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展望: 2014 J2 第12節 岡山 vs 清水

GWに入っての初戦、アウェイ岡山戦のレビューを書きます。見出しの写真はかつて岡山に2シーズン在籍し10番をつけ、72試合13得点という好成績を残した矢島選手です。


これまでの岡山との対戦成績は?

通算成績は清水の2勝2分で、清水は岡山に負けたことがありません。但し、2016年と昨年共にアウェイのCスタでは引き分けと勝ったことがありません。今回アウェイで勝利すればCスタ初勝利になりますね。
昨季のハイライトを見てみましょう。
初戦はリカルド体制の第2節ですが0-0のスコアレスドローになりました。

基本的には清水が押している展開でしたが、堅守の岡山のゴールを破れませんでした。権田の前半のスーパーセーブがなければ負けていたかもしれませんね。
2戦目となる昨季のホーム岡山戦は第28節。

乾もサンタナも不在ながら、鈴木唯人の絶妙な落としから、カルリ―ニョスの素晴らしいドリブルからのシュートで1-0で勝利を飾りました。(鈴木唯人が昨季清水でプレーしていたのが今では信じられませんね)

今季の岡山はどんなチーム?

昨季第28節に岡山と対戦したメンバーからは、櫻川ソロモン、ステファンムーク、佐野航大、ヨルディバイス、坂本一彩など、主力の多くが移籍。一方で、かつて名古屋の中心選手だったガブリエル・シャビエル、韓国リーグからCFのグレイソン、横浜FCからGKのブローダーセン、新潟からDFの田上、琉球から右SBの柳貴博、いわきから岩渕、山形から元清水のボランチ藤田息吹、そして清水から竹内といった主力級の選手を補強。
以前清水のHCを務めた木山監督も3年目。今季のミッションはJ1昇格と、昨季10位という不甲斐ない成績からの脱却を誓っています。

岡山のこれまでの成績は?

岡山はこれまで6勝4分1敗で、勝ち点22で3位。スタートダッシュに成功しました。一方で直近の5試合は、1勝3分1敗と足踏みをしている状態。一時は首位に立ちましたが、清水と長崎に抜かれてしまいました。

岡山・清水の両チームの対戦成績と直近5試合の成績

前節はホームで熊本に2-0と勝利し、5試合ぶりの勝ち星を得たのですが、試合の内容としては、熊本の方が優位でした。

でしも予習を兼ねて流し見をしたのですが、前半の早い時間に先制して以降、熊本の繋ぐサッカーに押し込まれる展開が長く続きました。前半終了間際に岩渕がカウンターから追加点を奪い、後半は5バックにしてなんとか守り切ったという試合でした。

J2 第11節 岡山 vs 熊本のスタッツ
J2 第11節 岡山 vs 熊本のゴール期待値

実際試合のスタッツやゴール期待値を見ると、熊本にボール支配率を66%許すなど、熊本優勢だったことがわかりますね。
この試合はどうしても5試合ぶりの勝利を得たいという強い気持ちが先行したというのもあると思いますが、直近5試合は必ずしも好調とは言えないですね。

今季の岡山のチームとしての特徴は?

次にチームのスタッツを見てみましょう。

岡山のJ2 第11節までのスタッツ

これまでのトータルのスタッツをみると、AGIが2位、KAGIが3位、被シュートが2位、被シュート成功率も2位、結果被ゴール(失点)が1試合平均0.6と1位になっています。(前節までは仙台が1位だったのですが、清水が3点を奪ったので岡山が1位になりました)
スタッツ的には守備の固さはもちろん、攻撃面でもゴールに迫る回数が多く、バランスがとれているといえます。
次に得失点パターンについて。

岡山のこれまでの得失点パターン

攻守両方ともにセットプレーのゴール及び失点が多いですね。
岡山のGKのブローダーセンは、非常に反応速度の速いキーパーで、特に前からのシュートには強い印象です。逆にクロスに対する対応は必ずしも得意ではないという印象なので、セットプレー含めてサイドを抉ってからのクロスに勝機がありそうです。

岡山の予想スタメンは?

岡山の予想システム・スタメンは、水曜日のルヴァンカップ(横浜FCの2-2で清水と同様PK戦の末に敗退)は完全ターンオーバーでしたので、怪我人などがない限り、熊本戦と全く同じメンバーを起用してくると思います。

