見出し画像

連想英単語#9 『膨れる』

大勢の前でスピーチしたり、好きな人が前にいると緊張して、”ドキがムネムネ”、いや胸がドキドキすることがあります。心拍数は、自律神経によってコントロールされています。自律神経には交感神経と副交感神経があって、不安・緊張状態にあると、交感神経の働きが高まり、筋肉が緊張して、血圧や心拍数があがり、呼吸が浅くなります。これがドキドキの正体です。

”ドキがムネムネ”は、ネエチャンをチャンネエと呼ぶような”言葉の入れ替え”による言葉遊びです。最近では、『クレヨンしんちゃん』の歌の歌詞に使われたらしいのですが、オリジナルは昭和のコメディアン・トニー谷さんの持ちネタでした。クレヨンしんちゃんの歌詞のことは知りませんでしたが、ソロバンを持ったトニー谷さんのことは覚えています。

白黒画像が昭和感を醸し出すトニー谷さんの肖像

”胸がドキドキする”を英語で表現すると、My heart is thumping. となります。この表現中の動詞 thump は、”膨れる”と言う意味の語幹を持つ thum/tum が含まれています。前置きが長くなりましたが、今回は”膨れる”を語幹に持つ英単語の紹介です。

最初の単語は tum で、意味は”お腹/ぽんぽん”です。tumの幼児語であるtummyも同じ意味です。お腹は、体の中心部で”膨れた”部分です。tum-を語幹に持つ単語には、tumor(はれ物)やtumult(大騒ぎ/暴動)などがあります。

次の単語は thumb で、意味は”親指”です。親指は五本の指の中で最も太く、”膨れた指”です。そのため親指は、thumbと呼ばれるようになりました。tumulus の意味は”塚/古墳”です。塚は、土をこんもりと盛った膨れた形状をしています。

変わった単語では、結核の判定に使われるツベルクリン反応や、その注射を表すtuberculin もこれらの”膨れる”仲間です。ツベルクリン注射を打つと、結核の場合にはその場所が赤く”膨れあがり”ます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?