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その国の言葉がわかれば、その国のことはわかるのか?

「(現地の)言葉がすべてじゃないよ。言葉がわかるからといって、その国のことがわかるわけじゃないでしょ!」

途上国とかかわっていると時折、こんな言い方を耳にします。

そうかもしれないし、そうでないかもしれない‥‥。でもこの言い方、よく考えると、おかしくありませんか?

まず言えるのは、現地の言葉はできないよりもできたほうが絶対に良いこと! 言葉がわからずに、その国の人たちとどうやって会話しますか? ローカルコミュニティにどうやって入っていきますか? その国の情報をどうやってとりますか? 言葉ができない=ハードル、でしかありません。

言葉を取り巻く状況はもちろん、その国によって異なります。たとえば、アジアの中では英語が比較的通じにくいタイやインドネシアではタイ語、インドネシア語は必須。英語だけで現地に精通していくことはなかなか難しいのが現実です。

対照的に、英語の話者人口が多いフィリピンだと、タガログやセブアノをはじめとするローカル言語ができなくても、英語オンリーでもある程度はいけます。ただ、貧しい人たちのことを本当に知ろうと思ったら、“英語オンリーの限界”にぶち当たりますが。

アジアと比べて英語が圧倒的に通じないラテンアメリカはどうでしょうか? はっきり言ってスペイン語ができないと話になりません。地元の人たちと意思の疎通がとれないのはもとより、スペイン語の歌も、ドラマも、新聞にも触れられません。こういった大きなハードルを乗り越えて、現地について深めていくのは限りなく不可能に近い。というか、その前に楽しくないですよね!

西アフリカはどうでしょうか? この地域も英語があまり通じません。セネガルのウォロフ語のようにローカル言語が広く普及している国はさておき、やはり学んでおきたいのはフランス語。フランス語なくしてアフリカ通にはなれません。

つまり何を言いたいのかといいますと、第一に、現地を知るには言葉は必須であること。第二に、世界を知るには英語だけでは不十分ということ。

言葉がわからないからか、現地のさまざまなことを思い込み/勘で話す人も少なからずいます。これはある意味、恐ろしい‥‥(自戒の意味も込めて)。

とはいえ、言葉さえできれば、現地のことがわかるのか? と尋ねられると、それもまた違う気がします。

大事なのは言葉をどう駆使するか。このスキル(情報を聞き出す力、コミュニケーション力)も、語学力と同じぐらい必要かなと考えています。

早い話、「西アフリカのことを知る」という目的のもと、フランス語を習いたかったら西アフリカの人(たとえばベナン人)から学ぶのがコスパが最も高い方法(スペイン語ならたとえばベネズエラ人)。そのほうが現地のことも同時にわかります(情報を引き出す練習もできる!)から。

費やす時間は同じでも、得るものはダブルです。まさに一石二鳥。いや、講師のベナン人の家族の生活を支えることもできるし、また収益(お支払いいただく受講料)の一部を使ってベナンの子どもたちが教育を受けられるようにすれば、一石四鳥となります!

そんなwin-winのプログラムがこちら。締め切りはあす2月13日。バレンタインデーの前日までです。アフリカを愛するJICA海外協力隊(青年海外協力隊)のOV&候補生&志望者の皆さん、アフリカ好きの皆さん、いかがですか? 

【2/13〆切】ベナン人に教わる『アフリカ流フランス語教室』(第7期)の受講者募集 ~フランス語を学んでアフリカの子どもを支援!

*写真は、ベナンの宗教「セレス」の集会のようす