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大河ファンタジー小説「月獅」

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天卵を宿した少女と、天卵の子の物語です。
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記事一覧

大河ファンタジー小説『月獅』 1

第1幕「ルチル」第1章:白の森(1)  ヴェスピオラ火山の火口から、何かがまっすぐに天に向…

deko
1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』 2

前話<第1章:白の森(1)>は、こちらから、どうぞ。 第1幕「ルチル」第1章:白の森(2…

deko
1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』 3

はじめから読む。 前話<第1章:白の森(2)>から、読む。 第1幕「ルチル」第1章:白の…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』4   第1幕:第2章「天卵」(1)

第1章「白の森」(全文)を読む。 前話(第1章「白の森」(3)から読む。 第1幕「ルチル…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』5   第1幕:第2章「天卵」(2)

第1章「白の森」(全文)は、こちらから、どうぞ。 前話(『月獅』4 「天卵」(1))は、…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』6   第1幕:第2章「天卵」(3)

第1章「白の森」(全文)は、こちらから、どうぞ。 前話(『月獅』5)は、こちらから、どう…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』7     第1幕:第3章「森の民」(1)

第1章「白の森」<全文>は、こちらから、どうぞ。 第2章「天卵」<全文>は、こちらから、どうぞ。 前話(『月獅』6)は、こちらから、どうぞ。 第1幕「ルチル」第3章:「森の民」(1)  どのくらい祈っただろうか。  ごうごうと耳膜にこだましていた水音が、不意にぴたりと止んだ。ルチルは、おそるおそる目を開ける。  つい今しがたまで、白い水煙をあげ瀑布となっていた滝が消えていた。  滝のカーテンが開いた。白の森が開いたのだ。  舟がすべりだす。  向こう側にはまばゆい光の降り

大河ファンタジー小説『月獅』8   第1幕:第3章「森の民」(2)

第1章「白の森」<全文>は、こちらから、どうぞ。 第2章「天卵」<全文>は、こちらから、…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』9   第1幕:第3章「森の民」(3)

第1章「白の森」<全文>は、こちらから、どうぞ。 第2章「天卵」<全文>は、こちらから、…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』10  第1幕:第4章「蝕」(1)

第1章「白の森」<全文>は、こちらから、どうぞ。 第2章「天卵」<全文>は、こちらから、ど…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』11  第1幕:第4章「蝕」(2)

第1章「白の森」<全文>は、こちらから、どうぞ。 第2章「天卵」<全文>は、こちらから、…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』12  第1幕:第4章「蝕」(3)

第1章「白の森」<全文>は、こちらから、どうぞ。 第2章「天卵」<全文>は、こちらから、…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』13   第2幕「隠された島」第5章(1)

いよいよ第2幕をスタートさせます。 お楽しみいただけると幸いです。 * * * * * …

deko
1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』14   第2幕「隠された島」第5章(2)

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 前話(『月獅』13)は、こちらから、どうぞ。 第2幕「隠された島」第5章:「漂着」(2)  小鳥たちの危急の報せに、ディアが真っ先に思い出したのは山のことだ。嘆きの火の粉を散らしているのだろうか。だが、山の咆哮は聞こえない。吹きすさぶ潮風の甲高い声が耳をかすめるだけだ。それに小鳥たちがディアを引っ張っていくのは、山とは反対の海岸につづく道だった。  浜への坂道を駆け降りる。視界が開けると、波打ち際に何か黒い物が横たわっているのが目