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私を主語にして相手を思いやる…アイ・メッセージ(アサーション#2)

あなたは誰かに対して、何か言いづらいと感じることはありませんか?

  • 難しい用事を頼みたい

  • 不平不満が溜まっている

  • 無理な誘いを断りたい

こんなときに相手にどう伝えればいいか、頭を抱えることもあるかもしれません。

そんなときに試してみてほしいのが、「アイ・メッセージ」。自分だけでなく、相手も思いやるような伝え方ができるようになります。


アイ・メッセージとは

アイ・メッセージとは、「私」を主語にして主張する方法です。

<具体例>
(私は)大声で怒鳴られると、悲しい。
(私は)連絡がないと、心配になるよ。
(私は)仕事を手伝ってもらえると、助かるな。
(私は)その日は先約があるので、会うのは難しいです。

「私」を主語にすると、自己主張しつつも、相手にも気配りしているので、柔らかい印象になりますね。自分の思いを素直に伝えることにより、心の交流も持ちやすくなります。相手に判断をゆだねているので、相手も願いに応えやすいです。


ユー・メッセージとは

ユー・メッセージとは、「あなた」を主語にして主張する方法です。

<具体例>
(あなたは)大声で怒鳴らないで!
(あなたは)連絡は早めにすべきでしょ!
(あなたは)仕事を手伝わないとダメ!
(あなたは)その日に会おうと言っても、会えません!

上記の「アイ・メッセージ」の例と比べたら、押しつけがましい感じがしませんか?自分の感情を伝えているようで、実は伝えていません。「あなたは〜だ」と決めつけているので、相手にとっては息苦しい限り。相手がどのように行動したいのか、その選択権も認めないことになります。


自分の心を開くのは信頼の証


「なんで自分を主語にして伝えることで、相手も思いやれるの?」

そう不思議に感じる人もいるかもしれませんね。私もアイ・メッセージについて初めて知ったときに、そんな疑問が浮かびました。

でも、アイ・メッセージを使うと、自分が心を素直に開いているのを、相手に示すことができるんですよね。特に、悲しみや心配のようなナイーブな感情を見せることは、相手に対して抵抗があると難しいです。

(私は)大声で怒鳴られると、悲しい。
(私は)連絡がないと、心配になるよ。

上記の伝え方には、「あなを信頼しているから、私は心を開けるのですよ」というメッセージがこめられています。鎧で固めた心よりも、柔らかな裸の心で向き合った方が、相手も「あ!この人のことを大事にしよう」と思えますよね。

何よりも、アイ・メッセージは相手を決めつけることがないので、相手の自由度が高いです。相手の意思も尊重しているという意味で、配慮をしていると言えます。


アサーションの第一歩として

以上のように、アイ・メッセージを使うことで、自分も相手も大切しながらコミュニケーションしやすくなります。つまりは、アサーションですね。

アサーションについては、前回こちらの記事でご紹介しました。

ただ、この記事を読んだだけでは、アサーションを実践するのは難しいですよね……まずは第一歩として、アイ・メッセージから試してみるといいと思います。主語を「あなた」から「私」に変えるだけなので、今すぐにでも実行できますよ。


まとめ

「私」を主語にして伝えることで、かえって相手を思いやることができる、「アイ・メッセージ」について紹介しました。

(私は)大声で怒鳴られると、悲しい。
(私は)連絡がないと、心配になるよ。
(私は)仕事を手伝ってもらえると、助かるな。
(私は)その日は先約があるので、会うのは難しいです。

このようにアイ・メッセージを使うと、自分の思いだけでなく、相手に対する信頼感も伝えることができます。

自己主張というよりも、自己開示するための表現法と考えたら、分かりやすいかもしません。もしよかったら、日々の生活に取り入れてみてくださいね。



【参考図書】

上記の著書では、「アイ・メッセージ」は「私メッセージ」として表現されています。それでも、私はこの著書を手にとる以前から、アイ・メッセージという言葉になじんでいたため、記事では前者の言葉を採用しました。よろしくお願いいたします。

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