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夫の針仕事

この前から、夫のハーフパンツのボタンが取れているのを「付けて」と言われていたのだった。
ウエストのところ。
 夫は針仕事はしない。
「うん、わかった」と言いながら、もう何日経っただろう。
夫はボタンが無いままベルトをして、ハーフパンツをはいていた。

  今朝、それをはいてゴルフに出かけようとしていたので、「あれ?ボタンは?」と聞いた。
夫「付けてくれないから、自分で付けた」
  私は「やったー!できるではないの」と言い、めっちゃ笑ってしまった。

 ごめんなさい、ですよね。でも、「やればできるのだ」と思った。


 夫の自立度は高い。自分の朝食・昼食の用意、布団の準備、ゴルフの準備・・・
当たり前と言えば当たり前なのだが、ボタン付けも「私がいなくなったら困るよ」「自分でやってみれば?」」と言っていたのだ。
 付けるつもりはあったのだが、のびのびになっていた。

 私「うまくできたん?」
 夫「うん、できたよ」
 私「針に糸を通して?」
 夫「うん」

  そうなんや。夫も不器用だが、この頃目が悪くて、針に糸を通するのが一苦労な私より、ずっとうまくやれるのかも。これで、針仕事も大丈夫やな。

 夫の自立度がアップした。
 
  文句も言わずに(時々は言う)自分の仕事をこなす夫に、私は感謝した。

 そうよ。部屋の掃除をしなくても、庭の草がぼうぼうでも、お姉さんのところのお中元どうするのと聞いても「うん」と言うだけで何もしなくても、家にいるときはソファから動かずビデオばかり見ていても、いいんです。

  だって、こんなに気を遣わないですむ夫に、私は大げさでなく、「結婚してよかった」とまで思ったのだから。ゴミも出してくれるしさ。

 今日のところは。

 きっと明日になれば、「掃除機くらいかけてよ」「庭の草、どうするの!」「晩ご飯も作れば?」と文句を言っている気はする。


(画像は、そろそろ見頃かも。万博公園の日本庭園)

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