自分の人生を振り返るたび、数え切れないほどのドラマチックな出来事があるな、と思っていた。 ふとした時に、印象的なシーンを思い出して、それはそれで面白いと思ってい…
noteを始めた頃、わたしは、自己紹介のところに【寝ても寝ても眠いラストティーン】と書いていたと思う。 意味も何もなく、当時はただただ本当に寝ても寝ても眠たくて、19…
2ヶ月ほど前、他県に住む恋人のご両親が、いつものように食料品やお鍋を届けに来てくれた。両手いっぱいにお米やお野菜の重さに、いつも、本当に有難いなぁと心が温かくな…
1年ほど前、遠方に行って疎遠になっていた幼馴染が突然、産まれたばかりの赤ちゃんの画像を公開していた。 そっと連絡先を変えて、誰も知らない土地に旅立ったということは…
こんなふうに始まった2022年は、 こんなふうに終わりを迎えようとしていた。 2021年の夏、彼女とのことで母から否定され落ちているわたしを見ていた彼女が「〇〇ちゃんの…
大切なものは、いつまでも壊れずに、そこにあって欲しいと思う。 大切な人は、いつまでも健康で、隣にいて欲しいと思う。 「長生きして欲しい」「痛い思いをしないで欲し…
今日は、恋人と、仕事が終わったら一緒に買い物をして帰ろうね、と約束していた。 金曜日。朝、恋人を見送る時には、いつも、行ってらっしゃい、気をつけて帰ってきてね、…
年に1度会社に提出する書類には、特技を書く欄がある。 その小さな枠を眺めながら、なんとなく昔のことを思い出した。 中学校に上がると、英語の授業が始まった。教育熱心…
彼女とわたしは、似ているところもあるが、違うところの方がきっと多い。運動が得意な彼女、苦手なわたし。小柄な彼女、身長高めのわたし。お兄ちゃんがいる、妹がいる。末…
あと20分で恋人が東京から九州へやって来て、今日から同じ屋根の下に帰るというそんな日にふと本屋さんに入ったのが運の尽き、完全に言葉を綴りたくなってしまいました。時…
同棲まで1ヶ月を切った。 実家で色々な問題があっても、心を病んでも、「ひとり暮らしがしたい」と思ったことはなかった。小さい頃から実家を出る時は、誰かとても好きな…
恋人のうちで1週間弱の年末年始を過ごした帰り、飛行機の中で色々と思い出しながらメモに日記をつけていたら、とんでもない長さになってしまった。 印象的なことだけを残し…
母に、彼女の家で年末年始を過ごすことを告げると、パニックを起こして、「早く別れなさい」「女同士できもちがわるい」「本当に、時間と金の無駄」と吐き捨てた。わたしは…
青く濁った目を細くしながら、その人はわたしに「男に襲われたら金玉を噛みちぎれ」と言った。推定、齢、4歳頃のはなし。 どたばた走りながらそのひとの家から帰る支度を…
おおあくび
2024年2月16日 16:00
自分の人生を振り返るたび、数え切れないほどのドラマチックな出来事があるな、と思っていた。ふとした時に、印象的なシーンを思い出して、それはそれで面白いと思っていたんだけど、彼女と暮らし始めて、自分が強烈に、波のない安定した生活を、安心を、求めていたことを知った。刹那的に誰かを猛烈に憎んだり、慈しんだり、叫ばれたり、泣かれたり、そういう激しさに、知らず知らず、疲弊していたことを自覚した。刺激的で面
2023年8月13日 23:44
noteを始めた頃、わたしは、自己紹介のところに【寝ても寝ても眠いラストティーン】と書いていたと思う。意味も何もなく、当時はただただ本当に寝ても寝ても眠たくて、19歳で、どこにいても、何をしていても、あくびばかりしていた。だから、名前のところに、おおあくび、と入力した。noteを始めて、5年。24歳になった。彼女とわたしは、記念日は1年単位、それもケーキを食べるくらいのお祝いしかしないが
2023年6月26日 14:59
2ヶ月ほど前、他県に住む恋人のご両親が、いつものように食料品やお鍋を届けに来てくれた。両手いっぱいにお米やお野菜の重さに、いつも、本当に有難いなぁと心が温かくなる。ありがとうございますと受け取ると、お父さんが、「〇〇ちゃん、△月×日は一緒に魚釣りに行くけん、空けとってね」と話しかけてくださって、最近彼女とともにお正月ぶり2度目の帰省をした。1日目彼女から「これが好きだったと思う」と聞いた
2023年3月23日 20:03
1年ほど前、遠方に行って疎遠になっていた幼馴染が突然、産まれたばかりの赤ちゃんの画像を公開していた。そっと連絡先を変えて、誰も知らない土地に旅立ったということは、今は何も言うべきでないと思った。今、久しぶりに更新された幼馴染のページには、幼馴染にそっくりの、大きな目をした子供が立っている。恋人がわたしの人生に現れて、丸2年が経過した。手を取り合って2年。ともに暮らし始めて1年。知れば知
2023年1月4日 21:36
