見出し画像

寡黙な人は語学に不向き

仕事で英語に触れる機会が頻繁にありますが、英会話はいまだに苦手です。別の記事で書いているように、1年ほどアメリカに住んでいましたが、それでも英会話が上達しませんでした。今は当時よりはマシな英会話(もどき)ができますが、それでも全然上達していません。しかし、私なりの英語上達法が経験的に体得できたので、皆さんに教えたいと思います。

矛盾しているようですが、英語をしゃべれるようになるためには、英語をしゃべらなければなりません。どういうこと?と思われるかもしれませんが、英語をしゃべることが英語の上達法なのです。例えば、ピアノを弾きたいと考えてみて下さい。ピアノを弾くためには簡単な練習曲から始めて、少しづつ難易度を挙げていきます。英会話もこれと全く同じです。いくら耳が良いクラシック曲のファンでも、同じ曲を何万回聞いても、それだけではその曲を弾くことはできません。

私は人見知りで、日本人にもうまく声をかけられないため、現地のアメリカ人には気軽には声をかけられませんでした。どうしても必要な時以外は、人としゃべらないようなことが続きました。これが英会話の上達を妨げました。

英会話の上達ためには、必要最低限の文法的な知識は必要です。ただし、多くの場合、それは中学生レベルで十分です。下手でも兎に角『話す』ことが英会話(英語)の上達法です。寡黙な人は語学には不向きです。ですが、裏を返せば、”おしゃべりな人は語学に向いている”のです。私の知り合いの英会話が上手な人は、例外無くおしゃべりです。寡黙な人で英会話がうまい日本人には出会ったことがありません。

しかし、心配ご無用!。おしゃべりか、そうでないかは”語学の才能”の問題ですが、『しゃべれば上達する』のです。現に、アメリカ人やイギリス人はみんな英語がしゃべれます。アメリカ滞在時には、積極的にコミュニケーションをとることができずに、英会話はほとんど上達しませんでした。しかし、帰国してしばらくたった頃、仕事で強制的に英語に触れる機会が多くなりました。その頃から、前より少しだけ英語がわかるようになってきました。

最初は下手クソな英語しか話せないことに、コンプレックスがありましたが、仕事なのでそんなことも言っていられません。下手でもしゃべらないわけにはいかないのです。発音がおかしな英語でも、しゃべっていくうちに、不思議なことが起こりました。スピーキングはあまり上達しませんでしたが、リスニングが上達したのです。

それまで、呪文のようだった英語が、少しづつですが聞き取れるようになっていました。その頃から、今まで音声としてしか聞こえなかった洋楽が、英語の歌として聞こえるようになりました。最近の英語の歌はスピードが速いので、一部しか聞き取れませんが、それでも歌詞の端々に出てくる英単語がすこしづつ聞き取れるようになりました。

英会話の上達には、真似てしゃべることが必要だと実感しました。英語圏の赤ちゃんたちも、最初は英語がしゃべれません。しかし、お母さんお父さんのマネをしてしゃべっていくことで、英語を身に付けていきます。英語ネイティブでない人にも、同じことが必要なのです。

英語のリスニング教材で、『聞くだけで英語がしゃべれる!』類のものは、基本的には初心者には不向きです。これらの教材が有効なのは、ある程度英語がしゃべれる人です。リスニング教材は、このようなしゃべれる人がもっと上手にしゃべるための教材です。英語初心者は、絶対に手を出してはいけません。

英会話の習得で、最も気を付けないといけないのは、英単語のアクセントと文章の抑揚です。これがマネできるだけで、英単語の発音がひどくても、英語らしく聞こえます。これらがマネできた後に、単語の発音を勉強しましょう。ただし、日本語と英語では発音の単位が違うので、要注意です。

日本語の発音の基本単位(音節)は”子音+母音”ですが、英語の場合は”子音+母音+子音”です。catは猫という単語で、英語では一音節なのですが、カタカナ英語風に発音すると”キャッ”+”ト”に分解できるので2音節です。日本人の頭には”子音+母音”という音節単位(モーラ)が染みついているので、英語の発音がうまく出来ないのです。これを払拭するためには、反復練習しかありません。

長々と書いてきましたが、『しゃべる』以外に英語の上達法は無いと思っています。具体的には、This is a pen. みたいな基本的な英語の文章を見ながら、母語話者(英語ネイティブ)の人の発音を聞き、次に声を出して文章を読む。つまり、目(英文)⇒耳(ネイティブ発音)⇒口(しゃべり)⇒耳(自分の発音)の連携、これの繰り返ししかないと思います。この一連の流れで、脳内に”ネイティブの発音と自分の発音の関連性”が記憶されていきます。自分がしゃべったことのない単語が聞き取れないのは、このような理由があるためです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?