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絵を描く人はお絵描きと同時に運動もしておくべきという話

皆さん、体育の授業は好きでしたか?自分は大っ嫌いでした。
授業の評価はいつも中の下くらいで、その日の時間割りに「体育」の文字があるだけでいつも憂鬱でした。。。

好き嫌いが分かれる科目かとは思いますが、ここで「体育の授業が嫌い=自分は運動が苦手・運動ができない」と考えるのは早計です。
そもそも体育は明確に優劣がつけられやすい授業で、できる人は楽しくてもできない人はとことん楽しくない授業の筆頭と言えるでしょう。
体育の授業は嫌いでも、散歩やジョギングのような適度に汗をかける運動や、筋トレのような身体づくりをするのは好き!というのは十分ありえる価値観です。実際に自分もこのタイプですし。

そんな自分がお絵描きと並行する形で筋トレを続けて4年が経ち、至った結論が絵を描く人ほど筋トレや運動で体力をつけておくべき、というものです。一見すると全く関わりがないように思える両者ですけどね。
今回は「お絵描き初心者は覚えておきたい大事なポイント」の最終編として「フィジカル編」、すなわちなぜ絵描きは体力をつける必要があるのかについてお話します。
体育の授業が嫌いだった人も、これを機に身体づくりに興味を持って貰えれば幸いです。


① お絵描きには意外と体力が必要

これをまずは声を大にして言いたいです。「え、ただ座って描くだけなのになんで体力が必要になるの?」と思うかもしれませんが、絵を描くのって意外と体力を使います。

体力の使いどころはいくつかありますが、まずは脳で思考することが挙げられます。
絵を描く時って全く同じものを何度も描くことはほとんどなく、毎回構図やモチーフを変えて描くことが多いと思います。頭を使わずに済む単純な作業があまり無い。
要は絵を描く時は常に考え続ける必要があり、その思考をし続けるために体力を消費するというわけです
ただこれはブドウ糖などの糖質の有無がものを言うので、体力をつけてどうにかなるものではありません。活力が湧かないならきちんとした栄養補給を。米を食え米を!

次に挙げられるのが姿勢の維持です。
一見するとただ座って作業しているだけに見えますが、長時間同じ姿勢を維持し続けるために地味に体力を消費しています。特に腹筋や背筋といった腰回りや背中の筋肉が該当しますね。
また、絵を描く際の腕や指先の動きにも体力が必要です。きれいな線を引く時、ペンがブレないよう指先に力を入れて保持する際にもエネルギーを使います。また、作業中は常に集中し続ける必要があるので、そこでも気を張り詰めるにあたって精神が摩耗していきます。ここでも体力がものを言うでしょう。

このように、わかりやすいポイントだけを取り上げても地味~~~に体力が要求されます。お絵描きは卓上スポーツと言えるかもしれない
ちなみに体力が続かないと、脳や身体を休めるためにしょっちゅうスマホを眺めたり、脳を使わずに遊べるゲームについ逃げたりしてしまいます。自分もやりがち
集中力が長続きしないときは、体力不足を疑うことも必要かもしれません。

② 筋トレの考え方は絵描きに応用が利く

※予めお断りしておきますが、タイトルの「体力をつけるべき理由」という話から少し逸れます。

筋トレにおいて、筋肉を発達させるために必要な習慣として以下のサイクルが重要とされています。

筋トレをして筋肉を破壊する→食事で筋肉の修復に必要な栄養を摂る→睡眠で筋肉を回復する→筋トレをする……

「筋肉の破壊」「栄養補給」「筋肉の再生」の3要素を繰り返すことで筋肉は成長するという論理ですが、自分はこの考えが絵描きの上達にも応用できると考えました。以下は自分なりの解釈となりますが、お絵描きの上達は「脳の破壊」と「睡眠による再生」の2つの要素の繰り返しだと思っています。
「脳の破壊」というと大仰に聞こえますが、内訳として2つに分けられます。1つはインプットによる脳の破壊、もう1つは脳の最適化になります。

