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DID(解離性同一性障害)のパートナーと過ごすということ。

※おことわり:この文章はあくまで素人がDIDの人をパートナーに持ったことを綴っているものです。うまくその個性と付き合っていくために学んではいるつもりですが、決して専門家でも何でもないのでその点ご留意ください。

皆さんの周りには、解離性同一性障害(以下DID)という個性を持つ人がいるだろうか。

きっと、そんなにはいないと思う。

でもそれは、たぶんだけど自分がDIDだということをバレないよう、必死にキャラクターを演じているんだと思う。

なんとなく、人が変わったみたいな言動をしたりしていて「おや?」と思った時は、そういう気分なんだな、機嫌がいいんだな、機嫌が悪いんだな。と受け止めてあげてほしい。

みんな(あえてみんなと書くが)、一生懸命社会生活に馴染んで、ひとつの人格しかいないように必死に演技して頑張っているのだから。

僕が彼女と知り合ってから、それに気づくまで数年を要した。

DIDのことは、ほとんどの人がそうであるように多重人格だと思っていたし、小説や映画に出てくるような、特異でオカルトな出来事で、現実にはあり得ないことだと思っていた。

−ジキルとハイド、羊たちの沈黙、24人のビリー・ミリガンだったり、漫画やアニメにだってたくさん多重人格のキャラクターが出てくる。往々にしておとなしい人格と粗暴な人格が交代して入れ替わる。偏見を生む。

パートナーの中の、ちょっとしっかり者な子がDIDなのだということを打ち明けて(正確には、主人格だった子は自覚していなかった)くれてからは、坂元裕二先生脚本のテレビドラマ「初恋の悪魔」などは純粋に楽しんで観ることはあまりできなかった。
(でも、すごく丁寧に取材しているんだろうなということは感じたけど。でもそれでも自分が感じているリアルとは違う。すごいのは松岡茉優の演技力だと思う。交代した時に自分がどこにいるのか、どんな状況かを見渡して確認しているところは、本当にリアルだったと思う。)

DIDになるきっかけ・原因は、よく言われるのが幼少期に耐え難い体験をしているということだが、彼女もやはりそのようだ。あまり根掘り葉掘り聞いてしまうと、そのころの辛い記憶を受け持った子がキツくなってしまうと思うから、そんなに具体的には聞けていない。

でもかいつまんで聞いたことから推測すると、やっぱりそれは幼児にはつらいよなと思う。

僕も幼少期に母親から蹴られたりしていたようで、うっすら覚えていることはあるが、幼児から小学校低学年くらいまでのことをあまり思い出せないから、もしかしたら防衛機制が働いて、健忘状態なのかもしれない。
DIDというものを意識して生きてきて数年が経つが、もしかしたら結構多いんじゃないかと思っている。精神的に辛いことをかわすためには、解離というものは誰でもしていることだそうだ。

確かに自分も、前述のようなことがあって、他の人もそうなんだろうと思う。

僕の解釈では、解離によって記憶が分断された個性が、分断されたままそれぞれが共存している状態なんじゃないかと思っている。
だから、僕はどの人格もパートナーだと思うし、変わらぬ態度で付き合っていくよう極力努めているつもりだ。結構きついことを言われて、凹むこともあるけど。

この世の中のどこかに、僕のようにDID特有の個性に右往左往している人がいるんじゃないかと思う。僕も、動画などを配信しているDIDを自称している人のパートナーに相談したい。どうしたらいいかわからないという悩みがあったから、そういうひとがこの文章を読んで、ヒントになればいいなと思う。


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