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天泣


君は 春風みたいな人だったね
いつも くすくす微笑んで
そこに いるんだ


君は 陽だまりのような人だったね
いつも まわりの心を
ほんのりと ぬくめるんだ


君は 柳のような人だったね 
いつも 見えない傷をうけとめて
しなやかに なぐさめるんだ 


君は    
いつも 誰かと誰かの
手をつなげる

それなのに どうして
ぼくの手を放してしまったの


海の見える高台の墓地に
墓をこしらえたとき
まさか
君の名をいちばんに
刻むことになるとは
思わなかったよ

夢で逢いにきてくれるけど
ぼくは 君のやわ肌を
もう一度 抱きしめたいんだ


ああ まもなく
五度めの 命日が
春風を 連れてくる

きょうも空は晴れているのに
天がひと降りの涙をこぼしているよ



親友の5度目の命日に捧げます。
あなたに会いたい。
天泣は、晴れている青空に降る雨のことです。




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