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”コン”で、日本語がコン乱しています。

キツネの鳴き声は”コン”と表現されますが、今回はキツネの話ではありません。元々の語源は英語ですが、省略して使われる”コン(com-/con-)”のことです。ラテン語の接頭辞 com-およびその変化形con-(col-;cor-)の意味は、”共に”や”完全に”などになります。

最初はコンピュータ(computer)のコンです。よく使われるのはパソコンです。パソコンはパーソナル・コンピュータ(personal computer)の略称です。昔は私的に利用できる自分のコンピュータの意味でマイコン(my computer)が使われた時期もありましたが、今は別の意味のマイコン(マイクロコンピュータ;micro computer)として使われています。

次は、”複雑な恋愛感情”を表わすコンプレックス(complex)のコンです。このコンは意外とよく使われていて、マザコン(マザー・コンプレックス;mother complex)やロリコン(ロリータ・コンプレックス;lolita complex)の他にも、ブラコン(brother complex)、シスコン(sister complex)などがあります。

三つめは、コントロール(control)のコンです。これはリモコン(リモート・コントロール;remote control)やラジコン(ラジオ・コントロール;radio control)です。リモコンは、テレビやオ-ディオ機器などで使われていますし、ラジコンはドローンの操縦に使われています。

別の意味のコンには、エアコン(エアー・コンディショナー;air conditioner)やミスコン(ミス・コンテスト;miss contest)などがあります。ここまでは、英語+英語の略称でしたが、ここからは日本語+英語の略称です。

この種のコンで最も使われているコンは、コンパの省略形であるコンでしょう。コンパは、仲間と親睦を深めるために行う飲み会のことで、主に日本の学生や若者が使う俗語です。その由来は、英語のcompany(またはドイツ語の Kompanie、フランス語のcompagnieなど)と言われています。このコンパのコンは、合コン(合同コンパ)や街コン(街でのコンパ?)で使われています。

これ以外にも、おわコン(終わったコンテンツ)、生コン(生のコンクリート)、Nエヌコン(NHKコンクール)などがあります。コンがつく英語が多すぎて、日本語がコンランしています。

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