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AIの時代を生き残るためには創造力が必要だと思った話

 今、まさに時代が変わる転換期を迎えていると思います。そう、AI技術の台頭です。ある人は産業革命以来の大変革とも表現しますし、インターネット以来の最大の発明という表現をされる方もいらっしゃいます。

 私もそれらのことについて本当にその通りだと思っています。正直、時代が変わると思いますし、まさに今がその重要な瞬間だと思います。

 時代が変わるときは新たなスキルや能力が求められますよね。正確には、必要なスキルや能力が変化するという表現が正しいのかもしれません。

 産業革命のときは機械の操作や工場労働に適応するスキルが、インターネットにの時は検索エンジンの使い方など、ITリテラシーのスキルが求められるようになりました。

 それでは、AIによって次のフェーズへと移行するであろうこの時代。私たちには何が求められるのでしょうか。それは「創造力」だと思っています。


 今、最前線でAIを活用する人々が持っている共通点は、「AIを使って何かを実現したい」という強い情熱だと思います。それは、クリエイティブな表現をしたいという思いかもしれませんし、日々の面倒な作業を楽にしたいという思いかもしれません。

 例えば、AITuberなどを作っている人は、新しい表現方法を模索しているのでしょうし、「AIアートグランプリ」などのコンテストに参加する人は、AIを使って独創的な作品を生み出したいと考えているのだと思います。

 一方で、APIを組み合わせてプログラムを書く人は、日常的なタスクを自動化し、効率化したいと思っていたり、APIを組み合わせることでしか作れない何かを作ろうとされているのかもしれません。

 つまり、AIを使いこなしている人は、「何かを変えたい」「何かを生み出したい」という明確な目的意識を持っているのです。とりあえずAIを使えば良いというわけではありません。というか漠然と“AIを使う”というのは逆に難しいと思います。

 目の前にノコギリだけがあって、“ノコギリを使いましょう”というのはとても難しいですよね。切りたい木があるからこそノコギリが使えるのです。そして、切り出された木には価値が生まれます。AIも同じです。AIもノコギリと同じく、あくまでも道具であり、その道具を使ってどんな問題を解決し、それを使ってどんな価値を生み出すのかが重要なのです。

 私たちはAIという新しい技術、そして新しい道具を前に、「何をしたいか」を考え、そのために「何ができるか」、そしてその実現に向けて情熱を燃やす。そういった姿勢こそが、AIを使いこなすための鍵になると思いました。

AIを使いこなすために必要な姿勢とは

 まず1つは、現状に満足せず、常に改善の余地を探る姿勢です。「もっと楽をしたい」、「こういう風に表現したい」といった思いを持ち続けることが大切でしょう。先ほども書きましたが、AIはあくまでも道具であり、その道具をどう使うかは人間次第です。”AIを活用して何かを成し遂げたい”という強い意志が必要不可欠でしょう。そして、それは人間にしかできないことです。

 2つ目は、プログラマの3大美徳の1つとしても登場する「怠惰」です(ちなみに残り2つは「短気」と「傲慢」です。これもまた面白いですよね)。これは、「ダルいから怠けよう」というわけではなく、「同じことを繰り返すのは面倒だから自動化しよう、効率化しよう」という姿勢を指します。AIを活用する際にも、この「怠惰」が重要な役割を果たす気がします。単純作業はAIに任せ、人間はもっと創造的な仕事に専念するということですね。

 3つ目は、失敗を恐れないことです。AIを活用する際には、試行錯誤は付き物です。うまくいかないこともあるでしょう。それでも何度も試行錯誤していく。想定通りの出力が得られなかったとしても工夫し、改善につなげる。そういった姿勢が必要なのだと思いました。

 私はこれが人間にしかできない役割であり、到来しつつあるAI時代に求められる姿勢、そしてこの先の時代を生き残っていくための基本能力だと思うのです。

 しかし、こういった姿勢以上に大切なのは、“クリエイティブな思考を持ち続ける”ことだと思います。

クリエイティブな思考を持ち続けるとは

 私の友人は、「AIが全部仕事をしてくれて、人間は芸術活動のようなクリエイティブなことだけに専念できるような時代になって欲しい」という話をしていました。

 確かにそれは理想の未来です。私も無限にこういったnoteを書いて暮らしたいです。ただ、完全に芸術活動だけに専念するのは難しいかも知れません。しかし、私は、AIを使った仕事そのものもクリエイティブな行為であり、そう考えるとすでにそれは実現されつつあるのではないかと思い始めました。

 例えば、AIを活用して業務を効率化するには、現状の問題点を把握し、どう活用すればその問題が解決できるのかを考える必要があります。問題解決のためのクリエイティビティが求められるのです。

 また、AIを活用して新しいサービスやプロダクトを生み出すには、人間ならではの発想力と創造力が欠かせないと思います。AIは膨大なデータから最適解を導き出すことができますが、そもそもどのようなサービスやプロダクトが人々の心を掴むのか、人々がどのようなことに困っていて、どのようなことを求めているのか。そして、求めている人々にどのような価値を提供すべきなのか。それは、人間にしか判断できません。

 AIが主流になる時代に求められるのは、AIを単に使いこなすスキルではないと思います。AIを活用しながら、いかに人間ならではのクリエイティビティを発揮できるか。それが、これからの時代を生き抜くための鍵なのだと思います。

 もちろん、そのためには、AIについての理解を深め、その可能性と限界を知ることが大切です。そして、AIを活用するためのスキル、例えばプロンプトエンジニアリングなどを身につけることも重要でしょう。

 「7つの習慣」という本に、「刃を研ぐ」という話が出てきます。これは、作業に入る前に、まず道具を整えることの重要性を説いた話です。例えば、のこぎりで木を切る前に、まずはのこぎりの刃を研ぐ。そうすることで、作業がスムーズに進み、良い結果を生み出すことができる。AIを活用する際にも、同じことが言えるのではないでしょうか。

 AIを使いこなすスキルは、まさに「刃を研ぐ」ことに相当します。プロンプトエンジニアリングを学んだり、APIを使ってプログラムを書いたりすることは、AIという道具を自在に使いこなすための準備作業です。

 しかし、いくら刃を研いでも、切るべき木がなければ意味がありません。AIを活用する際にも、同じことが言えます。AIという道具を手に入れただけでは不十分なのです。その道具を使って、何を成し遂げたいのか。解決したい問題や、生み出したいクリエイティブなアイデアがなければ、AIの真価は発揮できないでしょう。

 つまり、AIを活用するには、道具を持つことと、その道具を使って実現したいビジョンを見つけるクリエイティブさを持つこと。この両輪が揃ってこそ、AIの可能性を最大限に引き出すことができるのです。

 AIというツールを学び、使いこなすスキルを身につける。そして同時に、そのツールを使って解決したい問題や、生み出したいクリエイティブなアイデアを常に意識する。AIの時代を生き抜くには、このバランス感覚が求められているのかもしれません。

 AIが主流になることで到来する新しい時代には、人間のクリエイティビティが真に問われるのかもしれません。AIと共に歩みながら、人間ならではの創造性を発揮する。それが、これからの時代を生き抜くために求められているのではないでしょうか。

ライター:咲文でんこ

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