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プログラミングの合理性が重視されるweb3の世界にいることが、一番自分らしくいられる

「すべてのモノをブロックチェーン上でやりとりできる世界をつくる」というミッションを掲げる株式会社Decentier。今回は同社CTOを務める長濱に話を伺いました。国内大手の暗号資産取引所などで働いた後、独立してさまざまなアプリやプラットフォーム開発を関わってきた彼が、どうしてまたweb3の世界に戻ってきたのかを探りました。

ーー長濱さんはこれまでどのようなキャリアを歩んできたのでしょうか。

これまでのキャリアは、今も昔も変わらず、ずっとエンジニアという感じです。ただ、自身の経験や志向性などからして、大手企業で働くより何でも自分で手掛けたり、ちょっと分からなくてもとにかく手を動かしてやってみたりすることが好きなタイプだと思います。会社に勤める傍らで個人でもちょっとしたスマートフォンアプリを作るなどしていました。

小畑さんや市薗さんといった弊社創業メンバーとはbitFlyerで出会うことになりますが、bitFlyerに入社したのも、技術面での興味関心が強かったことに加え、暗号資産やブロックチェーンの存在がとてもユニークに感じたから。当時のbitFlyerは人数規模もさほど大きくなく、まさにITスタートアップという気風が色濃くあった時期。その後、紆余曲折を経て会社としては大きく成熟し、その変遷を肌身で感じられたことはとても貴重な経験であった一方で、自分の実力を測るという意味でも一度会社を離れることを決めました。

とはいえ、退職後もbitFlyerのプロジェクトには業務委託という形で関わらせてもらっていた他、自分でシステム開発会社を立ち上げてマッチングアプリを作るものの採算が取れずクローズしたり、医療系スタートアップのプラットフォーム構築に立ち上げから参画したりと、伸び伸びといろんなことをしていたかなと思います。

ーーお話を聞く限り、bitFlyer退職後もお仕事は充実していたように感じます。その中でDecentierに参画するきっかけは何かあったのでしょうか。

今回のインタビューをきっかけにふと思い返してみたのですが…、正直これといった明確なきっかけはなく、気がついたらゆるっとDecentierの中にいた、といった感覚が自分の中ではあって。

ただ、会社を出てから一人で仕事を請け負って、開発し、納品するといったサイクルが続いていく中で「やっぱり誰かと一緒にやるのっていいな」という気持ちが芽生えていたのは明確にありました。とはいえ、一緒にやれるなら誰でもいいかと言うとそうではなく、明確な定義は難しいのですがやっぱり「いいヤツ」と働きたいというのが譲れない部分として存在していて。その点で言うと、小畑さんや市薗さんらは過去一緒に働く中で、彼らが本当に「いいヤツ」だということは分かっていたので、声をかけてもらった中でごく自然とDecentierの一員になっていた、という感じですね。

ーー長濱さんはお一人でもビジネスからエンジニアリングまで手掛けられる分、誰と一緒に働くかに重視していたわけですね。

当時から明確に言語化できていたわけではないものの、そういう側面はあったかと思います。そして、これは僕の持論ですが、この「いいヤツかどうか」は経営陣やビジネスサイドに立つ人間により強く求めたいと考えています。エンジニア同士のやり取りは良くも悪くもコードで語り合う事がコミュニケーションの土台にあるお陰で、何が正しいか、何がゴールなのか、エンジニア間でブレることなく前に仕事を進めやすいと信じているからです。

一方で、経営陣やビジネスサイドに立つ人たちからは、会社の方向性や事業方針をどうするのかを、口頭やテキストなどで伝えられてきます。その中には100%合理的とは言えない決断であったり、エンジニアの立場からは難しい内容なども含まれていますが、そうした中で相手が信用に足る「いいヤツかどうか」は、個人や組織の気の持ちように大きな影響を与える要素だと感じています。そうしたやり取りの中から後ろ向きな空気感が生まれると、組織全体のパフォーマンスがガクッと落ちる瞬間を何度も目にしてきた分、ビジネスサイドの人間性は特に重視していて、Decentierは「この会社なら一緒に働きたい」と自然に思わせてくれた空気感がありましたね。

ーー長濱さんから見て、web3の世界で働く醍醐味や面白さはどこにありますか。

先程話した人間性とは対極に位置するのがweb3だと思っています。web3を取り巻く法整備なども着実に前に進んでいますが、web3の世界はその完成度の高さから、特定個人の恣意的な感情などを極力排した形で存在しており、一つ一つの処理が極めて合理的に進んでいます。web3が持つ本質的な原理原則を歪めることなく、トランザクションやデータベースの値が正しいのであれば、正しい方向に粛々と処理されていく美しさは、一人のエンジニアとしてもやはり魅了され続ける要素の1つだと思います。

一方で、こうしたweb3の根っこを支えている技術そのものは、異業種などでも当たり前に使われているものが多く、実はエンジニアからすると技術面での参入障壁はさほど高くはないはずです。web3やブロックチェーンなどの文脈に対する興味関心が強い方であれば、きっと楽しいと感じてもらえると思いますし、逆にweb3の表面的なイメージでキラキラしている何かを期待している場合はちょっと難しいかもしれません(笑)。

ーー長濱さんの目から見て、Decentierをより強いチームにしていくために、今必要としている人材とはどのような方ですか。

繰り返しになってしまいますが、やはり「いいヤツ」であることが大前提かもしれません。エンジニアに限定すると、これまでに経験した技術や業界などにはあまり頓着しておらず、コンピューター・サイエンスの基礎と重要性をきちんと理解していること、ポジティブに物事を捉えられること、課題を真正面から受け止めて他責思考に走らないこと、自分の行動が周囲にどういう影響を及ぼすかを考えられること…といった部分になるのかなと思います。web3やブロックチェーンに関する実務経験は必須ではなく、あくまでも歓迎要件の1つでしかありません。

現状のDecentierを見ても、職種や雇用形態を問わず、たとえ一人でもビジネスをどんどん前進させていくことができるメンバーが集まっています。言い換えてしまえば、今いるメンバーたちは課題やトラブルを自分ごと化して解決できる実力がある人たちばかりで、他責思考で不平や不満をチーム内に蔓延させることがほとんどありません。どんなに優秀な人達が集まっていても、その中に小さな不穏分子が存在してしまうと、チーム全体のパフォーマンスが極端に落ち込む様を何度も見てきた自分にとって、今のDecentierは「いいヤツ」が集まっている、とてもいい感じのチームだと思っています。

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