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展望: 2024 J2 第16節 横浜FC vs 清水

明日に迫りました、アウェイ横浜FC戦の展望を書きたいと思います。約31年前の5/16に横浜フリューゲルス vs 清水エスパルス@三ッ沢で、清水エスパルスの歴史が始まりました。まさに同じ場所、同じタイミングでの横浜FC戦。開幕戦、当時中学生だった私も観に行きましたが、その華やかな雰囲気に感動したことを覚えています。この状況に生涯サポーターとして心躍らないわけないですよね。もちろんJ2上位対決としても大事な一戦ですが、それ以上の意味合いがある試合だと思っています。

横浜FCとの過去の対戦成績は?

清水の横浜FCとの通算対戦成績は、清水の4勝3分1敗。清水が勝ち越しています。一方で、直近の対戦は2021年でホーム・アウェイ共に1-1で引き分け

清水としては2020年以来の横浜FCからの勝利を目指します。

今季の横浜FCはどんなチームか?

3度目のJ1昇格を果たした昨季でしたが、降格1チームという有利な条件にも関わらず、7勝8分19敗と最下位となり、1年でJ2降格となりました。それでもJ1昇格を実現した四方田監督の続投を決定。コーチに中村俊輔もいます。昨季の中盤以降は3バックの堅守にすることで立て直しにある程度成功したため、J2に降格した今季もその戦い方を踏襲。3-4-2-1と堅守をベースにしています。
選手の入れ替えとしては、前線のマルセロヒアンが鳥栖、山下がG大阪に放出。中盤の近藤と林もJ1に移籍となりましたが、主力の多くが残留。さらに四方田監督の教え子であるFKの名手福森、そして前線の抜けた穴を埋めるために岡山(所属は千葉)から櫻川、徳島(所属は柏)から森海渡を完全移籍で獲得し、戦力としては底上げになりました。
中でも大きいのは福森の獲得。左足のFKの名手で、憧れの高校の先輩である中村俊輔コーチ、恩師の四方田監督の誘いに乗った形。後ろからの組み立てに注意が必要ですね。
そして、今季エースとして新加入した森海渡選手の大けがを受けて、3/25に浦和レッズから期限付移籍で加入したのがFWの髙橋利樹選手。加入後は9試合中8試合に先発し主力CFとして起用されています。
シーズン開幕前の順位予想でも2~3位が多く、清水にとっての昇格のライバルと見ています。

横浜FCの今シーズンの戦績は?

横浜FCはこれまで、7勝4分4敗の勝ち点25です。

横浜FCの2024年の戦績

開幕後は引き分けが2回続いてのスタートでしたが、その後連敗がないなど、大きな好不調の波はなく、負けた試合もすべて1点差と堅実なサッカーをしている印象です。この2試合は千葉・熊本にアウェイで勝てていませんが、シュート数もボール支配率も相手を上回っていました。
前回ホームの水戸戦では、後半に相手を圧倒して2-0と圧勝でした。

J2順位表 第15節終了時

第15節終了時の順位は4位。自動昇格圏の2位までは勝ち点差5と、食らいつきたい状況ですね。注目は失点数が20チームで唯一一桁となる9。清水にとってはこれで3回目ですが、リーグ最少失点のチームとの戦いになります。

チームスタッツを見てみましょう。

横浜FCのチャンス・被チャンスポイント

やはり、守備力の高さが際立っていますね。被シュート、被チャンス構築率、被ゴール共に1位。被攻撃回数は6位ということなので、攻め込まれてもシュートを打たせない守備ができているということですね。また攻撃についても平均以上のスタッツです。

横浜FC チームスタッツ

攻撃関連のスタッツとしては、CKが多いことはひとつ特徴としてありますね。これは福森というJ2屈指のプレスキッカーがいるからということもありそうです。
そして得点パターンを見てください。

横浜FCの得点パターンと失点パターン

なんとセットプレーから9得点と、全得点20点からPKを除いた17点のうち、半分以上がセットプレーからということになります。福森選手によるセットプレーは本当に脅威ですね。安易にゴール前でファールをしたり、CKに逃げたりするのは避けなければいけませんね。

横浜FCの予想スタメン・システムは?

横浜FCの予想スタメンは、前節熊本戦と同じになるのではと思います。

熊本 vs 横浜FC 横浜FCスタメン

唯一入れ替わる可能性があるのは、ユーリララ→和田のところでしょうか。システムは3-4-2-1です。相手によっては、両WGが下がって5バックを形成して5-4-1のブロックを組んできます。また前線から全員がさぼらずに対峙する相手を掴んでしっかり守備をするイメージがあります。
では注目選手を見ていきましょう。とはいっても、さすが昨季はJ1ということで力のある選手が非常に多いですね。

まずは福森選手

これまで7アシストの福森選手

現在アシスト数は7で、アシストランキングの単独トップです。

J2アシストランキング(5/17時点)

もともとの左足のキックの精度は高いものがありましたが、おそらく桐光学園の先輩でもある中村俊輔コートの指導を受けて、さらに磨きがかかっているのでしょう。
中でも圧巻だったのが、当時首位を走っていた岡山とのアウェイでの戦い。

なんと前半だけで、セットプレーからの3得点のすべてをアシスト。「ハットトリックアシスト」を記録しています。繰り返しになりますが、自陣でのFKおよびCKを与えることには細心の注意が必要になりますね。

