikipediaより

分かるようで分からない。ただ出会い系アプリなども増える中で、「結婚相談所」が人気の婚活サービスであるということもまた事実。

そこで今回は、恋愛コンサルティング業務をはじめ、婚活パーティーの企画・運営など婚活サービスを幅広く提供している結婚相談所「しあわせ恋結び」を運営する、代表カウンセラーの浜田幸生さんにお話をうかがいました。

結婚相談所「しあわせ恋結び」
代表カウンセラー 浜田幸生氏

このビジネスを始めたキッカケは何だったんですか?

若かりし頃に合コンとかBBQとかイベントを企画するのが好きだったので、よくやってたんです。その仲間内で、マッチングじゃないですけど、友達同士で付き合うのを繋いだりして。それが面白くてビジネスとして成り立ったら良いなって思ったのが最初です。

別で参加したイベントでも、結婚相談所というのは「サポートして繋ぐ仕事」だというのを知って魅力的に感じたんです。調べていく中で、次第に自分でもやってみたいなと思いました。

そもそも結婚相談所ってどんなサービスを提供しているところなんですか?

カンタンに言うと「結婚できるようにサポートする」という仕事ですが、お客さまには、恋愛の経験があまりない方や奥手な方が多いので、コミュニケーションをサポートしていくイメージです。

具体的に言うとデートレッスン、LINEの添削、ファッションコーディネート、イベント企画、お相手候補を一緒に選んだりだとか、そういったことをやらせてもらっています。

結構、色んなサポートをしているんですね。

ターゲットによって提供する内容も変わります。弊社の場合だと、主に30~40代の方がターゲットですけど、熟年層向けの結婚相談所もあったりしますね。

カウンセリングすることもあるという
奥様にもご同席いただいた

利用者が、男女半々というのをサイトで見て驚きました。

そこは業界的な仕組みも関係していると思います。ウチの会員様は、社内だけでマッチングしている訳ではなく、「出会いの機会」を増やすために、複数の結婚相談所や会社に所属する会員様を、相互に紹介するという大きなシステムを利用してるんですね。

A相談所の女性と、B相談所の男性を、そのシステム上でマッチングさせるという感じ。マッチングのサポートをそれぞれの所属している結婚相談所で行う、そんな仕組みになっています。

そうなんですね。一般的に出会い系アプリだと、圧倒的に男性が多いイメージだったので意外でした。

サクラが横行してしまっているアプリもありますからね。結婚相談所はどちらかというと、女性がちょっと多いくらいかもしれません。感覚値ですけど、6:4ぐらいで女性の方が多いかな。

ちょっと下世話な話なんですが…会員さんはお付き合いしたことがない人が多いということで、夜の相談もされたりするんですか?

デートレッスンのときはそういう話にもなったりしますけど、実際にサポートが始まってからはあまりない印象ですね。

(奥様)私はよく相談を受けますよ。女性の方が赤裸々にご相談をいただくことが多いかもしれません。性の話まで行かなくても、手を繋ぐタイミングとか、キスのタイミングとか、距離感の掴み方が難しいという声はよくあります。

サイトに書いてある「活動期間」というのは、入会してから卒業するまでの期間ということですか?

その通りです。例えば「活動期間10ヶ月、交際期間6ヶ月」と書いてある方は、入会して4ヶ月ぐらいで出会ったお相手と、6ヶ月ほどお付き合いしてゴールインされたという意味になります。

載っているカップルの交際期間が6か月、3か月、3か月と…皆さん割と短めですね。

確かに、結婚相談所を利用しないカップルと比べると短いかもしれません。結婚相談所って、当たり前ですけど「結婚」が大前提なんですよ。お付き合いしてからだんだん仲良くなって盛り上がっていくというより、良い人が見つかったらすぐにでも結婚したいという方が大多数。

加えて、結婚相談所自体がそういう仕組みなんです。出会ったお相手と一緒になって抜けていくのか、それともお別れするのか、というのは原則として出会って3ヶ月以内に決めてくださいっていうルールになっています。

とはいえ3か月ではなかなか決まらないですよね。なので、弊社では半年か1年ぐらいの期間で見ていって、その中で一緒にパートナーとしてやっていけるかどうかを見極めてもらうようにしています。

結婚相談所の「卒業」は、イコール「結婚」ですか?