こんなふうに始まった2022年は、こんなふうに終わりを迎えようとしていた。2021年の夏、彼女とのことで母から否定され落ちているわたしを見ていた彼女が「〇〇ちゃんの居場所を増やしたい」と言って、家族のグループLINEで、初めて彼女がいるということ、将来を考えているということを打ち明けてくれた。2022年、彼女とわたしは共に暮らしはじめ、お兄さんがご飯に連れて行ってくださったり、たくさん
2022年12月4日 21:52
大切なものは、いつまでも壊れずに、そこにあって欲しいと思う。大切な人は、いつまでも健康で、隣にいて欲しいと思う。「長生きして欲しい」「痛い思いをしないで欲しい」そう願うことが、わたしにとっては誰かへの愛で、だけど、大切になればなるほど、いつか必ず来る離別、手を離すその時がどうしようもなく怖くなってしまう。彼女はいつも、外がまだ暗い中に出勤する。「気をつけて行ってね」「気をつけて帰っ
2022年9月12日 12:40
嬉しいことに彼女はこのnoteのファンでいてくれているので、本にしてお誕生日プレゼントのひとつとして渡したら涙を零しながら喜んでくれました お誕生日おめでとう
2022年7月9日 00:35
今日は、恋人と、仕事が終わったら一緒に買い物をして帰ろうね、と約束していた。金曜日。朝、恋人を見送る時には、いつも、行ってらっしゃい、気をつけて帰ってきてね、と言ってしまう。無事に行って、無事に帰って来てね。気をつけてね。行ってらっしゃい。昼休み、職場のテレビを点けると飛び込んできた赤い文字に、一瞬でこころがぐにゃりと波打つのが分かって、それでも今日はとても忙しかったから、目の前の仕事に手一
2022年6月15日 23:46
年に1度会社に提出する書類には、特技を書く欄がある。その小さな枠を眺めながら、なんとなく昔のことを思い出した。中学校に上がると、英語の授業が始まった。教育熱心な中学校だったから、多くの同級生が公文や塾に通っていて、ある程度単語も理解している中、わたしはアルファベットの書き順ひとつ、並び順ひとつ知らなかった。だけど、英語の時間はいつも楽しみだった。気の優しい先生のことが好きだったし、月が変
2022年4月14日 07:30
彼女とわたしは、似ているところもあるが、違うところの方がきっと多い。運動が得意な彼女、苦手なわたし。小柄な彼女、身長高めのわたし。お兄ちゃんがいる、妹がいる。末っ子と長女。ゴキブリが平気、大の苦手。アウトドア、インドア。絵が好き、本が好き。甘いものよりもごはんが好き、ごはんよりも甘いものが好き。グロテスクな映画に強い、まったく駄目。さて、昨日、珍しく彼女より早く帰宅したわたしは、唐突に料理をし
2022年2月19日 19:38
あと20分で恋人が東京から九州へやって来て、今日から同じ屋根の下に帰るというそんな日にふと本屋さんに入ったのが運の尽き、完全に言葉を綴りたくなってしまいました。時間がある時には1文字も浮かばないのに、いじらしいあたま。すこし遠くに住む幼馴染のお母さんに、連絡をした。お久しぶりです、引越しました。話したいことがたくさんあります。寂しいよ、ちゃんと食べるんだよ、時々顔見せてね。落ち着いたら女
2022年2月4日 08:26
同棲まで1ヶ月を切った。 実家で色々な問題があっても、心を病んでも、「ひとり暮らしがしたい」と思ったことはなかった。小さい頃から実家を出る時は、誰かとても好きな人と一緒だといいな、とぼんやり思っていたから。家を出ることを話さなくては、と思いながら、なんとなく言い出すタイミングが分からずにいた父には、母が先に伝えていたようだ。昨日、恵方巻きを食べ終わって、テレビの画面を見ながら、ようやく父に
2022年1月4日 12:40
恋人のうちで1週間弱の年末年始を過ごした帰り、飛行機の中で色々と思い出しながらメモに日記をつけていたら、とんでもない長さになってしまった。印象的なことだけを残しておこうと思う。・1月2日朝、恋人を見送る。洗濯、お茶作り。とろろの残りに茹でた蕎麦を入れて、朝ごはんを食べた。美味しかった。恋人が帰宅したら初詣に行こうねと言ってくれていたので、シャワーに入って、お化粧して待っていた。お腹がすい
2021年12月19日 12:52
母に、彼女の家で年末年始を過ごすことを告げると、パニックを起こして、「早く別れなさい」「女同士できもちがわるい」「本当に、時間と金の無駄」と吐き捨てた。わたしは何も言わず、一昨日から見始めたドラマ、カルテットの3話を眺めていた。仲の良い友達が、ずっと前に、「きっと、好きな感じだよ」と勧めてくれたドラマで、うん、本当に、好きな感じだと思って観ている。TVをつけて、「続きを見る」になっている2話を飛ば
2020年6月13日 00:20
青く濁った目を細くしながら、その人はわたしに「男に襲われたら金玉を噛みちぎれ」と言った。推定、齢、4歳頃のはなし。どたばた走りながらそのひとの家から帰る支度をしていたら、ふと、台所に、スプーンが突っ込まれている小瓶を見つけた。きらきらひかる小瓶。「ねえ、なにこれー!」「水飴。」母が、「着いたから早く出ておいで」と電話をかけてきて、祖母が「忘れ物はない?」と私を急かしても、動けなかっ