次は、ンドカ・ボニフェイス選手

ハマの防波堤ことンドカ・ボニフェイス選手

あれどこかで聞いた名前のような?と思われた方、鋭いです。実は前節の対戦相手だった鹿児島のFW、ンドカ・チャールズ選手のお兄さんです。お兄さんは、FWではなくCBですが、本当にフィジカルが強い。前節の熊本戦でも大雨でピッチに水たまりが溜まる中で、ことごとく熊本の攻撃を跳ね返していました。屈強なCBですね。

続いて、井上潮音選手。(名古屋の井上詩音選手とは別人です)

横浜FC 井上潮音選手

年代別代表にも選ばれていて、東京V→神戸で主力として活躍し、昨季に横浜FCに完全移籍。ボールタッチの技術に優れる技巧派のボランチ。パワーが他のユーリララ選手とのバランスも非常にいいですね。

次に10番カプリーニ選手

横浜FCの10番カプリーニ選手

以前清水にいた「小さな巨人」フェルナンジーニョ選手を彷彿とさせるプレースタイル。

清水で活躍したフェルナンジーニョ

カプリーニ選手は、フェルナンジーニョと同様167cmと大変小柄(フェルは161cmと更に小さかったですが)ながら、重心の低いドリブルでピッチを切り裂き、時に鋭いミドルシュートでゴールを脅かす大変怖い選手。
見た目も若干「おっさん感(大変失礼)」あるのも愛おしい感じで似ていますよね。

続いて、伊藤翔選手

2010-2013年に清水に在籍した伊藤翔選手

2010年の途中から2013年まで3.5シーズン清水に在籍。高校から直接、プレミアリーグの名門、アーセナルのトライアルに参加し、当時のベンゲル監督から「和製アンリ」という高い評価を得たことで話題になりました。今でこそ、福田師王選手など事例が増えてきましたが、当時としては史上初の形で日本の高校から、日本でのプロキャリアを挟まずに直接欧州に移籍。当時フランス2部のグルノーブルに移籍します。ただその後は活躍の機会を得られず、2010年に帰国、清水に加入しました。
清水では、49試合8得点とそこまで目覚ましい活躍とはいえませんでしたが、その後横浜Mに移籍。2018年には、カップ戦含めて17ゴールとキャリア杯を達成しました。
横浜FCではトップ下としてカプリーニとコンビを組み、クロスに対してゴール間に飛び出すなど、これまで4得点とカプリーニと並びチーム得点王になっています。

最後に高橋利樹選手

国士舘大学で住吉選手と同期の高橋選手(14番)

3/25に出場機会を求めて、浦和レッズから期限付き移籍をしてきた高橋選手。横浜FCにとっては、昨季J2熊本で14得点とエース候補として加入した森選手の怪我の穴埋めということで両者のニーズが一致した形での加入となりました。
住吉選手がインタビューでも触れていましたが、実はこの高橋選手、国士舘大学時代に住吉選手と同期なんですね。上記の写真で3番・14番で肩を組んでいるのがそうです。
横浜FC加入後は1トップとして既に8試合先発。1ゴールを決めています。この住吉vs高橋も楽しみですね。

清水のスタメン予想は?

対する清水ですが、最大の焦点は乾の復帰、そして先発なのかサブスタートなのかですね。また相手が3-4-2-1のシステムに対して、清水はミラーで合わせに行くのか、あるいは4バックにするのかも注目ポイントだと思います。
私の予想は、試合の中で3バックと4バックを可変できる、つまり臨機応変なポジショニングに長けている原と矢島を先発で起用。4-3-3を基本としながらも、流れの中で3-4-2-1のような形で可変させるようなそんな戦い方を仕掛けるのではないでしょうか。セットプレーでの高さ対策としても、高橋・住吉に加えて、原が入ることは大きなプラスになるはずです。

清水のスタメン予想(攻撃時)

攻撃時は4-3-3で相手の3バックの脇のスペースを早めについていくイメージ。

清水のスタメン予想(守備時)

守備時は3バック気味に構えて、2CBが相手のトップ下をしっかりと捕まえに行く。矢島の運動量が大変なことになりそうですが、流れの中でスライドしたりできたら面白いと思います。

そして後半15分くらいに、乾と吉田あたりを投入してミラーゲームで守備も攻撃も押し切る。

清水のメンバー予想 後半15分~

最後はタンキと松崎と北爪を入れて、カウンターでの追加点を狙う。

清水のメンバー予想 終盤

そんなことを考えるだけでワクワクしますね。

サブは、沖・吉田・北爪・西澤・乾・松崎・タンキを予想します。

最後に

次はJ2も第16節。折り返しまで残り4節となり、前半戦で「圧倒的」首位というポジションを獲得し、他チームに半ば諦めを与えるためにも、この試合で勝つのか、負けるのかでは大きな違いがあると思います。それだけ重要な一戦です。
鍵になるのはとにかく先制点。逆に嫌なのは、先制点を奪われたり、終盤まで0-0の状態が続いて、セットプレーなどで良い時間帯に点を奪われてしまうこと。先に先制点を取れば、横浜FCも前に出るしかなくなり、こちらとして追加点を奪える確率は増えるので、先制点が大事。もちろん乾を途中起用することができれば、硬直状態を打破する武器にはなります。ただそこに甘えず、前半戦の前半のうちに試合を決め切るようなインテンシティが必要だと思います。
次節はホームでの水戸戦で日曜日開催ですので、中7日間あります。休養は取れるはずなので、この試合にすべてをかけて、絶対に勝つんだという気持ちで勝ち点3を奪って欲しいですね。

キックオフは明日の14時です


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