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デジマ式 plusとは


現代の出島だった「Innovation Space DEJIMA」

まずは簡単な歴史の復習をしよう。

日本が海外に門戸を閉じていた鎖国時代において、唯一世界との交流の場となっていたのが長崎の「出島」だ。出島は世界との希少な交流の場であっただけではなく、日本文化の発信、世界文化の受信も担っていた。

その出島の名前を冠する場が「Innovation Space DEJIMA」(以下、DEJIMA)である。DEJIMA は一言で言うと、コーポレートコワーキングスペースということになるが、他の類似施設と大きく違う点は、ここに集う人たちの使命だ。

ここに集うのは、企業の新規事業開拓を委ねられた人たち、あるいは社内起業家を目指す人たち。すなわち、他社と交わることで自社に新風を送り込むことを使命として動いている人たちなのだ。

そこで定期的に開かれたワークショップ「デジマ式 plus」では、企業間・業種間の垣根を越えて、他社と交流し、新規事業につながるアイデアを探っていた。人と人、企業と企業、企業と事業を繋ぐハブとして「DEJIMA」が機能していたのだ。そう、日本と海外を繋いでいたかつての「出島」のように。

自治体の課題を解決する「デジマ式 plus」

「Innovation Space DEJIMA」という場は惜しまれながらその役割を終えてしまったが、そこで開かれていたワークショップ「デジマ式 plus」は残った。新生「デジマ式 plus」は、課題を抱える自治体に対して、企業が新規事業を提案するのである。

企業が新規事業を起こす際、一番の難関は市場のニーズを捉えることである。たとえ精緻なプランを組んでも、始めてみるとそこに市場のニーズが無
ければ事業として成立しない。そこで「デジマ式 plus」では、確かなニーズを浮かび上がらせるために、課題を抱えた自治体に手を挙げてもらう

自治体は、人口流出・少子高齢化・地場産業の衰退など、数多くの問題を抱えている。問題を抱えているということはそこには確実なニーズがあるということだ。

「デジマ式plus」では自治体の問題を、企業の英知で解決する

中には、自治体主導で、それら問題の解決に乗り出すところもあるが、成功例は数えるほどしかない。理由は簡単、自治体が主導する形での従来型のスキームでは、一時的な経済的効果はあっても、自治体の中だけでの動きとなり持続的な問題解決にはならない。外部の力も活用してより大きなうねりとなるような解決策が必要なのだ。

「デジマ式plus」では、自治体は企業と持続可能な事業による問題解決を模索する。「デジマ式plus」でのワークショップとしての流れはこうだ。

  1. 自治体が抱えている問題を、自治体職員自ら「デジマ式plus」参加企業にプレゼンする

  2. そのプレゼンを受けて、参加企業は自社のリソースや他社との協業でその問題を解決できないか話し合い、解決案を提案

  3. 自治体は企業側から出された解決策を吟味し、効果が見込めそうな案があった場合、その企業と協力しその案を推進する

「デジマ式plus」の流れ

「デジマ式plus」のワークショップは上記の通りだが、その前後も自治体と企業のマッチングが円滑に行えるように配慮されている。

ワークショップ前には「準備フェイズ」として、「デジマ式plus」スタッフが、自治体向けには「発表する課題を決める」ためのサポートをし、参加企業向けには「社内の強みの洗い出し」を促す。

ワークショップ後は、「デジマ式plus」スタッフが自治体・企業それぞれの足並みが揃うよう、双方の認識の齟齬が起きていないかチェックし、起きていた場合は軌道修正を促しつつ、事業を軌道に乗せるべく尽力するのである。

「デジマ式plus」で探すのは受託企業ではなく、二人三脚で進むパートナー

自治体が抱える問題を企業が解決する、というと、採算性を度外視した企業の社会貢献活動と思われがちだが、「デジマ式plus」が目指すのは、あくまでも持続可能なビジネスプランを企業が新規事業として創っていくことにより自治体の課題を解決することにある。

すなわち「企業は新規ビジネスが確立されて嬉しい」「自治体はその地域が抱える問題が解決できて嬉しい」のWin-Win の状態が「デジマ式plus」で目指すゴールである。

Win-Win の関係性を構築するために、自治体は協力企業に対して、お金は出すから後はよきに計らえ的なスタンスではなく、関係各所と企業との橋渡しはもちろん、各種団体(漁業組合、農協など)や地方銀行との調整、地方のマスコミへの働きかけなど、経済的な支援以外も積極的に担う。

企業がその地域で動きやすいように自治体はお膳立てをしていく。自治体と企業はどちらが主でも従でもない、あくまでも二人三脚で進む、対等なパートナーであるからこその役割分担といえよう。

次回の「デジマ式plus」では過去の活動から、自治体や企業がどのような活動を行っていたのか振り返ってみよう。


ご興味のある新規事業担当者さまへ

本プログラムは、準備からワークショップの開催までが2ヶ月前後、またその後のアフターフォローは1ヶ月~3ヶ月となります。

「地域課題を新規事業にするというのはどういうこと?」「どのようなワークショップを行っているの?」などの疑問や不安を含めて、デジマ式 plus 運営事務局でしっかりとサポートします。

本プログラムで重要なのは企業のご担当者さまの新規事業への強い想いとミッションです。今お持ちのその想いとミッションを、デジマ式 plus 運営事務局にお知らせください。

・メールでのお問い合わせ
デジマ式 plus 運営事務局 松元 / 甲斐
Email:dejima-shiki@ctc-g.co.jp


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