一概にそういう訳ではないですね。多いのは「良い方と出会えて、その人とだったら結婚に向けて真剣に進んでいけそうだな」となるタイミングをゴールにしているパターン。なので、皆さんお付き合いが始まって結婚に向けて歩み始めたら退会していきます。

もっと早い段階でこの先に何かあると思えないって辞めちゃう人もいますし、もう少し様子を見てからって人もいます。ここは人それぞれですね。

良い人と出会えた、卒業した、でも残念ながらお別れしてしまった、それで再入会するパターンもあるんですか?

ごくたまにですけど…そういう方もいらっしゃいます。こればかりはご縁なので仕方がないですけど。

結婚相談所に在籍している間は、ルール上、同棲ができません。同棲すると相手の良いところも悪いところも見えるようになるじゃないですか。すごく相性が良いなって思っていた方でも、成婚退会してから同棲し始めると「やっぱり違うかも」ってお別れするパターンもなくはないです。

恋愛経験が豊富と言っても、例えば交際人数が多いことって、それだけ失敗が多いとも受け取れると思います。要するに「恋愛経験豊富」は、対お客さんにはネガティブになりかねない。

そうすると、お客さんが恋愛コンサルやアドバイザーの良し悪しを見るとき、どんなところに気を付けたら良いでしょうか?

すごく良い質問ですね(笑)。

実は結婚相談所のビジネスを始めるときに、自分の師匠に教えてもらったことがあって、その考え方をとても大切にしています。

私も当時は結婚していなかったので「結婚してないヤツが偉そうにアドバイスってホントにそれ大丈夫なの?」って思って師匠に聞いたんですけど、「そうではない」と。

恋愛をサポートする側の人間にとって大切なことは、自分自身の恋愛経験ではなくて、お客さんを成功に導いてあげること。我々の仕事の目的は、あくまで幸せになってもらうこと。だから良いコンサルの条件は、自分の経験値ではなくて、お客さんに対していかに親身になってあげられるか、だと教わりました。

深いですね…
というか、お師匠さんがいらっしゃるんですね。

そうなんですよ。師匠が運営しているのは結婚相談所ではなくて「恋愛の学校」です。

学校!?

生徒さんは男性のみなんですけど、自分磨きのためのスクールになります。

ホントに色んなお仕事があるんですね…

結婚相談所を始めてから”コロナ禍”を経て、お客さんの数に増減はありましたか?

婚活市場としてはコロナの影響もあって、イベントに参加するよりはこういう婚活サービスを使う方が多くなった印象ですね。でも爆発的に伸びたかというとそうでもなくて、ウチの会員様でも現状維持で落ち着いています。

ありがたいことに、創業してから今まで会員様が途切れたことがないんです。いよいよ閉店しようかと思ったこともあるんですけど、会員様がいる限りはさすがにやめられない。「この方が退会されたらやめようか」と思っていても、不思議とそういうときに限って新しい方が入ってきて、繋がっていく。

「潰しちゃダメ」って言われているような気がして。なので細々とかもしれないですけど、ずっと続けていきたいなって思っています。

実は私自身が、今まであまりモテなかったんですけど、結婚相談所に試しで入ってみて、半年で成婚できたっていうのがとても自信に繋がりましたし、「恋愛って楽しいな」って思えたんですね。この気持ちを、恋愛に悩む方たちにもっと伝えていきたいです。

正直なところ、お金儲けのためにやるビジネスとは思っていないので、使命じゃないですけど、自分がこの世に生まれてきて、人を幸せにするためにやる。「盛り上がり」とかよりも、やろうと決めているからやっている、私にとってはそんな仕事です。


(写真:平澤貴大)

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