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では今日も懲りずに語源シリーズです。
ハリウッド映画では「THE END」で終わりますが、
フランス映画は「FIN」ですよね。
今日のお話はこのFINの広がりを覗いて見たいと思います。

で、英単語「fine(ファイン)」ですが「素晴らしい」「優れた」の意味の他に、「罰金」という意味を持ちます。
一体なぜ「罰金」「素晴らしい」が結びつくのか?

「fine」の語源を辿ると、ラテン語の「finis(フィニス=終わり)」に行き着きます。「終わり」すなわち「最大限度」に到達した状態が
「素晴らしい」の意の「fine」なのです。
「finish(フィニッシュ=終了する)」、「final(ファイナル=最後の)」、「infinity(インフィニティ=終わりのない→無限の)」
なども同じ「finis」から派生した単語です。
フランスのブルターニュ半島先端やイベリア半島のスペイン最西端には、まさに「地の果て」という意味を持つ「Finistère(フィニステール)」県や「Finisterre(フィニステレ)」岬があります

一方で「罰金」の意の「fine」「決着をつけるために支払う」というところから「finis」より生まれました。
実は「finance(ファイナンス=金融、財政)」もこの「支払い」に源を発する単語です。因みに「financier〔仏〕(フィナンシェ=資本家)」という名の焼き菓子がありますが、これは証券取引所の近くに住んでいた菓子職人が、金の延べ棒に模して作ったとされています。(所説あり)

ところで日本語の「経済」にも「済」という漢字が含まれていますが、こちらは「済ます」の意味ではなく「救済する」の意味。
「経国済民(=国を治め民を救う)」
の略語です。

日本政府は警告催眠?笑


さて、ハイビジョンテレビの正式名称は「high definition television」。略して「HDTV」ともいいますが、この「definition(デフィニション)」にも「finis」が隠れていて、ここでは「鮮明度」を表します。
一方「definition」「定義」の意味の方が馴染んでますが、
これは「終わり」すなわち「境界」をはっきりさせるということから
「明確にする」の意味が派生したものです。

本日はこれにて FIN


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