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日曜日の朝

昨日の夜
いつもは寝つきの良い娘が
うなされて泣いていた

咳と鼻水がある
普通だったら花粉か感冒か

朝起きたら
何度も熱を測る

平熱であることが
なにかからの免罪符であるかのように

何度も
何度も測っている

新型コロナウイルスの爆発的流行は
確実にこどもたちの心に影を落としている

穏やかではあったが
不安な日曜日の朝

ーーーー

世界は軋み始めている
その軋む音が僕のそばに
いよいよ迫りくる気配を感じている

そのうち僕たちは
この手にもっているものを
守ることしかできなくなる

僕たちそれぞれが持つ
価値感覚の軸は
少しずつ
少しずつずれていく

少しの沈黙のあと
連帯は失われ

そして善良な意思は分断される

僕は耳もとで鳴る
金属音のようなかすかなノイズを
この鼓膜で受け止める

僕は世界で起こっている
さまざまな悲劇の実際を
この網膜に焼きつける

せめて

誰かを救う何かを
この手に入れられたのならば

疲弊と喪失を繰りかえしている
こんな世界の中で

せめて

思いやりを行動に変えて

そして祈ろう

この国にいる僕の仲間たち

そして

あの国で目に見えない敵と戦う仲間たちが
どうか無事でありますように

世界が平和でありますように


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