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プロローグの前に:向き合った相手から届くもの

(本note文書はもともと約10年前(2012-2014)に執筆したものである。
公開の機会があればと思ったが、電子ジャーナル「呼吸臨床」の連載が先に公開された。しかし連載は医学誌で専門的であり、そのBodyworkの実践として、また少し平易な実際的内容として、今回noteで公開することにした。)
 
追記:
「呼吸法」という言葉に関する社会的なステレオタイプ的誤解について。
呼吸法というと医学的には酸素を取り込むというイメージになる。この点がステレオタイプな誤解である。恐らく人工呼吸器や蘇生医療などが酸素をイメージさせる。
 
そうではなく、古来アジアにおける「呼吸法」は導引法などといわれていたBodyworkのことである。医師の立場でみて、西野流呼吸法はアジア伝承のBodyworkというべきものである。
このnoteには多くの場で呼吸法という言葉がでてくる。
呼吸法Bodyworkと置き換えて理解されることを希望する。


向き合った相手から届くもの
 
既知事実しか信じない医師たちへ-あなたは前に立った人から穏やかに届く、風のようなエネルギーを感じることができますか?
 
私は本書に述べる西野流呼吸法を30年以上続けている。
その詳細は本noteをご一読下さい。
そもそも人間は他者といかにコミュニケーションをするのか、という基本的問題への修練が、この呼吸法Bodyworkである。
 
東北大学退職後、現在の病院(みやぎ県南中核病院)に勤めながら、西野流呼吸法の稽古を月一回続けていた。
ある日、軽いマヒのある中年の女性が呼吸法をやってみたいと参加なさった。
左手も不自由なため、基礎の練習も型どおりにはできない。
この方はこの呼吸法を理解してくださるのだろうか、と心配していた。
 
ところがとんでもない。基礎の稽古が終わって、「対気」という相互のコミュニケーションの稽古になり、彼女の順番が来て相向き合った時のことである。
なんと、呼吸法のことは何も経験したことのない彼女から私へ、温かくて穏やかな風のようなエネルギーが送られてくる
それを受けるとなんとも気持ちが良い。
不思議だ、なぜ気持ちいいのだろう。
 
おそらく少しハンディキャップがあり、日常生活のいろいろな場面で、健常者以上に言葉以前のコミュニケーションに努力をなさっているのだろう。
そうした他者への前向きの気持ちが、私の前に穏やかなエネルギーとして届いている。
そして、こうした言葉でない身体コミニュニケーションが私に可能になっている事実にも、改めて驚き感動した。
 
こんな現象は現代医学に記載はない。医学では説明できない。
しかし現実に私は風を感じている。
 
既知の事実しか信じない医師、医療職の皆様、あなたはこれが幻覚であると思いますか?
あなたは患者から流れてくるエネルギーを感じられますか?
あなたはそうした医師や看護師になりたいと思いませんか?
 
少しは関心がある方は、本noteを御一読ください。
私自身、人間として生まれながらに備わっている、こうした言葉でないコミュニケーション能力を、30年間の「不思議」な呼吸法Bodywork稽古で、蘇えらせてきたのだと思います。

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