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2023年)新卒研修の目的と方法の説明|札幌のエンジニア組織レポート

ダイアモンドヘッド株式会社 札幌開発の小菅です。

新卒選考を検討されている方向けに、札幌開発でどのようなスタンスで新卒研修を行っているのか紹介します。

※色々な方法を取り入れて来た中で、これからも時代に合わせて新卒研修の方法を変更する予定のため、2023年時点での情報となります。

新卒研修の目的

インターンシップでの実務経験や内定者研修での基礎技術習得と、新卒研修は目的が異なります。

新卒研修は5年後は10年後に最も伸びる状態にする下地作りを重要視しています。そのために以下の3点を強く意識した新卒研修を行っています。

1.仕事を楽しくするマインドの獲得

長いエンジニア人生を過ごす上で、最も大切なマインドの1つが「仕事を楽しく過ごす」です。働いている方であれば、このマインドの重要性を理解できると思います。

そのために研修を通じて「同期たちとの関係性の構築」や「視野を広く持って仕事の意味を理解できる状態」になれるような時間を使って行きます。

2.学習する習慣の獲得

授人以魚 不如授人以漁、魚を与えるのではなく釣り方を知る。の考え方がITエンジニアの成長と相性が良いと感じています。

そのためには自分で考えた上で「学習の方法を知る」「学ぶのが楽しいと思える」「成長を実感できる」ような研修の時間を過ごしてもらうのが望ましいです。

3.世界標準の知識を取り入れる

私たちの新卒研修で行うカリキュラムは、各専門分野において一定以上の影響力を持つ企業または団体の協力を得て構成しています。

研修の仕組み及び運用は自社で独自に行いますが、個々のカリキュラムは独自ではなく、世界基準または業界基準に則っています。

若い世代に、昔の知識や経験を押し付けるのは年長者のエゴです。今の時代に必要な知識と経験を若い人たちが得られるよう、世界中で広く検討されて導き出された答えを元にしたカリキュラムを選択しています。

新卒研修の方法

研修目的を達成するためには、アクティブラーニングのように複数人で学習・体験して、その内容を他者に教える手法が効果的でした。

(画像参照元:キャリア教育ラボ)

他の人に教える行為はラーニングピラミッドの最下段の90%に位置しています。経験した後に、次の人へ伝えることで学習の定着を図れます。

そのため、講師を設けての新卒研修を行っておらず、同期が複数人集まって行うグループ型の研修や、先輩や後輩が居る中で、物事の連続性やストーリー性を持っている体験型の研修を行っています。

新卒研修で伸ばすスキル

今のITエンジニアはビジネスへの関与が深くなりました。ITエンジニアが長く活躍し続けるにはマネジメント要素を取り入れた以下3つのスキルをバランスよく伸ばすのが重要と考えています。

  • テクニカルスキル:ITだと、技術力または技術への理解力

  • ヒューマンスキル:ITだと、目的を達成するための対人能力

  • コンセプチュアルスキル:抽象的に概念を理解する力

(画像参照元:グロービス学び放題)

どのような仕事・時間を過ごす上でも、テクニカルスキル・ヒューマンスキル・コンセプチュアルスキルが一定求められます。

新卒研修は出来る限り複数名でチームを組みヒューマンスキルを伸ばせるよう心掛けています。

またコンセプチュアルスキルを伸ばすため、企画・趣旨説明・発表など、相手へ物事を伝えて理解してもらうための機会を適時行う形で新卒研修を進行するように工夫しています。

新卒研修の良くある誤解

ここでは研修に当たりよくある誤解を説明して行きます。

間違い:現場で使うスキル習得が研修の目的

現場で今使っているスキルが永続的に使われ続ける保証はありません。

柔軟性を持ってスキルを身に付ける習慣や、仕事を楽しく過ごすメンタリティの習得による得られる生産性の方が現場に貢献します。

間違い:現場の教育工数を減らすのが研修の目的

1年間現場で働くと12カ月×月160時間で合計1,920時間です。2年で3,840時間です。内10%をプロジェクトで教育工数に割り当てると384時間です。

この10%の教育工数により生産性が50%上がれば、1,860時間相当の付加価値増を期待できます。

この付加価値増は現場での業務知識などを含めて、現場に特化した教育を行うから実現できる数字であり、新卒研修に転嫁できる性質ではありません。

そのため現場の教育工数を新卒研修など他に転嫁すると、現場で教育が行われず、生産性が向上しない現場が出来上がります。※働いた経験があれば少なからず心当たりがある話だと思います。

現場の教育工数は新卒研修に転嫁できないため、現場での教育(オンボーディング)も新卒研修と同じぐらい重要視しています。

間違い:新卒研修済みなので現場は放任してよい

現場固有の情報や仕事の進め方は研修では身に付けられません。スキルが伸びるのも、活躍するのも、現場の影響は大きいです。長く一緒に働く人を放任するのは好ましくありません。

間違い:昔はこうだったから今もこうした方が良い

10年間と今であっても情報が圧倒的に違っており学習方法も変わってきました。

「自分の方がスキルがあるから」「自分の方が経験があるから」と自分基準になりがちですが、時代に合わせて成長してもらうのが、好ましい結果につながりやすいです。

また活躍できる方は最初から出来ますので「新卒だから」「新卒として」など色眼鏡で見ない方が大きな成果を得やすいです。

研修の心構え

スキルの修得や熟練度は全員が同じではありませんし、同じ研修を行っても同じ成果を得られる訳ではありません。

研修を行うにあたり以下のような点を意識して自然体で参加してもらえればと思います。

  • 新卒研修は組織形成と新卒社員の素養に大きな影響を与える重要な時間です。積極的に活用しましょう。

  • 勉強を始めるのに遅すぎるはありません。研修を行うのに引け目を感じなくても大丈夫です。

  • 今のスキルより3年後に身についているスキルの方が多くなるよう、学習する姿勢や行動、それを適える環境を意識すると望ましい結果を得やすくなります。

エンジニア職に興味をお持ちの学生へ

私たちは新卒エンジニアとインターンシップ参加者を通年で募集中です。興味のある方は以下のエンジニア採用サイトをご参照下さい。

以上となります。ご拝読ありがとうございました。