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BIM関連記事。「BIM1000本ノック──BIMに対する解像度を上げるために」を読んで

普通記事を一つ読むごとにブログなんて書いてたら、時間がいくらあっても足りないのですが、幸か不幸か、BIM界隈には本当に情報が少なくてBIMって結局なんのこっちゃわからないのです。

だからきちんと考え方の部分が載っているこういう記事は大事にしないといけない。しかもこの記事にはいくつもの示唆が織り込まれていて勉強になります。

ただいかんせん、やはり話は大規模建築をベースに話が進んでいきます。住宅設計というよりは大型ビル、空港あたりでしょうか。しかも記事中にはあまり大きすぎるとヨクナイような記述も。

形は素直な長方形。超高層ではなく3〜4階建てで10,000平米以下、というあたりがひとつの目安になります。

10,000平米以下に抑えろって、、、住宅からしたら天文学的数字ですよ。

まぁ兎にも角にも、住宅も高層ビルも同じ建築物ってことで、学べるところは学びましょう。

BIMそのものがまだまだ発展途上

SketchUpどうこうではなく、結局のところそういうことです。でも別にソフトの使い勝手どうこうというより、どうやって仕事を進めるか、どうやって関係者のコミュニケーションを図るか、どうやって情報を共有していくかに苦心しているということ。

住宅設計業界の何が課題って、各実務家の所帯が小さすぎて、そのノウハウどころか、課題すら他者とは共有されづらいということ。どの設計事務所、工務店も日々の資金繰りだったり、営業課題だったりが優先事項なので、図面の書き方とか、職人さんへの伝達なんて言うのは、ちょっと力技を駆使すればどうにでもなってしまう優先度の低い話なんです。

この辺はやはり大手企業の強いところです。業務効率化っていうのは立派に営業利益率改善へ寄与してくれますから。

社会としての3Dデータの共有化

いくつかコメントに記載があったんですが、正に社会として、3Dデータの外観情報ぐらいは共有化すべきなんじゃない、と思います。

更に行政は確認申請を受けるんだから、公開するかどうかは別にしても、もう少し詳細なデータもきちんと何らかの形として保存しておくべきなんじゃないかと。

外形の3Dモデルだけでも全国共通のプラットフォーム(Google Earthでもなんでも)に公開して、詳細モデルが必要な場合はコンタクト先がわかるかたちになっているなど、情報が多目的に利用できる仕組みがほしい。

Google Earth連携とかマジでお願いしたい。

BIMデータの社会的・商業的な応用可能性は、じつはいますごく重要な領域。既存ストックのBIMデータをいかに社会ストックとしての汎用データとして提供できるかは、建築業界をあげて研究するべき。これからの都市計画や再開発は、そうした視点なしには成り立たない。

空き家情報とかも地方自治体管理ではもう限界なのではないかと思います。

これまでBIMに限らずデータ化された建物をどう社会インフラにしていくかという議論がある。アメリカから留学生が来て仕事をすると、日本には敷地周辺の3D建物データベースで無料のものがないことに驚かれます。

BIMの議論は、働き方、仕事の仕方の議論

BIMっていうと、一部からは新しい3DCADみたいに思われる節があるが、やはりこの記事内のディスカッションでも、データの管理方法であり、新しい働き方であり、新しいコミュニケーションのツール、つまり働き方改革?なのだということがわかります。

自分自身もBIMについては表面的なことしか知らないけど、未だにハンコとFAXがはびこる世界っておかしいと思うんです。

こういう新しい”考え方”が浸透すればそういった旧世界の遺物も漏れなく淘汰してくれるのではないかという淡い期待があるのかもしれません。

他にも色々と示唆はあったんですが、とりあえず今日はこの辺で。

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