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寶登山神社と奥宮へ。

二泊三日の小旅行の帰途に立ち寄ったのは長瀞町にある寶登山(ほどさん)神社。これで秩父三社のイージーツアーは完了になる。この日はぐんぐん気温が上がるという予報、前日に三峯山のミストを浴びていた身体は果たして大丈夫か。涼しげな風鈴に送られて宿を出る。

風鈴の音が涼しげ。

いきなり話はそれるが、前の晩に宿の屋上でスタッフの解説による星空鑑賞会があった。何人位参加するのかと思いきや20名ほどが集まってなかなかの盛況。星座に詳しい男性のスタッフが、星占いの話を交えながら面白おかしく解説してくれるのだが、漫才コンビのナイツ・土屋が話しているようでいつ暗闇から塙が出てくるかとドキドキしてしまった。おかげで知識はこれっぽっちも増えてないまま。チェックアウトの手続きも土屋氏だった(だから違いますって)。

気温はどんどん上昇。

長瀞駅からほど近いとあって参拝客も少なくない。ヤマトタケルが東征の時に燃えさかる火を消したという伝承から「ほどさん」は古来は「火止山」と表記されていた。神話の世界を知る前に手塚治虫の「火の鳥」を知ってしまったので、残念ながらこうした英雄譚に心を動かされることはない。

10時を過ぎ予報通り、太陽がじりじりと照りつけてきた。ここは山上の奥宮までロープウェイで行ける。「山麓駅まで歩いて10分位ですよ」と社務所で教えられる。歩いてみると心臓にはいちばんキツいだらだらと続く上り坂で、駅に着くや否やベンチに座り込んでしまった。情けないがもうこういうカラダなのだから仕方がない。

ロープウェイはものの5分で山頂駅に到着。ここから数分歩けば奥宮に着く。風の通る見晴らしのいい参道を歩くのは気持ちがいい。昼も近いので「お食事処」とあるレストハウスで蕎麦でもと思い店の人に聞くと、もうソフトクリームとかき氷しかやっていないと済まなそうに話す。どうもあのウイルス以来らしい。街中の飲食店でもあの惨状だったのだからさもありなん、ガランとした店内でかき氷をいただいて奥宮へ向かう。

心地よい空間の奥宮。

寶登山は標高500mにも満たない低山。奥宮は山麓とは打って変わって薫風がさわやかに通り過ぎる。境内に売店があり、年配の女性2人が切り盛りをしている。みそ田楽を頼むと、余っていたこんにゃくがあったからと1本余分にいただいた。おお神の思し召し。空腹だったのでございますとありがたく頂戴する。

ツツジはもう終わり。
寶登山から山腹を削り取られた武甲山を臨む。

山上には小動物公園があり、サルなどがいるらしいのだが三日間歩き疲れたのでこれにて秩父の旅は終わり。復路のロープウェイにはおそらく動物たちを見てきたのであろう幼稚園児たちが同乗してきた。

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