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続・23歳の娘とようやく化粧の話ができるようになった〚大人になっても編〛

下戸の暮夜とは
夫なし、子は独立。
酒の飲めない40代が、ひとり過ごす昼夜を綴る生態エッセイです。
気付けば主に家族の話・・・になってます。
※お酒の話ではありません。


このnoteは、前回の続きです。
はじめての方はまずはこちらからお読みください。


留守番中、幼かったわたしの楽しみは姉たちと台所で食べ物を探すこと。
普段時間制限を設けられているテレビを見ること。

1階奥にある和室
白い鏡台の3つの引き出しにつまっている化粧品を漁ること。

高校生になると、友達は色付きリップなんて買わなくなった。
休み時間ごとカチャカチャ音を立てるポーチを持って、教室の外に出ていく。

まるでずっとそうしていたみたいに、みんな 自然に 大人になるけど
わたしにはクラスメイトにやって来た 「自然に」 が一向に来る気配がなかった。

初めてちゃんと化粧をした(してもらった)のは成人式。
就職活動ではうっすら・・した。
でも、どこで道具を揃えたのかは記憶にない。
ディスコ通いをしていた姉に借りたのかもしれないな。

「ドレスに興味なし」と3姉妹の中で唯一結婚式を挙げなかった。
「皮膚呼吸ができてない気がする」と炎天下の公園で日焼け止めさえ塗らず。
「自然にその時が来なかった先輩」の義母を見ながら 
30年後の自分が見えている安心と、何に対してなのかわからない諦めの気持ちが、きれいに半分ずつあったような気がする。

30代でパートに出た時、ようやく「ファンデーションを塗る」ということを習慣にした。

それは
母の鏡台に詰まったドキドキや
音の鳴るポーチのワクワク感とは全くの別物。
「誰かを不愉快にしないため」の身だしなみだった。



娘はそういう母(わたし)を、どう見ていたのか。


ある朝、娘の異変に気が付いた。
不自然に離れた眉。

「そこ剃っちゃう??」
おかしさと、かわいさで夫(今は元夫)と笑った。

娘はそんな冷やかしにも全くめげなかった。
小遣いで化粧品を買っては動画サイトや雑誌で勉強したようだ。
中学生から、ヴィジュアル系バンドを好きになったことも影響していたのかもしれない。

平日は布団をはがしても遅刻だと脅してもピクリとも動かないのに、休日化粧のためのなら驚くほど早起きをした。

アイプチ アイライン マスカラ ヘアアイロン カラコン
わたしの未使用アイテムを巧みに操り、まるで別人のようになって出かけてゆく。

わたしには来なかった その時 が
娘には自然にやってきたのだ。



そんな娘に高校卒業時
「高校卒業したら何したい?」と聞いたら


娘「キャバクラの体入」

私「たいにゅう?」

娘「体験入店」




この親ですが

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この子です。

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キャバクラと言えば、化粧の最高峰。
make maker makest  いや知らんけど。
化粧の祭典 グランプリ。 
わたしの中ではそんな位置付けだ。

鳩が産んだ子がキャバ嬢になるとはね。
いやね、実はわたし、最近鳩になったばかりなのでね
娘こそ「まさかお母さんが鳩になるなんて・・」って思っているよね。
(結局娘、たいにゅう止まりでキャバ嬢ならず)

出だしシリアスだったのに、結局ふざける ibitsu な soul 。
この話、いったいどこに着地するんでしょうか。
書いてる鳩にもわかりませんが

更に続く!!


ではまた次回。
素面でお会いしましょう。


続きはこちらから


これまでの下戸の暮夜(き)はこちらから。



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