まずはインプットについてです。
皆さんは「絵柄が昔から同じままで古臭く見えてきた人」や「途中までメキメキ上達していたのにある時から急に停滞してしまった人」を見たことはあるでしょうか。
これらの人はインプットをしなくなったことで破壊と再生のサイクルが止まった人、すなわち上達を止めた人だと考えられます。

そもそもインプットとは、新しい情報を取り入れることで自分の固定観念を破壊し、新たな知見を獲得する一連の行為を意味していると思っています。いわば脳のリフォームです。
流行を自分の活動に取り入れている人は、積極的にインプットを行っていると言えますね。

先ほど例に挙げた方々は、インプットをしなくなったことで情報の更新による脳の破壊が行われなくなり、結果的に上達が止まってしまったというわけです。
インプットをせずにアウトプットばかりする人も「脳のリフォーム」が行われないので、上達しない可能性が高いと考えられます。もちろん状況は人によって様々なので、一概にこれが全ての原因とは言えませんが。

人は往々にして安定を求める傾向にあり、新しいことへの挑戦に抵抗を持つ生き物です。同じ作業の繰り返しに安心するのは成功がほぼ確定しているからで、新しいことへの挑戦に抵抗があるのは、先行きが見通せず不安要素が大きいからです。
ただお絵描きに関しては、常に挑戦する姿勢が求められます。何故なら陳腐化するスピードが速いから
コンテンツの供給量が多い現代では、その消費量も尋常ではありません。何日もかけて描いた絵がたった1秒しか見られないなんてよくある話です。
なので上達のためにはインプットによる定期的な脳のリフォームが欠かせない、ということになります。

もう1つの脳の最適化についてです。
例えば最初は線を引くこともままならなかったのに、反復練習を重ねるうちに思い通りに描けるようになったとします。筋トレで言えば、練習や勉強を重ねるうちに理想的なフォームで筋トレができるようになる感じ。

身体の筋肉は脳からの信号を受けて動きますが、この信号を適切に送れるようにするために、脳では日常的にニューロンとシナプスの最適化が行われています。これを自分は脳の最適化と呼んでいます。
ニューロンは脳のなかで情報を受け取って次の細胞や器官へ情報を伝える働きを、シナプスはそのニューロン同士をつなぐ情報伝達の架け橋の役割を持ちます(※1)。

最適化は反復練習やインプットを受けて行われますが、そのスピードはゆっくりで、何日もかけて行われます。
覚えておきたいのは、お絵描き以外のあらゆる事象に対しても最適化は毎日行われている点です。お絵描きを休んでいる間は他のことに最適化が行われてしまい、お絵描きに対する最適化が段々削がれていきます
そのため、1日にまとめて何時間も練習するより、毎日1時間ずつ練習していった方が確実に最適化ができると言えるでしょう。この点から見ても、習慣化は上達する上で必須要件であると言えます。

以上の2点が、筋トレを習慣化する中で考え付いた知見です。
まとめると「脳はインプットを通して定期的にリフォームする必要がある」「脳をお絵描きに最適化するため、少しずつでもいいので毎日継続する」です。

ちなみに「睡眠による再生」は文字通りの意味ですね。頑張ったらいっぱい寝ましょう。
ただ、この理論はちゃんとした論文があるわけでもないのでその点はご了承ください。。。

※応用が利くという意味では、解剖学的知識も応用できます。筋肉に関する知識はお絵描きにも筋トレにも使えますし、筋肉がつくと自分の身体を観察するのが楽しくなります。
解剖学を勉強しながら筋トレをする。相乗効果で上手くなるのでおすすめ。

③ いずれ来る老いに備えるため

老いは万人に訪れます。20代のうちはまだ考えもしないと思いますが、30代に入ると一気に来ます。ちなみに自分も今年で30歳になりますが、緩やかに老いを実感する…なんてことはなく、ガツンと老いを実感してます。。。

