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「豊かな生活にアクセスしてほしい」継続力とSNSを武器に、地方×デジタルを見据える

株式会社DERTA(デルタ)は、地方企業や地域に根ざした課題を「デザイン」「デジタル」そして、起業家・クリエイターが所属する「共創コミュニティ」の力で解決する会社です。
2022年に設立したDERTAには、3度の起業を経験した代表の坂井をはじめ、PM・UXデザインやマーケティング・SNS戦略など、さまざまな専門領域を持つメンバーが在籍しています。

今回は、営業・SNS運用などを担当する岩切さんにインタビュー。

財務コンサルティング、保険営業などを経て独立後2社の合同会社を設立。その後、2022年11月にDERTAに参画。「営業成績日本一」を達成した自らのキャリアを振り返りながら、DERTAに感じている可能性などを語ります。

岩切 健一郎
宮崎県出身、新潟大学人文学部卒。上場企業にて中小企業の財務コンサルティングとして勤務。その後、外資系生命保険会社を経て代理店に勤務しながら、発達障害者の金融支援を行う「合同会社ひなた」の代表も務める。FP1級、CFP®。


まっすぐ走る、やると決めたらやる

ーーー どのような学生時代を過ごされましたか。

よく言えば活発、悪く言えば落ち着きがない子どもでした。宮崎出身なのですが、小さいころは田んぼをかけまわっていました。中学はサッカー部。高校では「ラグビーは走れさえすれば大丈夫」という勧誘を真に受けてラグビー部に入部します。実は僕、発達障害があり同時にいくつものことをこなすのが苦手なんです。一方、走るのだけは得意でした。

高校まで宮崎で過ごし、大学は「雪が見たい」という理由で新潟大学へ進学します。宮崎はみぞれで大喜びするくらい雪が降らないんです。専攻は社会学。ある社会現象に対してなぜ発生したのかを追求する学問です。例えば、「天候が悪いと死亡率も高い」という事象についてデータを元に考えることも社会学の範囲と言えますね。結果から仮説を立てて、原因を推測する学問。授業も面白かったです。

大学時代は、新潟総踊り実行委員会に入って本気で打ち込みました。「けんちゃん、本気で総踊りやろうよ」と誘ってくれた先輩がいたんです。見学してみて、衝撃を受けました。社会人も在籍する団体だったのですが「本気になっている大人」を多分ここではじめて見たんですよね。大人になってから本気になれるのってかっこいいじゃないですか。「この人たちと一緒にお祭りをつくりたい」と思い、結局ガッツリのめり込みました。他にも、地元の宮崎と新潟間をヒッチハイクして3泊4日で移動したり、充実していましたね。

1年で3年分の会社

ーーー その後の進路はどう決まったのでしょうか?

実は僕、小学校の時に家が売られる経験をしています。父が、叔父の会社の連帯保証人になっていて。その会社が倒産して2億円の借金を被ってしまったんです。そこから極貧生活になり、塾通いなんてもってのほか。企業が倒産するとその家族にまで影響を及ぼすことを身をもって知りました。この経験から、中小企業を救える会社に入ることが就活の軸でした。

結果、「1年間で3年分成長できる会社」というフレーズに惹かれて東京のコンサルティング会社に営業として入社します。実際に働き始めてみると「1年間で3年分の時間働く会社」でした(笑)朝は8時から、夜は終電に駆け込む毎日。土日も出社していたので360日くらいそんな生活でしたね。

あまりの生活に2年目に転職活動をはじめ、リクルートに内定をもらいます。ただ、何もやりきっていないまま転職していいのか迷ってしまって。当時、成績は下から数えた方が早いくらい。もう1年、本気でやってみようと心を入れ替えて在籍継続を決めました。

その後、3年目で「営業成績日本一」になります。きっかけとなったのが、在籍継続を決めたのちにはじめた読書でした。1日1冊本を読むまで寝ないルールを自分に課したんです。平日は薄い歌集でもいいので本当に毎日1冊。休日に少し厚めの本を読んだりする生活を送りました。遅い日は朝5時くらいまでかかってしまうことも。結局体調を崩してしまい辞めてしまったのですが、仕事ばかりしている空虚さは全くなくなりました。同時に、考えるクセがつき現状の言語化ができるようになったんです。

例えば、転職。転職活動をしていたころは、何が嫌だったのかきちんと言語化せずとにかく現状から逃げたい気持ちでだけでした。ですが、冷静になってみると中小企業から「救われた」と言ってもらえる仕事内容は好き。ハードな働き方だが株価も上がっていて働く人も人間的に良い人ばかり。「もしここで成績を出せたら?」と考えたら、僕にとっていい会社だったんですよね。結局、自分の能力が低いことを他責にしていたことに気づきました。

