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そうだ、山に行こう〜伊吹山〜


そうだ、伊吹山に行こう。
そう思ったのは先週。寒暖差が激しく、喉に違和感、呼吸苦、倦怠感と、デスクワーク中心の私ですら体が辛かった。
そんな折に、母が東京に行くという。
駅への送り迎えの手間賃はクラフトビール1本。なかなか悪くない条件だ。(地元の駅では1晩の駐車賞金が1000円ぐらいなため)
ふと、母のプリウスが空くことに気付いた。
ご存じの通り、プリウスは日本の車でも屈指の燃費の良さ。リッター30kmだとかなんとか。しかも最近、かなり状態のいい中古に乗り換えている。
母に聞いてみた。「プリウスで遠出をしてもいいか?」と。
使った分のガソリンを補填してくれるならと許可が下りた。
やった!
そうなると、普段は行けない遠いところがいい。高速も使っていいとのこと。
行くのは上か下か。悩みどころだ。
ふと、グーグルマップで「伊吹山」が目に入った。
伊吹山には有料道路があり、山頂の結構近くまで車で行けるとのこと。
日本の百名山の一つであり、飲食店もあってドライブに来る人もいるらしい。
二、三日考えた。
よし、行こう。
父を誘った。物静かな父に、やかましい私というのはいささか申し訳ないと思ったが、母曰く「とても楽しみにしていた」とのこと。
母を駅に送ってから、滋賀県へと向かった。
私は社会科が苦手で、地理やら日本史やらはちんぷんかんぷんだ。
「父ペディア」と(勝手に)呼ばれている父にあれこれ質問しながらの道中だった。

さて、伊吹山だが。
場所的にはかの関ケ原の近くにある。「関ケ原ウォーランド」とかもあった。ちょうどインスタ映え映えな和傘のイベントもやっていたようだが、最近の私の興味はもっぱら「登山」である。
行くまで知らなかったが、百名山の他、新・花の百名山だったり、織田信長がポルトガルの宣教師に薬草園を作らせたりした山らしい。
現在、麓からの登山はできないらしく、私が利用したのは「伊吹山ドライブウェイ」だ。
JAFの会員カードを見せ、通行料を割引してもらう。
道中の道は18℃と涼しく、エアコンいらず。スカイテラス・伊吹山の近くには大きなレンズをつけたカメラマンがたくさんいた。どうやらオオワシだかイヌワシだかが撮れるらしい。(それを聞いていたため、一応は150-600mmのレンズも持参したが……テント泊の訓練用の重りになってしまった)
着いた時点で父はあまりの風の強さに山頂までのハイキングを拒否。朝、革ジャンを着ていこうとした父を、母が季節外れだからやめろと脱がせたのがここにきて仇になる。
二人でテラス席にて、天下分け目のうどんとそば(関西風だしと関東風だし)をそれぞれ食べる。
その後、父に車のカギを預け、私一人で登ってきた。
風は強いがすがすがしい気分だ。平日の体調不良が嘘のようだ。
基本は整備された登山道。琵琶湖の一望できる場所もある。

山頂ではヤマトタケルの像があったりと、古事記にもゆかりのある山だった。お店もあり、悩んだ末に山バッヂを購入した。
ナチュモラと付き合っていた時に少し集めていたのだが、引っ越しの折に回収できずに泣く泣く紛失している。断捨離の途中のため、買うかどうか悩んだが、もう一度集めてみようと思った。
帰りは最短ルートの階段を下りる。ちょうどついたころに父が車に戻っているのを見つけた。ちゃっかり買い物を済ませていたらしい。
見ると、イブリンボーのTシャツが……弟にやるのだそうな。最近、父と弟の仲があまりよくないように見えていたのだが、昨夜お土産だと渡していた時に弟が破顔していたので、杞憂だったようだ。

何故伊吹山に行きたいと思ったのかは謎である。
ただ、私の人生の要所要所で、「山」がターニングポイントになることが多々ある。
それを差し引いても、伊吹山は気持ちのいい場所だった。
※なお、スカイテラス伊吹山では水のサービスがないため、売店で購入する必要がある。水源のある山って貴重なんだなと再認識させられた。

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