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櫻坂46 4th TOUR 新・櫻前線 -Go on back? 福岡公演の感想〜小島凪紗さんへのクソデカ感情を添えて〜

この文章は、櫻坂46 4th ARENA TOUR 2024 新・櫻前線 -Go on back?-の福岡Day1、Day2を浴びたばっかりのオタクが、現時点の感想をなるべく言語化しておきたいという動機で書き散らかしておくものです。

言語化したらなぜか大量の自分語りと小島凪紗さんへのクソデカ感情までついてきました。

まずはネタバレなしでツアー全体の位置づけについて感じたことや大まかな感想を述べたうえで、ネタバレありで気になった曲の感想をつらつら書いています。


 
ツアーの位置づけと全体的な感想(ネタバレなし)

初めて行った櫻坂46のライブが「2ndTOUR 2022“As you know?”」の仙台公演でした。

チケプラで急遽取った席なのに、花道の真横一列目でとても良い席だったということもありますが、それ以上に、ライブとしてのストーリー性がその時のグループの状況にぴったりと合っていたライブだったことに感動しました。

アルバムタイトルと同じ「As you know?」と銘打たれたこのライブは、櫻坂46というグループが、「わたしたちを知っていますか?」という問いかけをするところから始まり、それがライブの最後には「今の櫻坂46」をまざまざと魅せつけられ、見ている側も「ご存じの通り…」となって終わる、まさに代名詞と呼ぶにふさわしいマスターピースでした。

そして、冒頭ブロックでペンライトを消灯させて披露するところに、観客(ここではあえてファンでもオタクでもなく、観客という言葉がふさわしいと思っています)を自分たちのパフォーマンスの力でぶん殴っていこうとする姿勢は今でもこのグループを形容するもののいちばん大事な部類に入る一つではないだろうかと感じています。

その翌年の3rdツアー。

単純な物語性、あるいは1つのライブとしての世界観の作りこみだけで言えば2ndツアーのほうが強かったのかもしれません。

それでも、このライブは櫻坂46の総力戦としての強固さを形作るのに必要不可欠であり、欅坂46を知らない、あるいはほとんどグループ活動していないメンバーたちによる力を見せつけた公演でもありました。

言い方は悪いですが、2ndツアーではいわゆる櫻エイト、特にるんてんほのかりんの4人の大車輪の、八面六臂の活躍があってこそ、という部分も大きいように感じていたので。

 大園玲さんの『Cool』から幕を開け、守屋麗奈さんの『桜月』で本編を閉じたライブは、三期生たちも新たな力を添えたものでした。

大園玲さんのことをずっと応援している立場からすれば、5thシングルにて大園玲さんと守屋麗奈さんのふたりがセンターとして抜擢されたことが何よりも嬉しいだけではなく、ライブでのセトリの“幅”を出すという意味でもとても大事な2曲だと感じています。
(いつかれいれなぁのWセンター曲がみたい、という希望だけ書き落としておきます。ンメ評論家オタクとしてはこの2人の対称性こそが櫻坂のだれよりもシンメにふさわしいと思っています、勝手に)

 加えて、三期生を上手く組み込んできたな、というのも同時にあります。
三期生ドキュメンタリーからの神奈川公演でのBAN~Special Ver.~の流れは、三期生を嫌いになるやついる?いねーよな!というべきものであり、彼女たちが櫻坂46の一員になったのだ、ということをわかりやすく示してくれました。

 3rdツアーがあったからこそ、3rdアニラは全員であんな高みまで行けたのだと強く強く感じます。


そして今回の4thツアー。

海外やフェスといったいわば”アウェイ”で力を付け、3rdアニラであんなにも最高のライブを作り、紅白へ復帰した今の櫻坂46がどこに焦点を合わせてライブをしてくるのか。

そんな期待と興味とひとさじの不安が入り混じりながら福岡へ向かいました。

そこに待っていたのは2ndツアーと同じくこのツアーのタイトルである「Go on back?」を反語的に感じさせるような、そして『何歳の頃に戻りたいのか?』の曲の世界観と同様の、過去ではなく現実への強烈な肯定と、痺れるくらいまっすぐに未来へと進む意志を感じるものでした。

