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寸止め山脈(大相撲初場所13日目)

昨日までのことは、おそらく場所が終わってからじゃないと、まとまらない。場所中は、とにかく見ることと落描きすることで精一杯だった。初日からなにかを描いてるはつばしょとーばー(じゃにゅありーだけど)は取り急ぎここまで続いている。文章などまとまるわけがない。この落描き↑を描いたのは3日前の夜の協会公式ついったー見ながら目を書く練習と称して描いたやつだった。このときは腹を抱えながら頭も抱えていた。なににどう頭を抱えていたかは現時点では上手く書けないが、そのまま頭を抱えっぱなしになった事案があった。13日目になっていた。あ、昨日のことは、昨日はいっぱい考え込んだが、まだ整理がつかない。整理がつかないから、もう、場所後にする。

昼からの打ち合わせが終わって慌ただしく寺沢前後の結果だけは確認したあと(幕下大優勝決定戦確認!!)で、そのあと仕事に寄り倒されそうになりながらも踏ん張り、帰宅したらちょうど三役に差し掛かるところだった。大栄翔が勝ったのは帰宅途上に識った、くらいの時間感覚だった。そんな13日目でいいのだろうか。いや、13日目にはありがちなことではあった。初めての朝乃山-照ノ富士もあれ13日目だった。打ち合わせに寄り切られたのでリアルタイムで見ていない。え、だから昨日のことは(それなりに引きずっている)。

テレビの画面には両大関が交互に映り、弓取式のために大銀杏を結った将豊竜が正代に付いて、押したり押されたりしていた。ウォーミングアップだ。かたや、1番前に取る朝乃山は臨戦態勢にあり、花道正面に立つ。その真後ろに立ち、まわしを締め直したりしているのは青い着物を着た寺沢。わたしが相撲をまた見始めた(正確には、人生何度目かの相撲熱がやってきた)頃に「朝乃山は控えに入る直前に、付け人に気合を入れる手形をパ、パン、パン、と捺され、その捺された手形が紅く背中に残っている状態で土俵に上がってくるのだ」ということを誰からともなく教えられた。気合を入れる役目は朝鬼神(今場所幕下に戻り、明日勝ち越しを賭けて7番相撲に臨む。見ている方に気合が入る)、のはずだったが、わたしが見る限り、中日(この日、朝鬼神は左手をぐるぐるぐるぐる巻きにして相撲を取っていた)あたりから手形を捺す担当が一時的に交代している模様である。

いよいよその寺沢のパパンパンが見られるのかと思ったのは昨日。青い着物は大関の真後ろに立ち、ひょっとすると大関よりも眼光鋭くNHKのカメラのピントを捉え、腕まくりをして色白の二の腕を現し、さて…というところでカメラが切り替わった。はて、きょうは…

きょうも寺沢だ。2勝5敗で場所が終わったのは悔し。いろいろな課題に抱きしめられたのだろう。…などという思いも若干よぎりつつ、こんどは大関のまわしを締め直したあと、真後ろに立ち、両腕をまくり、大関の背中に両の掌を置き、さぁ…

カメラは正代に切り替わった。

寸止め山脈。NHK、昨日より上手いじゃないか、えらいタイミングで。

もちろんこの文章も寸止めである。きょうの朝乃山、会心の相撲で勝った。それがじわじわと響く。大関にはあと2日ある。優勝はアレかもしれないが、残り2日気持ちよく締めることは、優勝は置いておいてもできる。昨日のことは略。もちろん大関もいっぱい宿題に抱きしめられているわけだが。

ああ、まくしたせぶんがひとりでもまくしたないんのなかにいたらよかったなあ。そうは思いつつも、じわじわと場所を終わることができるのは、ほんとうにありがたいことである。あと2日、ありがたくたのしく拝見し、それから、そのあとのことに思いを馳せてみようと思っている。

なんだかんだで東白龍の勝ち越しも見えてきたんだなあと。すごいなあ。舞台がでかくなればなるほどいい仕事をしていくひとなのかなあ。岐路とか分岐点とかそういうことを考えてしまう。中日のあべまの視聴期限があと40時間ちょいみたいなので、さっき見に行ったら、再生がちょうど朝鬼神見終わったところで止まってた。そこからちょと送って、寺沢-北の若の取り直し前だけもう一度見た。忘れられない一番になりそうである。

すべてが寸止めなのに長くなった。そして、地元の映画相撲道の公開が密やかに終わっていた。ああ、もう一度見たかった。

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