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揺蕩う狐火

錯綜した裏道通り 呪い踊りの狐たち
煙だらけの中華街 集まる僕らの自己嫌悪
誰かの吐き出すアイロニー 今祭りが始まる

踊り狂って 地を這って
祟り目ばらまく少女たち 黒塗りの塀が隠してく
屋形船の紅が 違う目で見つめてくるのだ

守って隠すのが辛いことなら
いっそ壊して隠せばいいじゃん
水面に映る僕の顔は 別の人だ 見えてないの?
飛んで走っても逃げられないなら
疲れて眠たいフリをするのだ
匿ったあの子の笑顔は 明日の朝崩れていく

戻れないのだ 淡い記憶がまだまだまだ
脳裏を渦巻いていく
飲み干したいっぱいに 笑顔も溶けた 嗚呼
今がチャンスなの みんなあの子を狙ってる

守って隠すのが辛いことなら
いっそ壊して隠せばいいじゃん
謝ることすら許されない どうしてどうしてどうしてなの?
飛んで走っても逃げられないなら
余白ない紙を投げ捨てて
あの子はいつも同じ顔をしている
嗚呼
沈んでいく
僕を置いていく

守って隠すのが辛いことなら
もういっそ君を連れて逃げよう

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