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kindle本があなたの顔になる

これまでに、kindle表紙をたくさん制作してきましたが、お客様に
「自分の本当にやりたいことが見えてきた」
「自分が社会に対し何をアピールしたらいいのかわかった」
「まるでカウンセリングやコンサルみたいだった」
などと言われることが多く、
「一体どんなふうにデザインを考えているの?」という疑問を持たれるので
私が考える、名刺がわりになるkindle本の表紙についてお話ししてみようと思います。
kindle表紙に限らずですが、あらゆる制作物は「ヒアリング」が頼りです。


ヒアリングでお聞きすること

ヒアリングではまず、執筆の出発点についてお尋ねします。
みなさん、「伝えたいことがある」から本を書きます。
自分が知っていることや経験で、どなたかのお役に立てたら、それはプライスレスな喜びです。kindleで大儲けするのはかなりハードルが高い。
それでも書くのはなぜでしょうか?

本の執筆って、めっちゃ大変な労力だと思うんです。
原動力も、完成までの忍耐力も必要です。
それでも書けるのは、「伝えたいことがある」から。
なぜ書こうと思ったか?
執筆で生きづまったら、ご自身も出発的に立ち返ることをお勧めします。

それから、どんな人にこの本を手にして欲しいか、
読んだ人にどうなっていって欲しいか、とお聞きします。
それは、作者と読者、社会をつなぐ大きなポイントです。
本は日記ではありません。
書いたものと、社会をつなぐこと。まずは手に取ってもらうこと。
そのためにはkindleの表紙は重要な意味を持っています。

最後に、作者自身がどうありたいのか、将来どうなっていきたいのか?
とお聞きします。ここが私独特の大切な視点かもしれません。
自分で出版するということは、その先の未来を描いて欲しいのです。
本があなたの大きな助けになるかもしれません。
あなたの名刺がわり、作品、そしてブランディングになります。
特に起業した人や副業する人などの自分のPRにぜひ、kindleを活用して欲しいと思っています。
自分のサイトやSNSで、ぜひ執筆した本を堂々と紹介してください。
そのためにはどうか、伝わる表紙をつけてください。

kindleをどう社会とつなぐのか?

次に、本と社会をつなぐイメージを膨らませます。
本はもちろん、人に読んでもらうためのものなので、
読んでみようかな、手に取ってみようかな
と思ってもらうのが表紙の大切な役割です。

ですので社会時代に、どのようにアプローチするのが一番効果的か?
どうすれば人の心に届くのか?を検証します。
本に限らず、たくさんの世の中にすでにあるものを見ます。
とにかくめちゃくちゃ見ます。
当たり前ですが、物事は多面的で多様性があります。
どういうメッセージをデザインに込めたら、読者に手に取ってもらえるのか?
どういう人に届いて欲しいのか?
どの言葉なら、デザインなら、伝えることができるのか?

ヒアリングに出てきた言葉、本文中に出てきた言葉、
ヒアリングでの作者の反応、表情を思い出します。
そこに、キラッと光る筆者のオリジナリティが必ずあるのです。


実例〜ヒアリングからご提案まで〜

例えば、今制作中の
『63歳 老化がヤバい!と思ったので
ミセスコンテストに出てみた』(ミヤザキレンさん著)
の表紙の完成までを例に挙げてみます。
(著者の許可を得て掲載しています)

執筆のきっかけは「ミセスコンテストに出たことによって、最短で最高の美容の成果を挙げられた、面白い経験をしたのでみんなに伝えたい!」ということでした。63歳でコンテストに出る・・・相当インパクトのある経験です。

こんな普通のおばちゃんがイタイわ〜!・・と謙遜していらっしゃて、レンさんのユーモアあるキャラクターもあり、ドタバタコメディタッチなイメージ図を送ってくださりました。コンテスト会場にいるファイナリストたちをみておばちゃんが目を輝かせているイラストが入ったイメージです。
ヒアリングとご提供イメージから私がご提案した第1案はこちらです。

この頃は、タイトルもサブタイトルも今とは違っていました。


レンさんは「2」が一番イメージに近い、とおっしゃって、とりあえずこの方向性で進めていくことにしました。

しかし、ただのドタバタおもしろストーリーでいいのか?なぜそれをわざわざkindle本にしようと思ったのか?と疑問を感じた私は、原稿を再度読み込み、レンさんが今後どうなっていきたいのかというお話をもう一度深掘りしてお聞きしました。
すると、レンさんのこれからの夢は、高齢女性の伴走コンサルや、老化予防コンテンツを作ったり、運営中のYouTubeも老化撃退チャンネルとして、外見上だけでなく、栄養や東洋医学的なものも取り入れていきたい、とのことでした。

