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音楽は繋がる。

最近 João Camarero のアルバムを聴いている。

ギターの音色がとても美しいアルバム。 

João Camarero『 Gentil Assombro 』


Spotifyでの自己紹介で分かったことを少し書くと、João Camarero はギタリストで作曲家。多くのレコーディングにミュージシャン、アレンジャー、音楽監督として参加している。
ソリストととしての活躍のほかに Maria Bethânia や、 Paulinho da Viola、Caetano Veloso、Dori Caymmi、 Mônica Salmaso、Francis Hime らとの仕事がある。


聴き終わったら Garoto のこちらのアルバムから1曲かかった。『ボサノヴァの歴史』を読んで以来、名前だけは知っていた Garoto の音楽を聴いて、好きになれた事がうれしい。とても落ち着く、すてきなアルバム。

Garoto『 Projeto Memoria Brasileira : Viva Garoto 』


この記事を書こうと思った日も João Camarero を聴いていた。
聴き終わり、Garoto がかかり、別のアルバムから1曲、と聴いているうちに、Miguel Rabello を聴きたくなった。
聴いたのは伸びやかな歌声が素敵な歌手、ギタリストの Luisa Lacerda との『 Meia Volta 』というアルバム。

Luisa Lacerda , Miguel Rabello『 Meia Volta 』


Miguel Rabello は ギタリストで歌手、作曲家。
両親はピアニスト、作曲家、アレンジャー、音楽監督のCristóvão Bastos と、歌手の Amélia Rabello 。
Luisa Lacerda は Amélia Rabello の生徒だった。


6弦のガットギターに7弦のギターも弾くギタリストのJoão Camarero の音楽を聴くきっかけになったのは、こちらも7弦ギター奏者の Julião Pinheiro 。
Miguel Rabello の従兄弟。


そういうわけで音楽家の繋がりからアルバムを挙げてみようと思った。

このなかから好きな音楽家に出会ってもらえたらうれしい。

Julião Pinheiro はブラジルの偉大な作詞家 Paulo César Pinheiro と、カヴァキーニョの名手でショーロの学校の創立者 Luciana Rabello を両親に持ち、


Amélia Rabello を伯母に、天才と呼ばれたギタリスト Raphael Rabello を叔父に持つ7弦ギター奏者、歌手、作曲家。


2015年発表のアルバム『 Palsação 』は、Paulo César Pinheiro が作詞、Julião Pinheiro が作曲。

2曲のアレンジとピアノに Cristóvão Bastos 。

自身の歌と7弦ギター。
カヴァキーニョに Luciana Rabello 。ヴォーカルには Amélia Rabello、Paulo César Pinheiro、Gloria Bomfim、MPB4、

ショーログループ  Regional Carioca で活躍し、母が創立した Casa do Choro、Escola Portátil de Música で教えるカヴァキーニョ奏者の姉 Ana Rabello、

自身も在籍した Regional Carioca や、サンバグループの Samba da Ouvidor の仲間たちも参加した素晴らしいアルバム。

Julião Pinheiro『 Palsação 』


ほとんどの曲のアレンジと6弦のガットギター(Violão) はこのアルバムのレーベル、ACARI の主催者 Maurício Carrilho 。

Luciana Rabelloとともに先程挙げた Casa do Choro、Escola Portátil de Música、レコード会社の ACARI RECORDS を設立。Julião Pinheiro のこのアルバムはその2人がプロデュースしている。

Wikpediaから分かったことを少し書くと、
Maurício Carrilho はアレンジャー、ギタリストとして、 Joyce、Elizeth Cardoso、Nara Leão、Chico Buarque、Miúcha、Francis Hime、Paulo Moura、Paulinho da Viola らと仕事をしてきた。
フルートの名手の Altamiro Carrilho を伯父に持ち、同じくフルート奏者の Álvaro Carrilho を父に持つ。


若き日の Maurício Carrilho、Luciana Rabello と弟のRaphael Rabello が在籍した Os Carioquinhas 。
彼らはショーロのベテラン達の家やホーダに通っていたそうだ。まだショーロをたくさん聴いてはいないけれど、特に好きなアルバム。

Os Carioquinhas『 Os Carioquinhas No Choro 』


Luciana Rabello の歌声が聴けるサンバのアルバム。
カヴァキーニョの名手としてその存在を知り、初めて聴いたアルバム。ハスキーな歌声が素敵で、彼女の家族を知るきっかけになったアルバム。

Luciana Rabello『 Candeia Branca 』


Amélia Rabello。Luciana Rabello と Raphael Rabello の姉。Dona Ivone Lara と共通するあたたかい歌声。その伸びやかな感じは Luisa Lacerda に共通している。

Amélia Rabello
『 A Delicadeza Que Vem Desses Sons 』

ブラジルでギターの天才と呼ばれることのすごさ。 Dino 7 Cordas との録音はなぜか天上の音楽が録音されている。Divina と呼ばれた Elizeth Cardoso との共演では美しく柔らかい音色、でもときどき凄い音がなっている。

Elizeth Cardoso , Raphael Rabello
『 Todo o Sentimento 』

Raphael Rabello & Dino 7 Cordas
『 Raphael Rabello & Dino 7 Cordas 』

Ana Rabello と、あとから加入した Julião Pinheiro が揃った Regional Carioca のセカンドアルバム。ゆったりした雰囲気、ホーダの中に参加して聴いているような気分になれる。

Regional Carioca『 Regional Carioca 』

とても静かな時間が流れる Miguel Rabelloのアルバム。美しい旋律。Paulo César Pinheiro、Roberto Didio との共作。

Miguel Rabello『 Na Caravana de Fazer Corações 』

Luisa Lacerdaとのアルバムの他に Breno Ruiz のピアノとヴォーカルが加わった重厚なアルバムもある。


Cristóvão Bastos の名前を知ったのは好きなアルバムのアレンジ、音楽監督をしていたから。
Paulo César Pinheiro のほかに Aldir Blanc や Chico Buarque との美しい曲の共作者であることも知った。

Raphael Rabello に捧げられた、7弦ギターの Rogério Caetano とのアルバム。

Cristóvão Bastos , Rogério Caetano
『 Cristóvão Bastos e Rogério Caetano 』

サンバを聴くようになったきっかけの歌の作詞家は Paulo César Pinheiro であり、好きになった音楽家の共作者や関係者にはその名前があった。とてもかっこいい人だ。

Paulo César Pinheiro『 Capoeira de Besouro 』

続く。