これまで以上に曲の幅が増え、会場を大きく使えるようになり、緩急が大きくなり、受け手側にとっては食い入るようにじっと見つめる瞬間も、会場全体がジャンプして音に乗って感情を爆発させる瞬間もあって、感情の起伏の激しいジェットコースターのようでありながら同時にバランスの良さも感じさせました。

それは今後の櫻坂46が期待し続けるに値すると証明するには充分でした。むしろオーバーキル。

このツアーの中でもどんどんブラシュアップがされていくのでしょうし、”櫻前線”と銘打ったからにはこれからもどんどんと各地で花を咲かせていくのでしょう。

 
福岡Day1の最後に発表された東京ドーム追加公演。櫻前線の終わりの地である東京ドームに何が待っているのか、今から楽しみです。

ついでに個人的にはこの東京ドームがどんなライブになるかとっても興味があります。

2ndツアー千秋楽の東京ドーム公演。これは菅井友香さんの卒コンも兼ねていました。

この時、都合がつかず行くのをあきらめていましたが、仙台公演があまりにも良かったので、一般販売で余っていたチケットを購入してなんとか無理やり行ったのを覚えています。

ギリギリに一般で買っただけあって、正真正銘の天空席だったのですが、周りの観客も“今の櫻坂46”のファンではない人も多かったのか、欅坂46のグッズを身に着けたファンが多かったり、(これはたまたま自分の席が悪かったのかもしれませんが、)櫻坂46の曲の最中はほとんど座席に腰を下ろしたままで、欅坂46の曲になった時だけ狂ったようにコールしてるオタクがいたり。

あの時点ではまだ、2ndツアーの完成度をもってしても、地方公演の会場サイズなら会場の隅から隅まで及んでいた櫻坂46の支配力が及んでいなかった部分があるんだろうな、というのを感じた日でもありました。

自分は正直、欅坂46をほぼ通っていないオタクなので、なんだかそれがとても悔しかったのを覚えています。

 翻って今。アニラではZOZOマリンを埋め、4thツアーはチケットが取れないという嬉しい悲鳴を聞く機会が増えました(聞くってかこっちも悲鳴上げてた一員なんですけど)。

いまだったら、もしかしたら、東京ドームでも会場中を熱狂と興奮に引き込んでくれるのかもしれません。

 全体での感想はこんなところで。


ここから先はネタバレを含んでいます。
 ネタバレまでスペースを空けるために今回の福岡で美味しかったグルメを置いておきます。

橙@大濠公園の水炊き。鳥の旨みがこれでもか!ってくらいに詰め込まれてました。



ライブの感想(ネタバレありver.)

当日はDay1、Day2ともにアリーナDブロックでした。
なのでセンターステージで披露された曲のほうが強く印象に残っています。単純に好きな曲がセンステ披露が多かった、というのもあるかもしれません。
個人的にはセンターステージ目の前の席がこのアリーナツアーでは良かったのかなーと思います。

以下、気になった曲の感想です。思い出すたびにこっそり追記しようと思ってます。

 

『マンホールの蓋の上』
ワッチャサイウィドゥ!!!
死ぬまでクラップしよう!!!!!

 

『摩擦係数』
メインステージとセンターステージで理性チームと野生チームを配置してダンスバトルするの、本当にかっこよかったし、これだけ会場を広く使ってもダレずに会場のボルテージを上げ続けれられるのは、この曲がそれだけ育っていて、強いからなんだろうな、と思いました。

 

『BAN』
これはずっと言ってるんですけど、自分が櫻坂46を継続的に見ているきっかけは間違いなく2ndツアーで、本当に目の前で、最前で、森田ひかるのノバフォのジャンプを見たからだと思います。

この曲で幸運にも久しぶりに目の前で森田さんのパフォを浴びて、あの閉塞感を打ち破るような躍動感、重力すら味方にしているような切れ味を見て、やっぱり統治されたい、ってなりました。

 

