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私はなにと闘っているんだ?

悔しすぎるしもうどうしていいかわからないので、ここに思いの丈を記録する。

サッカーワールドカップで日本がスペインにまさかの勝利を遂げた瞬間、私はベッドの中で38.6℃の高熱にうなされていた。

先月長引いた風邪からやっと復帰したばかりのこの仕打ち。今度こそは長引かせるわけにはいかん!!仕事がシャレにならん!と、病院にすぐ行き薬をもらい(PCRは陰性)3日ほどまるまる寝込み、これでもかというくらいの睡眠をとり全力で回復に努めていたのだ。

しかし結果はどうだ。

月曜日の今日、スリムクラブの真栄田のようなガッスガスの声で朝を迎える。熱は36.8〜37.7℃を上下している。

そう、敗北したのだ。

こんなに何回も風邪引いて、3日以上治らないとか、これまで一度も無かったぞ!どう考えてもおかしすぎるだろ!これは何か別の病気が隠されているかもしれない!と不安に思った私。
薬をもらった病院に電話で、「大きい病院で精密検査したいから紹介状を出してほしい」とお願いする。
もちろん、ガッスガスの声で、だ。

しかし、返答はこうだ。
「その症状で紹介状は出せない。総合病院で紹介状無しでも検査してくれるところあるからそこに…」

おい、待ってくれ、ネットに紹介状無しでは高額になり待たされると書いてある。なんということだ..

よし、しょうがない。前に風邪をひいた時に診てもらった別の病院にも電話して紹介状をお願いしてみる。
丁寧な看護師さんがこれまでの経過を事細かく聞いてくれる。
私はガスガスの声で、必死になってこれまでどれだけ風邪が長引いてきたかを説明した。

「なるほど、大変でしたね。それでは、医師に確認してきますね」
と看護師さん。

ありがとう。そう、大変だったんだ。私はもうダメかと思ったよ。でもあなたに丁寧に聞いてもらえてよかった。ありがとう。やっと精密検査が受けられるよ。ガスガスのボロ雑巾のような声を振り絞って話した甲斐があった...。と満足感に浸っていたところ、
「あ、お待たせしました。今医師に確認しましたところ、紹介状は出せないと。紹介状無しでも検査してくれるところがあるのでそこに....」

なぁんでじゃぁあい!!!

そうか、そうなのか。紹介状ってそんなに書くのハードル高いのか。それならしょうがないよな。むしろ無理言ってすまなかった。かたじけない。

優しい看護師さんが、この総合病院でなら、紹介状無しでも高額にならずに検査してもらえますよという病院を教えてくれた。

そうか、そうだったのか。最初から、この総合病院に電話して精密検査したいってお願いすればよかったんだな。は〜遠回りしたぜ。
この時もうすでに声は98歳くらいの大爺の声と化していた。

そして、私は教えてもらった総合病院に電話した。最後の頼みの綱だ。するとどうだ。
「ただいま、大変混み合っております。このままお待ちいただくか、しばらく経ってから...」
そうか、総合病院だから混んでるのね。よしこのままスピーカーホンにして、仕事のミーティング耳だけ参加しながら待っていよう。

そして仕事のミーティングがちょっと盛り上がってきたころだ。

「はい、◯◯病院です」
「えっあ!はい!もしもし!」(ガス声)
「あ、◯◯病院です。いかがされましたか?」

油断していた。ミーティングには声が出せないという理由でチャットを送っていたので、全神経をそちらに集中させてしまっていたのだ。

こんなふうに伝えようと考えていた言葉も頭からすっかり抜けていた。

「いやあのですね、風邪をひきまして...それがひどく長引いてまして...こんな声になるほど...それで、精密検査をしたいのですが...あ、PCRは陰性で、別の病院で診てもらって...」

最悪である。もう、話す順番もめちゃくちゃだし、なんだったらこの98歳の掠れ散らかした声に相手もかなりドン引きしている。

「は、はぁ...。えっと、もう診察は終わってるんで、明日またかけて頂いて、精密検査も問診受けてもらった上で必要なら、ということになってしまいますが...」

なんとも冷ややかな対応である。
私にはわかる。完全に引いている。

多分だが、受付の電話の方は、痴呆のおじいさんか誰かがかけてきていると思ったんだろう。
終始、変な人をなだめるような口調だった。

私は変な人じゃない、ただ精密検査が受けたいだけなんだ。

悲しい。こんなに惨めで辛い思いになるなんて。
私は最後の声を振り絞って言った。
「はい、わかりました...明日また朝に電話させて頂きます...」

そうやって、今日私の1日は終わった。
今日に続き明日もまた仕事を休み、総合病院に電話する。
果たして精密検査は受けられるのだろうか。
いやむしろ、精密検査を受ける必要性すらよくわからなくなってきた。
そんなことしているうちに、体調が良くなってしまいそうだ。

いや、良くなってほしいのだが。

しかし、なんかどうにもこうにも腑に落ちない。

私は風邪と闘っていたはずだ。
なのにもはや途中から、何と闘っているのかわからなくなった。
この気持ちわかってくれる人はいるだろうか。


最後まで読んでくれてありがとう。
早く治します。

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