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GOXするって何をすること?Mt. GOXから我々は何を学んだのか

Twitterやニュースを眺めていて、「GOXした」「GOXに気を付けよう」などといった言葉を見かけたことのある方は多いのではないでしょうか?

今回の記事では、web3/暗号資産界隈でよく見かける、この"GOX"という言葉の意味や、その由来となった事件について解説します。

web3の起源的な存在であるビットコインに深く関わっている事件なので、ぜひここで理解しておきましょう!


GOXするってどいういうこと?

"GOXする"というフレーズは、かつてビットコインの取引所であった「Mt. Gox」(マウント・ゴックス)に関連する出来事に由来するものです。Mt. Goxは、かつて世界最大のビットコイン取引所の1つでしたが、2014年に破綻し、多くのビットコインが失われるという事件が発生しました。

この出来事以降、"GOXする"という言葉は、暗号資産の取引所での問題や不正行為、セキュリティの脆弱性などに関連して使用されるようになりました。具体的には、取引所で資産を失う、取引所が閉鎖される、セキュリティ侵害によって資産が盗まれるなどの状況を指して使用されることがあります。

このフレーズは、暗号資産の市場におけるリスクや不確実性を表現する際に使用されることがありますが、正式な専門用語ではなく、主にコミュニティやユーザー間で使用されています。それにちなんで、2022年末に起こったFTX事件をきっかけに、取引所の破綻のことを"FTXする"と揶揄する人もいるようです。

Mt. GOX事件って何?

「Mt. Gox事件」とは、2014年に世界最大のビットコイン取引所であるMt. Gox(マウント・ゴックス)が破綻し、何十億円にも上るビットコインが失われた事件を指します。

背景と経緯

Mt. Goxは、2009年に設立されたビットコイン取引所で、初期の暗号資産市場の中心的存在として成長しました。2013年までには、世界中で80%以上のビットコイン取引がこの取引所で行われいたともいわれてます。

しかし、取引所の運営はしばしば技術的な問題やセキュリティの脆弱性にさらされおり、その危険性が危惧されていました。

事件の発展

2014年初頭、Mt. Goxにてユーザーアカウントから大量のビットコインが盗まれたことが発覚しました。その後、同社は約85万ビットコイン(当時の価値で約490億円相当)が失われたことを公表しました。Mt. Goxは経営破綻し、破産手続きが開始されました。

事件の詳細は不明確で、当初から疑惑や陰謀論が広まりました。一部報道によれば、長期間にわたって取引所の資金管理やセキュリティが不十分であり、ハッカーや内部の不正行為によってビットコインが盗まれた可能性が指摘されました。

影響

Mt. Goxの破綻は暗号資産市場に大きな影響を及ぼし、ビットコインの信頼性やセキュリティに対する不安を引き起こしました。多くの投資家や取引所ユーザーは資産を失い、暗号資産業界全体に対する信頼が揺らぐ結果となりました。

事件の教訓

Mt. Gox事件は、暗号資産取引所のセキュリティ、運営、資金管理の重要性を浮き彫りにしました。この事件を通じて、取引所やユーザーはセキュリティ対策の強化、適切な資金管理、透明性の重要性を認識するようになりました。

また、暗号資産の投資や取引を行う際には信頼性のある取引所の選択が重要です。

Mt. GOXのビットコインは返済される?

Mt. Goxの破綻によって失われたビットコインに関する返済の状況は、複雑であり、現時点では完全に解決されていないようです。現時点で判明している範囲で説明します。

2014年にMt. Goxが破綻した際、多くのユーザーのビットコインが失われました。その後、破産手続きが開始され、ビットコインの債権者向けに破産管財人が手続きを進めました。2019年には、一部のビットコインが破産管財人によって見つかり、債権者への分配が行われました。

しかしながら、全てのビットコインが回収されたわけではなく、破産手続きの複雑さやビットコインの価格の変動などもあり、全てのユーザーに対する返済が行われているわけではありません。さらに、日本の破産法の枠組み内での手続きや法的な問題も影響しています。

2021年にも債権者への返済のニュースが報道され、一部の人に対する返済が行われていますが、全てのユーザーに対する返済が完了したわけではありません。また、破産管財人や関係者が破産手続きを進めている状況が報告されていますが、具体的な進捗状況は複雑であり、常に変化している可能性があります。

したがって、Mt. Goxで失われたビットコインに関する返済状況や進捗状況については、最新の公式な情報源や報道機関の報道を確認することが重要です。

必要な情報を提供した再生債権者に対しては、 早ければ年内にも順次弁済を開始する予定とのことです。
https://www.mtgox.com/ 公式情報はこちらで確認できます。

特に、そのビットコインの量が多いことから弁済に関するニュースによってビットコインや暗号資産市場全体への価格に影響する可能性があります。

GOXしないように気を付けよう!

今回の記事では、web3界隈でよく耳にする"GOXする"というワードについて、その由来となった事件について解説しました。

web3の世界において、個人の権限やプライバシーは尊重される一方で、資産の管理や情報の公開範囲において、自らが責任を持たなければありません。どの取引所を使うか、どのウォレットで管理するか、今一度見直す機会を作ってもよいでしょう。

(文:いくら)

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