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年度末とスタンド・バイ・ミー

本日は2023年4月3日。22年度が終わり、平日としては今日から23年度が始まる。

年度末が終わった。
色んな原因により怒涛の飲み会ラッシュになった年度末を終え、昨日、今日はグッタリモード。本当は昨日noteを更新しようと思ったけど、気力が湧かず…

ありきたりな表現だけど、春は出会いと別れの季節。
年度末はこの春の「出会いと別れ」の「別れ」の時期。
今年度末は、3月31日の金曜日、年度末と週末が同時にやってくるという、まさに神様がサラリーマンに飲めと言っている暦だった。

世の中のサラリーマンと同じく、自分も送別会の飲み会だった。
今の部署は本当に優秀な人、良い人ばかりなので、個人的には全く嫌な飲み会ではなかった。非常に楽しかった。

コロナが終わり、飲み会も解禁された、久しぶりの年度末っぽい年度末だった。


このラストシーンを思い出す

そして、この年度末の時期になるといつもあの映画の、ラストシーンを思い出す。
知らない人はほとんどいない青春映画の傑作、『Stand By Me』のラスト。

初めて見た時、このラストシーンの、成長した主人公のナレーションが非常に心に残った。

「時とともに、友達の顔も変わり、レストランの客のように入れ替っていった。」

映画『Stand By Me』
ゴーディ(大人になった主人公)のナレーションより

このセリフが、非常に寂しくて、悲しくて…
別れの季節の年度末になると、どうしても思い出してしまう。

会社の送別会では、「本当に今のメンバーが最高だ」と言った。「忘れられない」なんて言葉もでる。「また別の職場になっても、今後ともよろしくお願いします」なんて常套句だ。

でも、現実では『Stand By Me』のあのセリフの通り、関係者は少しずつ関わることはなくなり、入れ替わっていく。ここ数日は、「あの人があのポジションに行ったなら、こういうことも頼めますね(笑)」なんて言うが、実際次年度になったら、普段の仕事関係者としか仕事はせず、その人に声がけすることはないのだろう。


本当に、人生の中で、日常的に接する人というのは、コロコロと変わっていく。
どんなに仲がよい人でも、疎遠になるのはあっという間だ。

あまり人間関係の構築が得意ではない自分は、出会いというのはウキウキというよりも憂鬱が強い。その前提条件として、こんな寂しい別れがあるなら、なおのこと。
だから、別に春というのは好きな季節ではない。秋よりも寂しい季節な気がする。


でも、今日久しぶりに、このラストシーンを見返していて、新たな発見があった。初めてこの映画を見たのは中学生のころ。その時は、なんて寂しい言葉と、終わりだなと思った。映画の本筋の死体探しの話も、特に爽快感があるわけではない。親友の死を、新聞記事で知るなんて、悲しすぎる終わりだ。
バットエンドだと思っていた。

でも最後に主人公は、こう独白する。

私は彼を忘れることはないだろう、「友情は」永遠のものだ。
あの12歳の時に持った友人に勝る友人を、二度と持ったことはない。
誰でも、そうなのではないだろうか。

映画『Stand By Me』ゴーディの記載

凄くいい終わり方だなと、大人になった今、改めて終わった。会話したり、人付き合いが今でもあることが、友情の印ではない。時の流れや環境の変化で、会話することはなくなっても。それでも「友情」は永遠であり、心に残った思い出だけは汚されない。

「友情」の儚さと、大切さを語った良い終わりだと思う。
ちなみに、引用の中で太字鉤括弧にした「友情は」というセリフは、翻訳家のセンスだと思う。主人公が入力するPCの画面には「him」としか記載されておらず、友情という言葉は明らかに記載されてない。
曲解と非難する人もいるかもしれないが、自分は好きな翻訳だ。

映画『Stand By Me』の最終シーンのPC画面。


なんかStand By Meについて熱く語る記事みたいになってしまった。
とりあえず、新環境には憂鬱さはありますが、ガンバリマス。

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