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「ART & COPY 」の考察


art&copyの映画ポスターのグラフィック。

1. なぜアイデアとして優れているか?

ポップアートのようなテイストでアートを連想させる

ポップアートのようなテイストのビジュアルが印象的な表現。
ARTを「視覚でみる」、copyを「言葉で話す」というニュアンスにするため、目と口を使って対比させている部分は直接的な表現ではあるが、ビジュアル表現によってオリジナリティを出している。

2. ビジュアル表現のよさは何か

単調な印象にならないテクスチャの多様

グラフィックはサイケデリックな配色やテクスチャが入り、不思議な世界観を演出している。
たくさんの幾何学や配色がランダムに入り交じる賑やかさがありつつ、ベースカラーの面積が広いため、まとまりを感じる。
かつ隣り合うカラーは同色や同じテクスチャを使わないよう徹底されているため、不自然さは感じない。
また、ART copyという文字は黒で統一されていることによって可読性を保ちつつ、直線と曲線のみで構成されているため、他の幾何学的なグラフィックとのトンマナの一貫性があり、しっかりとグラフィックに馴染んでいるところも巧み。
&もカラフルな演出になっており、形は記号だが配色は目や口のグラフィックに合わせることで、文字とグラフィックの間それそれの&としての役割を担っている。


3. 構図の妙は?

テキストを上から下に、目と口のグラフィックを左から右へと配置することで読み物とビジュアルとしての線を引き、両者が違和感なく馴染んでいる。


4.フォントの特徴は?

ART&COPYという文字は、直線と曲線で創られたタイポグラフィで作られており、それがグラフィックのようにも感じられるため、グラフィックと並んで配置されていても統一感のあるビジュアルとなっている。


5.批判的視点

右下あたりの目の周りにいるふにゃふにゃっとした曲線が何を表しているのか不思議だった。全てに意味付けしてしまうとかえってアートのニュアンスが弱くなるため、あえて飾りとして抽象的なモチーフを入れているような感じもするが、見るから連想されるモチーフがあっても面白かったかもしれない。


6.個人的な感想

ビジュアルとして直感的に「いいな」と思わせてくれるグラフィックは早々ないが、このビジュアルはとても惹かれるものがあった。
色合いや曲線、直線などの統一感、タイポグラフィなどすべてが折り合って美しく見せている。
こんなビジュアルを私も作りたいと思わせてくれるものだった。

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