J2 第11節 岡山 vs 熊本の岡山スタメン

システムは非常に特徴のある3-4-2-1です。他のチームにこのシステムを採用しているところはないように思いますが、グレイソンをワントップに、岩渕とガブリエルシャビエルは、WGではなく、2シャドー(トップ下)で基本はハーフレーンに位置します。
そしてサイドレーンは、左は末吉、右は柳が上下運動を繰り返す形で拾いエリアをカバーします。
グレイソンは身長186cmとフィジカルの強いCFで、難しいボールでも前線で収める能力があります。そこに岩渕やガブリエルシャビエル、時には輪笠が飛び出す形を得意にしていると思います。
一方で守備においては、両WBの背中、3バックの脇にスペースが空きやすいです。熊本も何度も崩していましたが、このスペースを使いながら、ペナルティエリアのニアゾーン(ポケット)に進入できれば、大きなチャンスになると思います。また3バックのため、左CBの本山、右CBの阿部は、積極的に前プレスをかけるため、ここを外すことができればチャンスになると思います。
また熊本は前線からのプレスが効いて奪取位置が試合平均41mを超えていましたが、岡山はビルドアップもそこまでスムーズではありません。末吉と柳はボールを奪ったら前線に駆け上がるため、最終ラインの3名とボランチの2名でビルドアップをしようとすることが多いですが、足元はそこまで得意な印象はないので、うまく嵌めることができれば高い位置でボールを奪えると思います。

岡山の注目選手は?

岡山の注目は、強力な新外国人トリオですね。

ガブリエルシャビエル

名古屋の中心選手として5シーズンという長きに渡りプレー。その後札幌で1シーズンプレーした後、ブラジルに戻るも退団。J2岡山に電撃加入しました。30歳にはなりましたが、技術の高さは健在で、長い距離でも正確なパスでチャンスをつくる司令塔です。


グレイソン

今季韓国リーグから新加入。まだPKによる2ゴールと流れの中からのゴールはないが、4アシストはチームトップ。前節から家族も来日し、やる気は十分ありそう。

ブローダーセン

2023年では当時J2の横浜FCでの正GKとして活躍し、J1昇格に貢献。昨季はJ1にて出場機会を永井と分け合ったが、正GKの座を求めて岡山に新加入。GK大国のドイツ出身ということもあり、非常にセービング技術が高く、またコーチングも優れている印象。岡山の堅守に貢献しているのは間違いない。

清水時代の藤田息吹選手

また元清水の藤田息吹選手も、守備力と体力に優れる素晴らしい守備的ボランチだと思います。今季新加入ですが、岡山ではフル出場を果たし、木山サッカーの中心的な役割を担っています。控えに入るかわかりませんが、もちろんキャプテン竹内選手にも大注目ですね。あとは交代で出てくる191cmのルカオ選手も怖い選手だと思います。

清水の予想スタメン・サブは?

清水もルヴァンカップ富山戦ではターンオーバーをしましたので、乾選手の怪我が治っていないということであれば、前節と同じ4-4-2で同じメンバーになるでしょう。

A岡山戦の清水の予想スタメン

サブについては、ルヴァンカップで復帰をした原と白崎を加え、沖・原・北爪・白崎・松崎・西原・タンキになると予想します。今回は比較的予想しやすいですね。
注目は、古巣対決となる矢島選手と、後半から投入されるであろう前節で最年少ゴールを決めた西原、さらにはコンディションの上がってきたタンキです。

清水はどう戦うか?

秋葉監督も、前節の岡山 vs 熊本戦を観て、「熊本が深く差し込んでいたことが有効だった」といようなコメントをしていますが、3バックの脇、両WBの裏のスペースが狙い目だと思います。
また前線からのプレスをしっかりかけて、高い位置で奪ってからのショートカウンター、厚い攻撃をすること。またアタッキングサードの最後の部分で、いわき戦の北川選手のように切り替えしてよりフリーな選手にパスを出す、サイドを深くえぐってマイナスのグラウンダーで合わせるなど、ひと工夫をすることが必要になりますね。
岡山のディフェンスは前に食いつくスタイルであるため、ボランチの中村や宮本が、最終ラインを追い越す形も有効だと思います。
どの試合でも同じですが、やはり大事なのは先制点。特に早い時間で取ることが大事ですね。そうすれば岡山も出てこざるを得なくなり、清水のサッカーがよりやりやすくなると思います。
直近2試合では、リードを奪ってから守備が緩む傾向がありましたので、そこは気を引き締めていきたいです。
もう一つが交代カードでしょう。相手右SBの柳貴博選手はSBながら186cmとガタイが良いのですが、西原のようなスピードタイプは得意ではないように思います。またセットプレーからの失点が多いため、高橋・住吉に加え、後半から投入するタンキの高さも有効だと思います。0-0やリードを許すようなことがあれば、攻撃的なカードを早めに切ることも必要になると思います。特にこれまで一度もない北川とタンキの2トップの形(カルリを左MFに戻す)も見てみたいですね。

タンキ選手のゴールにも期待です

ルヴァンカップは残念でしたが、J2リーグとしては3連勝中です。「大型連勝」がJ2優勝には必要だと思うので、この岡山戦、相性は決して悪くないと思いますので、必ず勝って、勝ち点3を奪って、首位の座を守りましょう!!

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