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空からダイアモンドが落ちてくる<雪の結晶と自然界の五角形と六角形>

みなさま、こんにちは。Umeです。

2月4日の夕方から、関東では久しぶりに雪が積もりました。

北海道育ちのUmeにとって雪は珍しいものではありませんが、関東の雪は水分が多く、雪というより水の塊が降り注いでいるように感じてしまいました。

北海道の雪ってとっても軽いんです。

さらさらで、舞うとキラキラと光って。
それはそれは美しいですよ。


ということで、今回は雪の結晶について書いてみようとおもいます。



まずは自然界の五角形と六角形:

ぐるっと見渡すと、私たちのまわりには五角形と六角形がたくさんありますよね。

そして、ここが重要なんですが、有機的な自然には五角形や「5」にまつわるものが多く、無機的なモノには六角形や「6」が多く存在しています。

植物の世界の花弁の数、海の生物の形状、そして人体はほとんどが「5」の数字に支配されています。

例を挙げると、五本指、五臓六腑、五感などですね。


ダヴィンチの人体五角形図


それに対して、無機的な分類に入る鉱石の結晶や雪の結晶は六角形。
他には蜂の巣とか蜘蛛の巣、トンボの目、虫の足の数などがあります。
昆虫界には6が多いです。

蜘蛛嫌いな人、ごめんなさい


身近にある自然界の形には、いろいろ数理的な法則が見て取れますが、数学と生物学を組合わせた研究は「数理生物学」と言って最近注目を集めている分野だそうです。

余談ですが、キャベツは真上から見て五角形のものが美味しいキャベツらしい!

確かに五角形


裏側も五角形!


それぞれの特徴・六角形:


六角形に無機的なものが多いのは、一般的には表面積とエネルギー効率が良いからだとされています。

例えば、蜂の巣の六角形のハニカム構造は、同じ量の蜜を格納するのに他の形状よりも少ない材料を使用します。これは、六角形が同じ面積を持つ中で最短の辺を持つためです。

また、六角形は6つの対称軸を持っています。これは、中心に対して60度ごとに対称であることを示しています。

この対称性は、同じ条件で形成される他の形状よりも安定性があり、自然界でよく見られる理由の一つでもあるんです。

雪の結晶の場合にもこの「安定」がとても大事で、水分子も氷結する際、六角形の配置をとることで最も安定しきれいな形をつくります。

昆虫は意外にも無機質界に所属しているんですね。


それぞれの特徴・五角形:


反対に、五角形はエネルギー効率が低く、六角形と違い五角形の内角の和は定数でないため、不規則な形状が生じ、面積あたりのエネルギー効率も低くなります。

対称軸も持たないので、内角の和も一定ではありません。

こんなに不安定で一定ではなく、不規則で、エネルギーの低い性質なのに、自然界にはかなりの「5」があります。

時間経過によって変化が起こる生命活動に「5」が多い理由は一体・・・?
(変化とは、成長・老化・死・枯れるなど)

それはおそらく、この不規則性こそがまさに「生命の本質」だからなのだとUmeは考えてます。

「不調和の調和」、みたいなもので体は出来上がっている

とおもうこと、ありませんか?

人体なんてまさに様々な臓器や細胞やら、別々のものの集合体。
エネルギー値も低いため栄養も取らなくてはいけませんよね。

移り変わる自然界に五角形が多いのも、この五角形の不均衡、不規則性を保ちながら不思議な調和、そう、”不調和の調和" があるからこそかもしれません。

絶え間なく動き、変化し、入れ替わりながらも全体としては調和している五角形。

これが命の本質の秘密だからなのだろうとUmeは思うわけです。


雪の結晶のできる仕組み:


話が逸れてしまいましたが、

雪の結晶が形成されるには、湿度や温度などの条件が影響します。

これらの条件が整ったとき、水分子が結晶化しやすくなり、特に六角形の形状が最も安定な構造として現れます。結晶成長は特定の方向に向かって進むため、最終的に六角形の雪の結晶ができるのです。

結晶が形成されるには、大気中の温度が氷点以下であることも必要で、一般的に、雪の結晶が形成される温度範囲は氷点(0度 Celsiusまたは32度 Fahrenheit)以下といわれています。

高湿度も雪の結晶の形成に重要です。湿度が高いほど、水分子が凝集しやすくなり、結晶が成長します。

 雪の結晶が形成される際、凝結核が存在すると助けになります。これは微小な粒子や微粒子であり、水蒸気がこれに凝縮して結晶化することが始まります。これがない場合、結晶が形成されにくくなります。

塵やほこりが結晶の素、というわけですね。


あの美しい六角形の結晶は、液体の水を凍らせても作ることはできません。

水が単純に凍結して氷になるだけではあの見事な結晶構造は出現しないのです。

世界で初めての人工の雪の結晶は、北大がまだ北海道帝国大学と呼ばれていた1935年、中谷宇吉郎教授が成功させました。

たった一つの雪の結晶を作るために膨大な設備が必要だったといいます。


雪の結晶はダイアモンドと同様に多面ファセットを持つ:


息を吹きかけるだけで、一瞬で消えてしまうはかない雪の結晶。

透明度がとても高く、完全なシンメトリー。

これほど精巧で、精密なものを作ることは不可能だと、かのデカルトに言わしめたほどの緻密さです。

また一つとして同じものがないともいわれているほど、そのデザインは多様です。

冒頭に、雪の結晶がキラキラ光るといいましたが、雪の結晶にはダイアモンドと同じように、たくさんの角度の違う切り子面、ファセットがあって光を反射します。

空からたくさんの雪が舞い落ちて、太陽の光で反射してキラキラ輝いている景色はとても美しいものです。


北海道の雪は特に結晶がはっきりと見える雪質の良い地域です。
行かれることがあれば、ぜひ結晶を見てみてくださいね。

感動しますよ!


雪の結晶図鑑です。ポストカードにしたくなるような美しい写真に癒される一冊







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