見出し画像

#027:学習する組織を実現する戦略

兵庫県神戸市を拠点に活動しております「まじわるデザイン」代表の戸田裕之です。
「ムダをなくしたいだけ」です。

今回は、センゲさんの「学習する組織」の抜き書き。
第14章として「戦略」という章があります。
・「以前からわかっていることだが「学習する組織」を構築できる特効薬などありはしない。公式も「三つのステップ」も「七つの方法」もない。だが、見事な結果を、しかも楽しみながら生み出す職場環境を築くことについては、これまで多くの学習がなされてきており、今なおその学習は続いている。」(P407)
・いわゆる自己啓発本に対して、ちょっと皮肉を言ってみたあとで、でも、わかりやすいコツも書いてみようというのがこの章です。なるほどという内容です。
・「そのカギは、私たち一人ひとりの、振り返りや実験を行い、よりオープンになるための道のりにある。大切なのは、これをどう呼ぶかではなく、どのような現実を創り出すかである。」(P456)

➀ 学習と仕事を一体化させる。
・「組織学習の取り組みを最も制限してきた要因はおそらく、断片化、つまり学習を、人々の日常の仕事の「追加的なもの」にしていることだろう。」
・「学習と仕事の一体化を首尾よく行うには、まず、社員の仕事の現状を十分に理解し、ふりかえりの強化などの学習アプローチが「どこで」「どのように」実際的な変化をもたらすことができるかを見抜くことである。」
→私もお手伝いをする最初に、「講義形式ではやりません。」といった説明で、このことを強調します。

② そこにいる人たちとともに、自分のいる場所から始める。
・「深い学習の戦略的な枠組みは経営陣にしか当てはまらないと考えがちである。だが実際には、戦略的に考えることはあらゆる階層のリーダーに不可欠なのである。」
・「社員が解決できないと考えている問題に焦点を当てる」
・「「不可能に思えること」への果敢な取り組みが実現するのは、社員の才能と、最も奥深くに潜む志を引き出すことができるときだけである。」
→いっしょに取り組んでいただく方々には、どうせなら「ずっとなんとかしたいと考えていたこと」をやりましょうと提案します。

③ 二つの文化を併せもつ。
・「情熱のせいで、取り組みに参加していない人たちに自分たちがどう受け止められているかが見えなくなってしまうこともあれば、その取り組みがほかの人たちにどのような影響を及ぼすかということに配慮が至らないこともある。」
・「学習や開放性という文化の構築をめざす変革者は二つの世界-彼らが構築に取り組んでいるチームや組織のオープンな学習志向の世界と、主流の組織のより伝統的な世界-に生きているように感じることがある。」
→何ごとにも必ず抵抗勢力が生まれます。先方の言い分も聞きながら上手にやっていく必要があります。説得しようとしないことが大切。押すと逃げます。

④ 練習の場を創る。
・「練習する機会がなければ何か新しいことを学ぶのは非常に難しい。」
・「真の学習プロセスは、新しいことを試すことや、たくさんの間違いをすることによって定義される。」
→私も、いきなりむずかしいことをやるのではなく、まずは、機能や範囲を限定したプロトタイプからやりましょうということをお勧めしています。

⑤ ビジネスの中核とつなげる。
・「急進的な新しいアイディアや手法が組織内でしっかりと根づくには、肥沃な土壌がなくてはならない。」
・「手始めに-自分たちが何者かを突き止める」
・「組織の創造性の源を見極める」
→事業には、何か根っこがあるはずで、それを見つけることが持続的な学習につながるとセンゲさんはおっしゃっています。いわゆるミッションに当たるものでしょう。

⑥ 学習するコミュニティを構築する。
・「コミュニティは、自分たちにとって思いやりと意味をもつ問いを探求する人々から成長する。」
・「学習するコミュニティの構築が、管理や操作を必要としない自然なプロセスだということに気づくことも大切なことだ-むしろ、これを管理しようとすれば、たちまち失敗に終わるだろう。」
→このような良い場は、強制されたやらされ感が出てしまうと続かないというのはよくわかります。

⑦ 「他者」と協働する。
・「「多様性を受け入れる」という戦略は、政治的な公正性や単なる感傷を超え、リーダーにとっては重要な基本理念になる。」
・「まったく異なる種類の組織の間で境界を越えて関係を構築することもまた、より大きなシステムに影響を及ぼすカギとなる戦略だ。」
→世の中複雑になって、いつも周りにいる人たちだけでは解決できないようなめんどうな問題ばかりが残っています。この解決のためには、違う人の力が必要です。

⑧ 学習インフラを構築する。
・「学習インフラは、学習を成り行きに任せることはしない。」
・「学習が真に影響を及ぼすには、学習を組織の機能の仕組みにしっかりと織り込まなくてはならない。」
→お手伝いプロジェクトの最後には、時間をとって、今後、続けていくために、具体的に何をしたらよいですかというお話しをします。続けることに意味があります。

写真は、愛媛県宇和島市の「牛鬼」です。毎年7月22-24日に開催される「和霊大祭・うわじま牛鬼まつり」(われいたいさい)の主役で、こういうものがたくさん宇和島の街の中を練り歩くのだそうです。
牛鬼は、枕草子や太平記にも登場するようで、日本各地に伝わるものです。アジアの各国でもこういう雰囲気のキャラクターを見かけることがあります。
===誰一人取り残さない===


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?