「日本一」の理由は、思考量と行動量

それからは、とにかく自分の能力を上げることを考え行動しました。営業成績日本一になれた理由は3つあると思っています。

1つ目は、読書による営業手法のスキルアップです。以前は「商材をどう提案しよう?」が思考の中心でしたが、顧客の話をとにかくよく聞いて課題と商材のブリッジさせることに集中するようになりました。最終的に、この手法を広めてほしいと全社向けに研修を開催するに至りました。

2つ目は、紹介代理店制度の導入です。これまで顧客から顧客を紹介してくれたときに特にインセンティブがなかったんです。一人の社長がポロッと「お客さんを紹介した時にお礼とかもらえないの?」と言われたことがきっかけでした。確かに、そういった制度がなかった。上司を説得した結果、10%のキックバックをつけた紹介代理店制度が採用されて。これにより、営業コストをかけずに成績UPにつながりました。

3つ目は、とにかく行動しました。セミナーに申し込んだが当日参加されない方って結構いるんです。そういう方のリストを作って、車を走らせてセミナー資料だけ届けに行ったり。他の人がやらないようなことを地道にやり続けました。最後はやっぱり行動量ですね。

全国で一位を取ればやりきったと言ってもいいだろう、と思い外資系生命保険会社への転職を機に新潟に戻ります。新潟にはいつか帰りたいと思っていました。大学時代熱狂した総踊りの仲間たちにお世話になったので、新潟で恩返ししたいという気持ちが強くあったんです。

この生命保険会社では、営業スキルを生かしながら「お金に困る人を助けたい」という気持ちで7年半勤めます。その後、保険代理店に移りそこに所属しながら、自身の経験をもとに発達障害者向けの金融支援会社を設立したりしました。

何をよりも、誰とやるか

ーーー DERTAジョインのきっかけは?

DERTA CEOの坂井さんとの出会いは転職で新潟に帰ってきてからです。総踊り実行委員の後輩と坂井さんが知人だったこともあり、いつの間にか顔見知りに。卒業後も、保険の相談にのらせてもらったり、僕が会社を立ち上げた時はLPを坂井さんに作ってもらったりと、しばしば接点がありました。

https://hinata-hoken.com/service/development-disability/

2022年秋ごろ、DERTAを立ち上げた坂井さんから「一緒にやりませんか?」と声をかけてもらって。報酬など詳細も特に聞かずに、二つ返事で承諾しました。坂井さんとは、人はどういう時に感情が動くのか?など会うたびに哲学的な話をすることが多くて。気が合うんです。人柄はわかっていましたし、この人となら何をしても楽しそうだと思って即決しました。

いまDERTAでは、営業やSNS運営などを担当しています。実は、DERTAに誘っていただく前、坂井さんが「Twitterを強化したいな」とポロっとこぼしていて。僕は自分の会社の方でSNSマーケを経験していたので、頼まれてもいないのに「こうすれば伸びるのでは?」という絵を勝手に描いていたんです。参画後、それを実践する形でTwitterを運用してみたところフォロワーが1ヶ月で100人ほど増加しました。まだまだこれからですが、滑り出しは良いと思います。

DERTAでは、いつも勉強させてもらっています。これまでとは全く異なるデザイン領域での経験はとても新鮮です。Slackやmiro、Notionといった新しいツールの活用をはじめ、行政との動き方などこういう世界があったんだと発見の連続です。

ーーー いまDERTAが新潟に必要な理由をどう捉えていますか?

新しいツールや技術に触れる嫌悪感や苦手感は地方ほど強いと思います。その格差を無くしていけるのがDERTAだと思っているんです。

DERTAは、広義の「デザイン」をテーマにした勉強会「DERTA JAM」やエンジニア同士がキャリアをテーマにした勉強会「DERTA GIG」などのリアルイベントを開催し、コミュニティを有しています。こういった場でSNS交換するのって当たり前だったりしますよね。この新しいつながりを得たSNSを、世界が広がるきっかけにして欲しいんです。

僕自身がそうだったのですが、SNSを通じて情報感度が高くなり、これまで知り得なかった情報にアクセスできるようになるんです。デジタルに繋がることで生活が豊かになるんです。そんなきっかけをDERTAが作れるといいなと思っています。

僕の強みって、続けられることだと思っています。noteを365日投稿しつづけたり、Instagramも4〜5ヶ月投稿しつづけたり。コツコツ継続した先に、明るい未来が待っていると信じられる力が強みです。あとは、本気になれること。大学時代に総踊りを全力でやったこと、多忙な社会人生活で1日1冊本を読んだこと。これらは、いま僕の財産になっています。

DERTAを通じて本気で取り組み、本気な人たちに会って基準を上げる経験をする人を増やしていきたいですね。