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「値決め」できない福祉の世界で、新たな価値のデザインを一緒に始めてみませんか?

障がい福祉のグループホームで複業し始めの頃、提供するサービスに「値決め」ができないことを知り、驚きともどかしさを感じたのを今でも覚えてます。

この記事では、まだ福祉・介護の右も左もわからない中で「これは!」とビビビッと気になった&今でも気になり続けている企業・事業を3つ厳選して紹介させていただこうと思います。そして値決めできない福祉・介護の世界で、新たな価値をデザインするヒントを皆さんと一緒に探っていけたら幸いです。

今回もお付き合いよろしくお願いします!!!

おさらい|値決めできないグループホーム

繰り返しになりますが、障がい福祉のグループホームでは、提供サービスの値決めができないのです。

例えば、グループホーム内に職員さんをどんなに多く配置してサービスを手厚くしたとしても、それを価格に転嫁することができないのです。「うちは他と比べてこんなにサービスが充実しているんですよ!」と訴えて報酬単価をあげたり、利用者に多く負担してもらうことができないのです!!!

もちろん、メリットもあります。介護保険や医療保険など国から報酬が支払われる「制度ビジネス」のため、国が倒れない限り安定収入が見込めます。

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新たな価値の「方向性」を探索

そんな値決めできない世界で、わたしたちはどのような価値をデザインしていけばいいのか?

新たな価値を提供し始めている事業・企業をヒントにして、価値の「方向性」を探っていきたいと思います。
(掲載でご迷惑をおかけしている場合はご連絡いただけると助かります🙇)

方向性①|未来の福祉を担う「人材育成」

まずは「人材育成」事業です。

グループホーム利用者への提供サービスに値決めできないのであれば「福祉・介護サービスを提供する事業者」に優秀な人材を供給していこうという方向性です。

株式会社土屋さんの「研修事業」を見ていきたいと思います。

株式会社土屋の土屋ケアカレッジ

「土屋ケアカレッジ」という名前で、未来の福祉・介護を担う人材を育成されています。

土屋ケアカレッジは、障害福祉サービスである「重度訪問介護」の支援を行う事ができるヘルパーをはじめ、未来の介護を担う人達と介護の現場をつなぐ架け橋として、創立した介護資格取得専門の教育研修機関です。
介護を担う人達が安心して、ケアを行うことができるよう、全国で様々な研修を開講しております。

https://tcy-carecollege.com/about/

福祉・介護業界では、慢性的な人手不足で、人が採用しづらかったり、離職率が高くて人を育てづらかったりという課題があります。

業界の構造的な課題に果敢に切り込み、「障がい福祉・介護に関わろうとする人」や「介護サービスを提供する事業者」に対して、有望な人材の育成支援で新たな価値を提供していこうという方向性です。

方向性②|福祉事業者への「人事コンサル」

続いて「人事コンサル」事業です。

先ほどあげた「人材育成」より、事業者への「人事・組織作り」というもう少し広い範囲を扱っています。

株式会社Blanketさんの「採用・人材育成支援事業」を見ていきましょう。

株式会社Blanketの「KAIGO HR」

「KAIGO HR」というサービス名で、福祉・介護事業者の「人事・組織作り」をコンサル支援されています。

「KAIGO HR」とは、介護・福祉事業者に特化した採用・育成・定着支援サービスです。求人・求職者双方に良い形での採用・人材育成・組織づくりのサポートを行います。介護・福祉業界の人事支援に特化したスタッフが、御社の採用・育成チームと一緒に、実践まで本気で向き合います。

https://blan-ket.com/for-company/

福祉・介護業界では、採用がうまくいかないことで、余裕がなくなり、人材の育成やサービスの向上に力を割けず、その結果として組織が疲弊し、離職が増え人手不足に拍車がかかる…ということが良くあります。私が所属する、障がい福祉グループホームを運営する組織でも似たような感じです。

このような「福祉・介護事業者」に対して、介護・福祉業界の人事・組織課題解決を支援する「介護の人事部」という立ち位置で、新たな価値を提供していこうという方向性ですね。

方向性③|福祉特化した業務の「デジタル化」

最後が「クラウドサービス(SaaS)」事業です。

福祉・介護業界でもデジタル化・DXに取り組んでいこうという流れですね。

リクルートさんが「knowbe(ノウビー)」というサービス名で、障がい・福祉事業者に特化したクラウド型業務支援サービスを提供されています。

リクルートが提供する「knowbe(ノウビー)」

障害福祉に特化した請求・記録ソフト「knowbe」
1ヶ月単位で利用できる、クラウド型業務支援サービスです。

https://knowbe.jp/

「グループホームなどを経営する障がい・福祉事業者」に対して、国保連請求や支援記録など日々の業務をデジタル化・DX支援という新たな価値を提供していこうという方向性ですね。

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新たな「価値のデザイン」を始めてみる

今回、福祉・介護業界で、新たな価値をデザインし始めている事業・企業をピックアップしてきました。

値決めができない福祉の世界で、新たな価値をどうデザインし、提供すべきか…と日々の業務に奮闘する一方で、新たな事業を検討されている事業者さんも多いのではないでしょうか?

私の所属事業所でもまさにそうです。福祉・介護に関わる事業者の方々にとって、新たな価値を考え、デザインし始めるヒントになればと嬉しいです!

それでは、皆さん、よいゴールデンウィークを🎉

↓こちらの記事で、経産省の「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」を下敷きに、経営者になったつもりで具体策を考えています!もし良ければ、価値デザインのヒントとしてこちらもご覧ください!!!