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5月18日 The Corporation as a Syndicate 異業種シンジケートの出現

5月18日 土曜日。週末となりました。 

今日の #ドラッカー365の金言 テキストも昨日の続きで、『 #ネクスト・ソサエティ 』第Ⅰ部 第5章 企業のかたちが変わる 47〜53ページより。特に、52〜53ページ。

昨日は、GMもトヨタも自社単体で完結する構造からパートナーシップ企業をいくつも作ったネットワーク型の経営に変わった、というものでした。製造コストが重いから、と部品部門を子会社化したGMの失敗と、部品部門を内製化しつつ、いわゆる一次下請、二次下請企業をパートナーシップとし、経営まで面倒見る構造にしたトヨタのネットワークの強さについて、考えさせられるテーマだったと思います。

本日のテーマ:
 #The_Corporation_as_a_Syndicate
#異業種シンジケートの出現

本日の金言:
#異業種シンジケートの原型となったのは19世紀の農業協同組合である

ACTION POINT:
#異業種企業とのシンジケートの可能性を検討してください

今日のドラッカーは、異業種によるシンジケート。19世紀の農協が元だというシンジケートが新しい。異業種とのネットワークの参考になるのは、農協ではないか、と記しています。

英Wikiを見てみましょう。このページによれば

 農業組合には、3つの機能があります。1、機械保管、2、製造/マーケティング、3、信用組合。
 農協は、小規模農家に、自然および教育資源、ツール、その他の方法ではアクセスできない市場へのアクセスを提供します。生産者組織はまた、小規模農家がより回復力を持つようになる力を与えることができます。言い換えれば、彼らは、脆弱性を制限し、彼らの持続可能性を促進する方法で、経済的および環境的ストレスやショックに備え、対応する農民の能力を構築します。調査によると、生産者組織のメンバーシップは、トレーニング、認証、クレジットなどの他の独立した投資よりも、農家の生産高や収入との相関性が高いことがわかっています。

 経済的利益は協同組合を結成する上での強力な推進力ですが、それだけが考慮事項ではありません。実際、協同組合からの経済的利益は、一般の企業などの他の組織形態で複製される可能性があります。
 農民にとっての協同組合の重要な強みは、彼らが協会の統治を維持し、それによって彼らが最終的な所有権と管理権を持つことを保証することです。
 これにより、(配当金の支払いまたはリベートによる)利益の払い戻しは、一般企業のように株主ではなく、出資者である農家のメンバー間でのみ共有されます。

 株式会社の場合、利益の分配は、株主になるわけですが、農協の場合は、農家になる点です。この点、企業の長期的な競争力を保つために、ドイツの企業が取締役に従業員代表(労組からの代表)を入れることを義務づけていることと共通点があるように感じます。
 農協が構成員である農家が統治に関与し、農家への利益分配に関わることをドラッカーは良しとしています。

会社の収益を上げて、社員の給与を上げる、というテーマでお仕事をいただくことが多いわけですが、そのモデルの1つに農協、労働金庫、信用組合があるように感じています。

構成員は株主ではなく、農協なら農家、労金なら勤労者、信組なら地元中小零細企業がマネジメントと利益配分に関わる組合が関わるわけです。農協も労金も信組も単体では規模は大きくないですが、構成員とのつながりが深く、構成員の輪の中での経済圏を広げようとそれぞれが活動しているように感じます。

週刊ダイヤモンド誌が農協の不正というか、ノルマ営業など闇の部分を報じており、

https://diamond.jp/articles/-/343099

農業改革が今こそ必要だ、待ったなしだ、企業と組め、と旗を振っております。

しかしながら、本来、農家や勤労者などの構成員のための農協、労金、信組組織が構成員らを教育し、資金援助し、量と質が向上し、それぞれの収益が上がるようにするのが農協だったり、労金だったりするわけで、当初の目的通りに運営されていれば、機能していたはずです。

株主に収益を還元するのが目的である株式会社に短期的な収益ではなく長期的な経営視点と構成員や資源を大切にする考えが必要な農林水産畜産業は向いていない、という話だったはずです。確かにここ数年の「ステークホルダー経営」の思考には、「共同体型経営」の考えも取り入れられているようにも感じられますから、やってみる前にダメとかNoと結論づけるのはいかんと思います。

儲かる、儲からない、という短期的視点で考える株式会社と食や地域で生きることの安全保証という長期的観点から農林水産畜産業をどう運営すべきか、フラットに考え直したいところではありますね。

でも、戦後のGHQ施策を全て善、というつもりはありませんが、そもそもの理想とか理念がなんだったのか。そして、労働者との約束をことごとく反故にしてきた経団連の行動。利権に目が眩み、国を売り、なんでも税金で賄えば良い、という組合など、登場する団体に、国益意識よりも金と利権に執着し、農林水産畜産の生産現場からも、消費者である国民からも乖離し、歪んでしまっている現状、そして、将来の組織像を今一度考え直すタイミングにあることは確かです。

全て復古せよ、という後醍醐天皇的な考え方に全て賛同することはできませんが、移民で迷惑している国民が増える中、既存のシステムについて、改めて考え直すことも必要に思います。

良い週末を!

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