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GMとトヨタとの経営の差。 5月17日 The Corporation as Confederation 2つのネットワーク型企業

今日の #ドラッカー365の金言 テキストも、『#ネクスト・ソサエティ』第Ⅰ部 第5章 企業のかたちが変わる>企業体から連合体へ 49〜51ページ より。

5月17日 金曜日です。

本日のテーマ:
 #The_Corporation_as_Confederation (連合としての企業)、
#2つのネットワーク型企業

本日の金言:
#企業構造はネットワーク型へと進化する

ACTION POINT:
#あなたの組織やあなたの競争相手はGM型を目指していますかトヨタ型を目指していますか 

今日はGMとトヨタの構造比較についてドラッカーは、

GMが、スウェーデンのサーブ、日本のスズキ、いすゞ、イタリアのフィアットなどの競争相手との間で、少数株式の保有を通じパートナーシップを組む試みを行なっている。加えてGMは、自らの生産部門の70~80%相当分を分離した。
これと反対の道をとっている企業がある。この20年間最も成功してきた自動車メーカー、トヨタである。トヨタは、自らの中核的能力(コア・コンピタンス)である製造システムを中心に事業を構築している。

GMは中核能力である部品部門を分離し、デルファイとして設立した。自動車生産コストの6〜7割を占めるからです。フォードやクライスラーというライバルすらパートナーシップに引き入れ、部品を共同調達することで生産コストを抑えるネットワーク型に移行したが、トヨタは中核能力は手放さず、部品メーカーの生産活動のマネジメントの面倒を見ていくことにして、契約する方式です。部品メーカーはトヨタの生産コンサル組織からの助言と指導を条件に、部品納入契約がおこなされ、トヨタがパートナー企業の面倒を見ながら、中核能力を所有し続け、自ら生産するスタイルを維持している、と2002年に記しました。

だが、2005年10月、デルファイは日本の民事再生法に当たる米連邦破産法11条の適用を申請し、事実上、経営破綻しました。しかし、その後、再建を進め、2011年11月、6年ぶりに再上場を果たしました。

同社はステアリングなど一部事業をGMに売却するなど、事業の選択と集中を進め、強みを持つ電子・電装部品などに経営資源を集中してきた。

その後、Delphiは、2015年7月にサーマルビジネスユニットをMahle-Behr GmbHに売却しました。Mahle-BehrとDelphi Thermalの合併は、インテリアHVACコンポーネント、アンダーフードパワートレイン冷却、コンプレッサーを含む自動車熱管理システムの第2位のサプライヤーでした。[19]同社は2015年12月に開発中の自動運転技術の改善を発表した。[20]同月、DelphiはHellermannTytonを17億ドルで買収した。[21]

デルファイは、カーボンの連続液体インターフェース生産技術とプリンターの使用を許可するために、2016年6月にカーボンとパートナーシップ契約を締結しました。[22]その後、同社は2017年10月に自動運転のスタートアップNuTonomyを4億5000万ドルで買収した。[23]

同社は2017年12月にパワートレイン部門とアフターマーケット関連事業(現在のボルグ・ワーナーデルファイ・テクノロジーズ部門)を売却し、Aptiv PLCに社名を変更しました。[24]2019年8月、Aptivと現代自動車グループは、40億ドルの自動運転合弁会社を設立する計画を発表しました。[25]企業はそれぞれ50%の株式を持つことになります。両社は、ボストンに本社を置く合弁会社は、「SAEレベル4および5自律技術の設計、開発、商業化」の推進に焦点を当てると述べた。合弁契約は2020年3月に完了し、2020年8月にMotionalと名付けられました。[26]

2021年1月、Aptivは、さまざまな車両に適用でき、自動車メーカーがワイヤレスでアップグレードできる自動運転のための新しいプラットフォームを明らかにした。[27]

2022年1月11日、Aptivは、リアルタイムオペレーティングシステムの開発で知られるWind River Systemsを買収したと発表した。

ウィキペディアより

また、GM自身も2009年、リーマンショックで経営破綻となりましたが、米政府の支援により再建されました。

このように、2005年以降、GMもデルファイも破綻と再建を繰り返してきましたが、トヨタは創業以来、そのような経営状態に陥ったことはありません。

このことからもコアコンピタンスを手放すことなく事業化するトヨタの経営方法の方が安定して成長し続けていることがわかります。

なぜデルファイが失敗となったのか。

こちらのブログによると、

デルファイが GM から 1999年に独立する際に引き継いだ高水準の賃金・福利厚生に起因した高コスト体質、デルファイの売上高の約半分を占める GM の大幅な減産、労働組合との賃金交渉不調等が相まって申請に至ったとされている。

以上の点は破綻に至った同社の内的要因であるが、一方で外的要因の一つとしてクルマの IT 化への対応の遅れが指摘されている。

高水準の賃金など高コスト体質の上、メイン販売先であるGMの減産。
さらには、IT化に遅れて需要を逸したため、と上記記事はいいます。

自動車部品生産に特化した企業ですから、自動車製造メーカーが減産すれば部品メーカーの経営が苦境に陥るのは当然のことです。それを切り捨てたGM、部品メーカーの面倒を見ることにしたトヨタ。その差だったんじゃないかと感じます。

つまり、日本的経営の “優しさ“ “人間力“ こそが破綻なく企業が存続している理由なのかもしれない、と感じました。

優しさを忘れずに。


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