私は、「この本はレンさんの今後の活動の名刺がわりになる大切な本になる。
ぜひPRやブランド作りに使ってほしい」とお伝えしました。


筆者のマインドを客観視してみる

校正も終えて、改めて、この本には、女性にとってとても重要なメッセージがあるということが伝わってきました。

未知の領域に挑戦することこそ究極のアンチエイジング
・長年置き去りにしてきた自分自身と向き合い、美しくなることを許可する
・目標を立てて、小さい工夫を毎日コツコツすることの大切さ
・自分を可愛がり、愛して、育てて、許してあげる
・つまり新しい挑戦が、年を取ったからこそ必要

これは、50〜60代の女性に向けた、大きな希望の物語だと思ったのです。
子育てや介護がようやくひと段落し、振り返ると自分のために何もしてこれなかった・・そして鏡の中にくたびれた自分の姿をみて、老化にびっくりしてしまう。

女性はとにかく人のことや人のお世話に回りがちです。
しかしその後の人生だって長い。
ここに社会との接点が見えてきました。

「分岐点が誰にでも必ずあるんです。
そのままコンフォートゾーンにいるか、そこを出てみるか」

ミヤザキレンさんインタビューより

「ミセスコンテストに出るのを勧めている本ではないんです。
一歩踏み出してみることが結局一番良い変化をもたらすんです
それをするかしないかで人生後半戦が大きく変わってくるんです」

ミヤザキレンさんインタビューより


私は、レンさんに相談し、表紙の方向性を大きく変えることにしました。

著者が本当に伝えたかったことは


ヒアリングの端々に出てきたレンさんの言葉を思い出し、本当に伝えたいことはなんだろうと考え、時には話し合い、方向性を探りました。

・年齢を重ねた重厚さ、上質、受容
・目的に向かって進む、挑戦するその先にあるもの
・その舞台はとてもワクワクするもの、心踊るもの

私が次に提出したのはこちらのイメージです。

ここでタイトルやキャッチコピーなどが変更になっています

レンさんにはお顔を出していただく承諾を得ました。Youtube発信もされているので、このハードルはクリアです。「コンテストに出た」著者の顔写真が何より説得力があり、内容イメージを掻き立てます。
コンテストのステージ、未来を見つめるレンさんのお写真で、まるで魔法のような一日を表現しました。

ここから、レンさんやお友達などにご意見を伺いながら方向性や見せ方を擦り合わせていきます。

この本が言いたいことは何か?
作者は何を大事にしているか?
どうやったら共感してもらえるか?
時代に合っているか?また普遍的でもあるか?
ワクワクする明るいものであるか?

精査に精査を重ね、デザインのゴールが見えてきました。

ざっくりと作った状態。ここからデザインを詰めていきます。


額縁のように見えるのは手鏡のイメージです。
ここからはデザインの細かい作り込みになってきます。レンさんやレンさんの娘さんにも見ていただき、整えていきます。
ポイントを赤入れしてみました。

これが全てではなく、主なポイントです

表紙が完成!

完成!レンさんの思いが伝わるかな?

初めの頃からはずいぶん印象が変わったのではないでしょうか?
私のkindle本表紙を作る行程は、一般的ではないかもしれません。
それはかなりブランディングの要素が強いからだと思います。

著者がこれからどうなっていきたいのか?
kindleを読んだ方にとってどういう存在でありたいのか?
一番社会に伝えたい譲れない部分は何なのか? 
どうやったらそれが一番いい形で伝わるのか?

そんなふうに考えて私はいつも表紙を制作しています。
いつでもどこでもこの本を、自信を持って出して欲しい。
著者自身がこの本を大好きでいて欲しい。
そんな願いをいつもこめています。

kindle表紙制作・ご相談について

名刺がわりになるkindle本を作りたい方、ご自身の事業のために使えるツールが欲しい方、自分を表現する商品が欲しい方、ブランディングを含めて考えたい方は、ぜひお気軽にご相談いただけたらと思います。

しかしこのように私がkindle表紙制作をする場合はお時間が1ヶ月〜2ヶ月程度かかります。もしご依頼になっていただく場合は、どうぞ時間に余裕を持ってお申し込みください。
執筆アイデア段階から、ブランディングを含めた伴走をするサービスもございます。
また、ご自身で表紙制作される方のために、オンラインでの制作アドバイスもお受けしています。

詳しくはこちらのお問い合わせフォームからお気軽にメッセージください。

     


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