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326 逃げても逃げても


はじめに

少し前から、話題になっているトケマッチと呼ばれる高級時計のシェアリングサービスについて、捜査の進展がありました。今日の教育コラムではこのことを通して感じたことについて少しお話してみたいと思います。

進展

トケマッチの元代表は、刑事上の罪では、業務上横領の容疑がかかっています。また、共に逃亡を図っている元社員もUAEのドバイに逃亡しています。こうした海外逃亡が例え成功しても最近では、刑事捜査の手が及ぶようになっています。例えば、闇バイトや詐欺などの主犯格についても、海外を拠点に犯罪行為に至っていても、現地警察との連携で逮捕されることが度々あります。最近では、「自称ルフィ」を語る特殊詐欺と強盗の主犯格がフィリピンで逮捕されました。
現在、トケマッチの両名に対しては、旅券返納命令が出ています。この命令は効果的で、まずは旅券を返納しなければいけません。またそれをしない場合は旅券が失効します。すると不法滞在状態になるため現地での生活や次への逃亡なども大変難しくなります。また、警察庁は国際刑事警察機構と呼ばれる、アニメの銭形警部などが所属するICPOに対しても国際手配を要請していますので、捜査の手が広がっていきます。

ドバイ

ドバイは、中東UAE(アラブ首長国連邦)の中でも大商業都市として今や知らない人はいないほどで、世界一高い建物「ブルジュ・ハリファ」、世界最大級のショッピングモールや人工島、世界最高級の7つ星ホテルなど富裕層の集まる観光・貿易・金融のハブというイメージが大変強い都市です。
こうしたイメージと別にドバイには、独裁国家で不正に蓄財してきた逃亡者や金融犯罪の容疑者などが移住している事例がたくさんあります。
ロシアの新興財閥「オリガルヒ」はウクライナ侵攻後の経済制裁を逃れてドバイに資産を移すなどの行動をとっています。
つまりドバイにはマネーロンダリングを目的とした、金融犯罪者の聖地となっている側面があるのです。しかし、UAE政府はそうしたイメージをよしとしていません。急速な発展の中で、法の整備や政治的な対応が遅れ、犯罪者たちの楽園となりつつあったものを払拭する動きが強まっています。国際的なつながりを強めながら、こうした犯罪に対応する流れは今後一層ホワイト化する社会では強まっていきます。

逃げきれない

多くの場合、逃げ切れると考える人はその逃げるという行為がいかに過酷であるかを認識していない可能性があります。
それが犯罪行為ではなくとも、私たちはいろいろなことから逃げます。逃げることも大変に勇気が必要なわけですが、大概の場合物事の本質的な解決とはならないような気がします。
これはあくまで私の個人的な意見ですが、何かに正面から向き合い受け入れ、償うなりもう一度やり直すなどした方が逃げるよりも問題に対して早くそして、正しく対処できるように感じます。
逃げることが、自分を救うこともありますが、自分をさらに追い込むことになることだって多くの場面であることを私たちは忘れてはいけないのではないでしょうか。

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