動けるうちから体力づくりをしておいた方が賢明です。特に、全く運動をしてこなかった人が筋トレを3年くらい続けてもほとんど効果が実感できないので、早めに習慣づけておいた方がいいです(経験談
関節痛や腰痛持ちになってから運動をするのは地獄を見るので、面倒でもスタートしましょう。

筋トレが大変な人は散歩だけでも十分です。1時間歩けば大体8000歩で、週に2回もやれば十分な歩数です。長時間座りっぱなしでほとんど歩かないのが習慣になってる人は相当ヤバいので気をつけましょう(自戒

④ 自己肯定感の向上とストレス発散

長時間座りっぱなしは健康に悪影響なのは先述のとおりですが、メンタルにも影響を及ぼします。
メンタルを維持することの重要性は、他の記事でもお話しているとおりです。『心・技・体』とあるように、どれか一つが欠けたとしても活動は成り立ちません。

古代中国には「気」という概念があります。気は身体を絶え間なく巡っていて、その流れが淀むと自身や周囲に悪影響が及び始めるとされています。
芸術の領域においても気は重要視されており、作品の出来にすら影響を与えるとまで言われたことも。

ただ、気は目に見えないのでいまいちピンと来ないかもしれません。現代で言えば血液がわかりやすいでしょうか。
まあ要は、座りっぱなしや籠もりっぱなしは血の巡りが悪くなってしまうので、適度な運動で流れを良くしましょうっていうお話でした。幸せホルモンと呼ばれるセロトニンも軽い運動や陽の光に当たることで分泌されるので、メンタルを維持するためにもやって損は無いですね。

⑤ 運動を介した生活習慣の改善

安定した日常生活は、それだけ長期間の活動に直結します。しょっちゅう身体を壊したりしていては、どんなに素晴らしい作品でも完成に時間がかかってしまいます。コンテンツの消費が早い現代において、完成が遅れることは大きなハンデに。
著名な作家が様々な病気で活動停止しているように、健康の維持はたとえ面倒だとしてもいずれ付き合わざるを得ない課題と言えるでしょう。

対策としてはこれまで解説したように運動や筋トレになりますが、1から説明したらキリが無いので割愛します。1つだけ言うとすればエナジードリンクを常飲してる人は早めに止めた方がいい
エナドリには非常に多くの砂糖やカフェインが含まれていて、糖尿病や心疾患に脳梗塞といったあらゆる病気のお手軽スターターセットと言っても過言ではありません。長時間座って作業するだけでエコノミー症候群のリスクが上がっているのに、更に血液をドロドロにしてしまっては目も当てられない。もしも惰性で毎日飲んでいるとしたら、一度よく考え直した方がいいです。

ただ、気付けを兼ねて飲みたくなる気持ちはわかります。エナドリと一緒に水を多めに飲んでおくとか、適度にストレッチをして身体を動かすと多少はマシになります。それでも今後長期間お絵描きをしていきたいのであれば、いずれはコーヒーやカフェイン錠などに置き換えた方がいいかもしれません。


●最後に

以上、簡単にではありますがご紹介でした。
絵描きは「体力が落ちる一方なのに体力をつける必要がある趣味・仕事」です。早いうちから習慣づけしておいた方が、長い目で見ても後々楽ができるでしょう。
なお、今回の記事で『お絵描き初心者は覚えておきたい大事なポイント』シリーズは一旦完結となります。次回からは何かしらのテーマに沿ってあれこれ話していこうと思います₍₍(ง˘ω˘)ว⁾⁾

ここまで読んでいただきありがとうございました。
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●参考文献
(※1)神経|からだとくすりのはなし - 中外製薬
https://www.chugai-pharm.co.jp/ptn/medicine/karada/karada022.html#:~:text=%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%82%B7%E3%83%8A%E3%83%97%E3%82%B9&text=%E8%84%B3%E3%81%AE%E3%81%AA%E3%81%8B%E3%81%A7%E6%83%85%E5%A0%B1,%E9%80%9F%E5%BA%A6%E3%81%8C%E9%80%9F%E3%81%84%E9%83%A8%E5%88%86%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82


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