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(2172文字)

「猫入り
」この聞きなれない言葉・・

実は私の造語なんですが、よく調べてみると窃盗犯の手口の隠語としてあるみたいです。
それは猫が狭い隙間から部屋に入ってくる様を宛てているらしく、二階の窓から侵入したドロボウの取り調べ調書に登場します。
この世に絶対無い言葉だろうと思っていたのでちょっと驚き。

しかし、結局それくらいしか調べても出て来ないので、
「猫入り」は自信を持って私の造語であると主張します。笑

で、猫入りって何?

それは、実のところ上手く説明するのが難しくて、
過去、友達やら知り合いに、「こう言う状態の事だよ」と説明しても
なかなか「ONAIR」された言葉ではちゃんと伝わらないみたい。
皆、取り合えずふ~ん・・みたいに聴いてはくれているが、その時の顔は
何か虚ろで、「通天閣」からアメリカを見ているような表情をしている・・
だから、やたら口で訴えるよりも文字で残したろかいな・・と思った次第。


で、どういう事なのか?

一言で言うと猫と同化した瞬間の事。
それは日頃飼い主がどんなに願っても、そうなるものではなくて、
あくまでもお猫様がお決めになる事・・。

そして 遥かなるその境地に辿りついた者は少ない。

ではここから各論。簡潔に行きます。

成立要件その1
一人の人間(主)対 一匹 or 複数の猫の環境である事。

猫入りが成立しても、そこに第三者が現れた瞬間にそれは解消されてしまいます。
何故か判りませんが、人が現れると猫は普段の「飼い猫」に戻ってしまい、主人や客にゴロゴロとへそ天で「媚びを売り出す」
これはもう猫入りの神聖な結界を破られてしまった分かり易い例。

成立要件その2
環境。

穏やかで静かな空間が出来上がっている事。
例えば、
二階の寝室で寝ている時、一階の台所のシンクから床に
「トン」
と軽く飛び降りた猫の足音が聴こえるような、そんな環境。笑

足踏み式オルガンの「低く小さな C の和音」(若い人は空気オルガン知らんやろね・・)
がずぅっと流れているような空気感。
勿論、それは意図的に作られたものであってはいけない。
そのようになってしまっている状態でなければならない。

先のその条件が満たされたからと言って猫入り状態に入る訳ではありませんが、後は「主」との関係の深さが重要です。
ここは実は簡単では無くて、自分は猫を溺愛していて、猫も自分を愛してくれている・・みたいな上っ面な事を言っていてはあかんのです。



猫入り時の猫の行動変化

では実際猫入りすると猫はどうなるのか?

猫が「主」を猫入りの対象と決めた時、次のような行動が現れます。

1.「餌」をくれる。
2.(主の)全身毛づくろい。
3. あらゆる自分のお気に入りをくれる。
4. 自分の子のように扱う

1の「餌」をくれる。
は普段、主が餌を与えている訳ですが、猫入りするとそれが逆転。
基本主の人間オーラが消えている時に起こりやすいのですが、実例を少し・・
ある日ソファーで熟睡していた私が目を覚ますと、顔の前に魚の骨が・・
それは「昨夜の残飯」を台所の三角コーナーから持ち出し、猫が自分で食べずに分けてくれたもの・・・。
初めてこれをされた時は何のことやら判らず、イラッとしたんですが、その後の猫の行動で真意が判って涙することに・・。

またある日は、目覚めるとドライフード(カリカリ)が10粒ほど鼻先に置かれていました。
その時の感動と言ったら・・。
猫が台所の餌小鉢からそれを一粒づつ咥えて何度も往復している姿を思うともう泣けて泣けて・・・。

2の毛づくろいは、自分や子の匂いを消すための野生の本能です。
そして平素から飼い猫はよく主を舐めてくれるものですが、猫入りすると
それは大変な事になります。
主を自分の子のように扱い始めます。つまり巨大な子猫(主)の全身を隈なく舐めるのです。
しかも、本人(本猫)が納得するまで延々と・・・。
子猫サイズなら数分で済むところですが、猫は真面目ですからこのデカイ主を全て舐め回すわけです。
ただ嬉しいけど、肌の露出している部分に来ると痛過ぎて辛い・・。(特に顔は苦行・・)
ここでその苦痛に負けて拒んでしまうと、せっかくの「猫入り」が解けて普段の飼い猫に戻ってしまいそうなので、ひたすらに我慢です。
そこだけが唯一のウィークポイントかな・・笑

3、は、お気に入りのモノ全てです。
これも主が寝ている時にする「猫入り猫」の特徴です。
自分の大切にしている「お宝」をほぼ全て主の周りにお供えします。
まるで
「これで遊んでくれよ兄弟!」
と言われているみたいで心が揺さぶられてしまいます。

4.自分の子のように扱う。
まぁ、総じて自分の子のように扱っているんですが、もう少し事例を挙げてみますね。
ある時は、しきりに私の手を咥えて(正確には右手の小指)引っ張るので何かなと思っていたら、それがあまりにも執拗だったので中腰になって引かれる方へついて行ったら寝室へ引き込まれたんですね。
そしてベッドの上へ誘導されて・・・(これが人間のおねいちゃんだったら‥笑 注:ウチの猫は代々オス猫!)
で、横になったら、私の頭を抱えるようにしてザリザリ毛づくろいを始めて寝てしまった。
母猫が子猫を優しく咥えて巣に運び込む行動そのものをこの巨大な主にしてしまう・・。(オスなのに!)

これは猫入りレベルMAX!なかなかのレア状態ですが、
如何でしょう?
「猫入り」をご理解頂けましたでしょうか?

猫入りの御経験者いらっしゃいましたら、ご連絡ください。
語り合いましょう!





※私は犬も大好きなんですが、
独り身ゆえに「人依存」が大きい犬は申し訳なくて飼えないんです。故に猫ばかり飼って来ました。理想は犬と猫と鳥を同時に飼って、
犬猫の頭に小鳥がとまっている姿を眺めてのんびり暮らすのが理想です。笑



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