眠る魚

仄暗い夜は嫌いだけど
朝の明るさは辛いから
時間は止まる　いつの日か止まる
泳がなきゃ死んでしまうから
寝ても泳ぎを止めないふりをしてるけど
仄暗い夜は嫌い

ギター背負ったら
何か特別なものになれた気がして
年下のままで　可愛いままで
覚えたばかりの言葉を　知ったふりの寝言

ああ
かわいそう、かわいそう
眠ることしか出来ないんだね
いくつになってもその才能信じてさ
別に私には何も関係ないから
そのまま眠り続けて溺れたらいいじゃん
面白そうだから、笑ってあげる。

網にかけられて　それにすら気付かないね
踊らされることも　快感になる
ケーキを切り分けて　お皿に並べて
あの子の周りにろうそくを立てるの

「水の中だから消えちゃうね。」

ああ
可愛いね、可愛いね
眠ることしか出来ないんだね
その年でもまだプライドばかりが天を衝く
別に私に被害があるわけでもないし
そのまま眠り続けて溺れたらいいじゃん
面白そうだから、嗤ってあげる。

褒められたいから褒めてあげる
フォローされたいからフォローしたの
「フォロワー数多い方が有名人みたいじゃない？」
古参アピールマウントとるの
「みたみたみたみたみたみたみたみた」
ねえ待ってあなたの目的は？
飲み込んだ海水がしょっぱいことに
気づかないままおいていかれて
そんなのにお金使うくらいなら
さっさと泳ぎ始めなよ

それから小さな針で釣り上げて
可愛そうな体を三枚におろして
気づいたら　私の口の中