『Anthem Time&ドローン旋回中』
盛り上がる曲をRemixかつ1&2期生と3期生の双方を交互にメインステージとセンターステージに上げれば盛り上がるっしょ!という単純かつ頭の悪い(最上級の誉め言葉)発想だけど、それでいいんです、だって楽しいんだもん。

 センターステージで目の前にいる田村保乃さんに「もっとやれるだろ!」って煽られるの最高の経験すぎて腕がちぎれるくらいタオル回した。たぶん3mmくらいは浮けるくらい回した。

とっても月並みな言葉になってしまって悔しいんだけど、田村保乃さん見てると、アイドルってキラキラしてるなーっていう感想が湧いてくるし、その中でもそのキラキラの純度が高いように感じる。

きっとそれは田村保乃さんがアイドルに対して真摯で、健全で、まじめだからなんだろうと勝手に思ってます。
いつだって心技体が万全になってる。

 

 

『Don't cut in line!』
会場の演出がやや不穏な轟々とした音から始まりましたが、チャリンという音でこの曲が来るのを確信しました。

三期生の中でも踊りでの表現力に長けたメンバーが多いのでカッコいいですよね。

土生さんが卒業されたときに、スタオバをはじめとする、その独特の存在感を下敷きにしていたパフォがどうなるのか不安がる声もありましたが、独特の存在感みたいなものを補完する存在として、村山美羽さんと的野美青さんの2人が出てきたの、とっても面白いなーって思いました。

 また、この曲も含めて、ずっと村井優さんのパフォーマンスが好きです。
緩急のつけ方がとっても好みで、自分車酔いも船酔いも人生で経験したことないんですけど、村井優さんの緩急には色んな意味で酔いました(何の報告?)。

トーク取ろうか迷っているのでだれか#yutalkがどんな感じか教えてください。

『Cool』
大園玲さんのことがもともと好きというのもあって、この曲はずっと好きな曲です。

MVにおいて、周りに上手く馴染めない人を表現するのに周りから隔絶された宇宙飛行士の衣装を充てるの、何度観ても天才だなーって思います。

 この福岡での披露でも(初めて肉眼で目の前ではっきり見えたという要素はおおいにあるにせよ)、殻に閉じこもった無機質な要素と、その奥から叫ぶようなとても人間臭い部分が重層的に折り重なって、センターの大園玲さんというフィルターを通してこの曲を表現する必要が確かにあった、そしてそれが成功している、と思わせる質感を持ったパフォーマンスでした。

 これ以上何も足すことのできない状態ではなく、これ以上何も引くことのできない状態こそを“美”と呼ぶべきなんじゃないかと思ってるのですが、この日の(そしていつもの)大園玲さんはまさにそれでした。

 ついでに、この曲へつながるダンストラックでは山崎天さんと大園玲さんが背中合わせで踊っており、もし自分がドメブラのデザイナーやってたらパリコレのランウェイで2人に躍らせたいなーって思いました。

 

 

『何度LOVE SONGの歌詞を読み返しただろう』
凪紗ちゃんがリハ大変って言ってたの絶対にこの曲のことなんだろうな、ってくらい机を使ったパフォーマンスが素敵でした。
凪紗ちゃんがシンメの美青ちゃんと楽しそうに2人だけの世界を作って見つめ合ってる瞬間が可愛くて可愛くて可愛くて可愛かったです。

ペンライトの代わりに黒板消しを持ってパンパンやりてーです、黒板消し持ち込み可能ライブをやってください。

 

『油を注せ!』
BACKS曲、実際にパフォーマンスを見ると思った以上にカッコよい、ライブ映えする曲でした。
(例によって凪紗ちゃんばっかり見ていたわけですが、)この曲のフリは体全体、腕を大きく使うので、凪紗ちゃんによく合っているなー、と思います。

一つ前のなんLOVEからの落差もあって、めちゃめちゃにカッコよく感じます。

 また、MVでちらりと映っているのを観たとき以上にペアダンスで意外とレベルの高いことやってるなー、というのもありました。

この曲もダンプラをください。

 

