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映画『 君の名は。』って


2016年公開された映画
新海誠さん脚本、監督作品
『  君の名は。』について書いてます

「君の名は。」
映画館でみましたが
実は、あんまり意味がわかっていなくて
Netflixで配信していたので
あらためて、みてみました

「君の名は。」って
神秘的な話だったんですね
「入れ替わってる」ところがインパクトありすぎて
やけに記憶に残りますが
単に入れ替って、奇跡をおこしただけじゃなくて
瀧と三葉が
探しているのもの
消えてしまったもの
涙が出るくらい悲しいのに思い出せないもの
それが何なのかという話
消された記憶の物語ですね




物語のおさらい

2013年
糸守町という
田舎町の高校に通う
女子高校生の宮水三葉

2016年
東京で暮らす男子高校生、立花瀧は
ある朝、目覚めた時
身体が入れ替わっていました

はじめはリアルな夢だと、思っていた二人でしたが
やがて、夢ではない事に気がつきます

原因は不明で
きっかけは、眠る事

入れ替わっている時の記憶は
時間がたつにつれ、薄れていきます

入れ替わりの頻度は不定期で、週に2,3回
1か月ほど続きましたが
10月3日以降
三葉との、入れ替わりが途切れ
瀧は、三葉に会いに、飛騨へ行きます

手掛かりは、薄れていく記憶の中で
自分が描いた、町の風景画だけ

あきらめかけていた頃
偶然入ったラーメン屋さんのおかげ
三葉が住んでいる町が、糸守町である事を思い出し
そして
瀧は、衝撃的な事実を知ってしまいます

3年前の2013年10月4日 
1200年周期で太陽を周る、ティアマト彗星が
地球に再接近し、割れた彗星の一部が隕石となり
糸守町に落下、街の3分の1がなくなりなり
何百人の人の命が失われた彗星災害

三葉がその災害で、亡くなっていた事を知り
混乱してしまう瀧でしたが
入れ替わりが、
どうしても夢とは思えず
宮水神社のご神体のあった場所へ向かいます
何とかご神体までたどり着き
本当に時間が戻るなら、もう一度だけ」と願い
三葉のつくった、口噛み酒を飲みます

すると、入れ替わりがおこり
瀧は時間をさかのぼり、2013年10月4日の朝
三葉の身体で瀧が目覚めます
そして
三葉の魂が
2016年の瀧の身体に戻ってきます

かたわれ時
時空がつながる場所で
ふたりは出会い
やがて
かたわれ時が終わり
ふたりの奇跡の出会いは終わります

瀧も三葉も、名前を忘れ
瀧は、そこにいる意味もわからなくなってしまいます

ここまで
1時間21分頃までのストーリ展開です

2013年10月3日
彗星災害がおこる前日
三葉が、瀧に会いに東京に来ていた事
思い出しているシーンはジーンときます
それが、知り合う前で
瀧が三葉に気づかないというのがせつない

一葉おばあちゃんの言葉



一葉、三葉、四葉が組紐を作っているシーンで
繭五郎の大火について、一葉が話していますが

このセリフ、宮水神社の役目が伝統を守る以外に
何かあるように感じます

「 さかのぼる事200年前
 ぞうり屋の山崎繭五郎の風呂場から火が出て
 この辺はまる焼けになってまった
 お宮も、古文書もみな 焼け」

「おかげで祭りの意味も分からんくなってまって
 
残ったのは形だけ
 せやけど文字は消えても 伝統は消しちゃいかん
 
それが 宮水神社の大切なお役目 」

君の名は 12分頃 一葉お婆ちゃんのセリフ 



巫女姿の三葉と四葉が、鈴を手に舞い
世界最古の酒口噛み酒を造る儀式が行われ
その、口噛み酒を、遠い場所にある
宮水神社のご神体に奉納にいくシーンで
一葉は、氏神様や口噛み酒を奉納する
しきたりについて話していますが

何かが起きた時
時間が戻ればいい
あの時こうしておけばと
後悔します
そんな人々の願いを叶える力が
この宮水神社のご神体にはあったのかな?
とか想像してしまいます

(三葉(瀧)の背中で話す、一葉お婆ちゃん)

「 三葉 四葉ムスビってしっとるか?
土地の氏神様をな、古い言葉で産霊(むすび)って呼ぶんやさ
この言葉にはふかーい意味がある
糸をつなげることもミスビ
人をつなげることもムスビ
時間が流れることもムスビ
全部神様の力や」

わしらが作る組紐もせやから、神様の技
時間の流れそのものを表しとる
寄り集まって 形をつくり
ねじれて絡まって 時には戻って途切れ またつながり
それがムスビ それが時間」

(休憩の後・・・)
「水でも 米でも 酒でも 人の体に入ったものが
魂とむすびつくこともまたムスビ
だから 今日のご奉納は
神様と人間をつなげる大切なしきたりなんやよ」

映画 君の名は 34分頃からの  一葉お婆ちゃんのセリフ 


(ご神体の手前に流れる小川を渡る前に話すセリフ)

「ここから先はカクリヨ
あの世のことやわ
此岸(しがん)にもどるには
あんたらの一等大切なもんを 引き換えにせにゃいかんよ」
「口噛み酒やさ ご神体にお供えするんやさ
それは あんたらの半分やからな」

映画 君の名は 36分頃からの 一葉お婆ちゃんのセリフ 

これらのセリフから
繭五郎の大火でお宮も古文書も焼けてしまい
意味も解らず代々、宮水神社を守り続けている宮水家ですが
宮水家にはなにかしらの役割があり
それは、宮水神社の伝統を守る事以外に
1200年前の彗星の災害を後世に伝え事だったのかなとか
想像してしまいました

瀧と三葉は、はるか昔から出会いと別れを繰り返しているのかなとか
宮水神社に伝わる伝説の中に登場する人物の生まれ変わりなのではとか
いろいろ、想像してしまいます

冒頭の、瀧と三葉のセリフ


三葉 「朝、目が覚めるとなぜか泣いている。そういう事が時々ある」
瀧  「見ていたはずの夢は、いつも思い出せない。ただ」
三葉 「ただ、何かが消えてしまったという感覚だけが
    目覚めてからも長く、残る」
瀧  「ずっと何かを、誰かを、探している」
三葉 「そういう気持ちにとり憑かれたのは、たぶん、あの日から」
瀧  「あの日、星が降った日」
瀧  「それはまるで」
三葉 「まるで夢の景色のように、ただひたすらに」
瀧・三葉「美しい眺めだった」

君の名は。 冒頭 瀧、三葉のセリフ 

この冒頭のセリフですが
あらためて文字で読んでみると
悲劇的だったはずの結末が
美しい眺めだったと言っている事に気づきます
そして
記憶はなくなっているはずのふたりですが
いまだ、別れた時の悲しさが残っているのかなと思い
せつなくなります

階段で、瀧と三葉が「君の名前は?」というシーンですが
大事な記憶を失ったふたりの物語は終わり
瀧と三葉が再び出会って
はじまるのか、はじまらないのかという所で終わりとは
気になる終わり方です

ラストのシーンを見終えた時
記憶のあいまいさ、儚さを感じて
自分も、何かを忘れながら生きているような気がしてきます


以上『 君の名は。』感想でした
dekoo


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