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哲学書を「読む」という経験

来週、5月16日(木)より、佐々木晃也講師による古典読解ゼミ、スピノザ『知性改善論』ゼミが始まります(詳細はこちら)。哲学の古典を読むということは、単にそこに書かれている内容を理解するというだけではなく、そこで用いられている概念の背景にある思想や、概念と概念の連なり方、関係性などを「読む」行為です。内容を理解するということであれば、翻訳をひとりで読んでいてもある程度は可能です。しかし、そのテキストの背景や概念同士のマッピングは、文字通り目の前に現れているわけではありません。それらを「読む」ためには、これまでにそのテキストに自分の人生を捧げ、真摯に向き合い続けた専門家の手助けが必要となります。下記のツイートにある佐々木さんのコメントを見てみると、スピノザのテキストに対して対してどのような「読み」を実践されているのかが分かります。

翻訳された日本語でテキストを読んでいるかぎり、おそらくは読み飛ばしてしまうような箇所に注目し、そこからテキスト全体の「読み方」を浮き上がらせることが試みられています。哲学研究者、哲学を専門とする人間は、多かれ少なかれこうした作業を常日頃実践しているわけですが、彼らが実際に書いた本や論文では、こうした「読み」が示されることなく、その結果しか私たちの目に触れることはありません。ソトのガクエンの古典読解ゼミでは、こうした哲学的実践の一端に実際に触れることができることを重視しており、その意味でも佐々木講師は適任であると言えます。

まさに、体系的な説明や図式的な解説は、数多ある一般書を読めば得られるものです。しかし、佐々木講師のような専門家のもとでしか身につけることのできない「読む」という技術は、今後、皆さんが各自で様々なテキストを読み、様々なことについて考える際の基礎的な力となると信じています。

ぜひ、多くの方にご参加いただけますよう願っております。


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ソトのガクエンの古典読解ゼミ、新講師佐々木晃也氏によるスピノザ『知性改善論』(知をケアする技巧を学ぶ)は5月16日(木)から始まります。5月は16日、23日、30日の計3回で、8月まで実施予定です。
お申し込みは、ホームページ、Peatixをご利用ください。

なお、哲学思考ゼミのメンバーの方は、こちらの古典読解ゼミだけでなく、基礎ゼミ、シネマ読書会、表現スキル思考ゼミ、大学院進学情報&原書ゼミ、自主勉強会などのゼミにご自由に参加いただけます。こちらも随時メンバー募集しておりますので、ぜひご参加ください。


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