『静寂の暴力』(Day1のみ)
盛り上がる曲が続きボルテージの上がった会場で、それまでが嘘のように突如として山下瞳月ちゃんが無音の中、センターステージに歩いていく。ぽつぽつと会場を彩っていたサイリウムの光が消えていき、黒に染まっていく会場。三機生たちの足音と衣装の布と布が擦れる音だけが支配する空間。

こんなにも1曲へ没入してしまうと、演者は戻ってこられなくなってしまうんじゃないかと観ている側が心配してしまうほどの強度を持っていました。

 

ある意味で『静寂の暴力』のパフォーマンスは、2ndツアーのペンラ消灯タイムのセルフオマージュのようで、一方でメンバーがその場で消すように言ってるわけではないのに自然と暗闇に包まれるのは、2ndツアーの一歩その先を行っているようであり、新参者から始まった三期生たちのパフォーマンスはもうアリーナくらいだったら掌握できるまでになっているんだなぁ、と感慨深くなりました。

 

 『マモリビト』(Day2のみ)
センターステージに立つ凪紗ちゃんの姿を見た瞬間に、時が止まるような感覚に陥ったのをよく覚えています。

上空から桜の花びら(もしくは先人たちの意志なのか、希望なのか、そのすべてなのか)が降ってくるのを、両手で大事そうに包み込む凪紗ちゃん。
その慈しみと無償の愛に満ち溢れた表情を見ましたか。

Day1の『静寂の暴力』同様、こちらの曲もパフォーマンスするメンバーを否応なく歌詞や自分の中のいろんな感情と向き合わざるをえないものです。

そんな曲を背負って会場の中心に立つ凪紗ちゃんの覚悟はこの日も感じたのでした。

少し前から思っていたことがあります。

凪紗ちゃんってライブの曲中やMC中に、とっても慈愛に満ちたまなざしをファンやメンバーへ送ることがあって。
そしてそういう表情をした日のライブ終わりのトークでは絶対に「素敵な景色をありがとう」とか「Buddiesのことが大好きだよ~」というメッセージが来ているように感じます。

この時の表情にどこかでずっと既視感を覚えていたのですが、2ndツアーの菅井友香さんが最後に卒業曲をひとりで歌った後に、センターステージの高いところから、ファン一人ひとりを、まるで全員の顔を目に焼き付けるかのように、これまでのアイドル人生を振り返るようにゆっくりと会場全体を見渡していた時のことが思い出されます。
当時、前述の通り遥か天空席から見ていた自分は、「アイドル生活の最後にあんな表情ができるなんて、それだけでこの人のアイドル人生は素敵なものだったんだろうな」と強く感じたことを覚えています。

そして卒業のその最後の瞬間にそんな表情をしてくれるアイドルを応援できるファンはなにより幸せものだなーって。

 その時と同じ要素をステージの上の凪紗ちゃんから感じることがとても多いのです。

新参者でも、アニラでも、そして今回の4thツアーの『マモリビト』でも、率直で、強くて、優しくて、等身大なパフォーマンスをしてくれて、いつも救われています。
表情でも、パフォーマンスでも、こちらの想いみたいなものをしっかり受け止めて昇華してくれるところが好きです。

だからこそ、そんな凪紗ちゃんを応援できる自分までなんだか“イイもの”になれたような気がするのだと思います。
自慢の推しです。


結び

以上、乱雑で話があっちこっちに行ってしまい恐縮でした。

純粋なライブの感想だけでなく、どうでもいいクソデカ感情もだらだらと書いてしまい少し気恥ずかしくなってしまったので、最近読んだ本の一節を結びとして引用させていただければと思います。
(書名を見るとピンとくる人がいるかもしれません)

だからこそ、この「誰にも隠されていないが、誰の目にも触れない」語りは、美しいのだと思う。徹底的に世俗的で、徹底的に孤独で、徹底的に厖大なこのすばらしい語りたちの美しさは、一つひとつの語りが無意味であることによって可能になっているのである。

『断片的なものの社会学』著:岸政彦


本稿での語りも徹底的に無意味なものであると思いますが、それが櫻坂46のファンダムの美しさを彩るひとひらの花びらになることを祈って。


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