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連想英単語#6 『切断する』

 ギリシャ語tomosが基となるtomtomoを語幹に持つ英単語が結構あります。tomosはslice(切断する)と同じ意味を持ちます。

 atomは、否定を表わす接頭語atom(切断する)がくっついた単語で、これ以上切断できないモノ、つまり原子を表わします。atomの関連語に、atomic(原子の)やatomize(粉々にする/粉末にする)などがあります。

 医学分野では、anatomy(解剖学)という単語があります。これは、ana(上げる)+tom(切断する)+y(こと/もの)で出来ています。この関連語には、anatomist(解剖学者)があります。また、tomy(手術)が語幹となる医学用語は200以上もあるそうです。例えば、lobotomy(ロボトミー)などがそれに当たります。ちょっと面白いものに、autotomyという単語があります。これはauto(自身で/自動で)+tomy(切断すること)から予想できるように、トカゲの尻尾の自切のことです。

 NMR-CTやX線CTのCTは非侵襲の医療検査装置ですが、Computed Tomographyの略語です。これは、コンピュータを使った(体の)断面画像を撮影する装置です。この断面図を意味する英単語tomographyにも、tomoが使われています。断面図を表わすtomographyは、その他にもPET(Positron Emission Tomography)などに使われています。

 トミー・ジョン手術(Tommy John Surgery/側副靱帯再建術)は、肘の腱や靱帯の損傷・断裂に対する手術で、1974年にフランク・ジョーブによって考案されました。この名称は、初めてこの手術を受けた投手トミー・ジョンにちなんで、こう呼ばれています。たしか、大リーグで活躍中の大谷翔平選手も、この手術を受けています。

 手術を最初に受けた人がTommyなのは偶然でしょうが、英語圏の人ならTommyからtomy(手術)を想像するはずです。私の勝手な憶測ですが、Tommy Johnには人名と、”ジョンの手術”という二重の意味があるのではないかと考えています。

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